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2025.11.17〜(47週)
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これは…すごい
化物語から続終物語どころかモンスターシーズンまでリンクしてる
読み終わった後の満足感がハンパないって https://t.co/Ryf3pBj7kY November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 秋の夕暮れ。 駅前の公園のベンチに、三人が座っている。 阿良々木暦(今はもう三十路手前)、井草悠真、そして高校二年生の井草真依。 今日は奇跡的に、真依の声が出る日だった。 暦(静かに口を開く) 「……俺が真宵と初めて出会う十一年前、俺は七歳だった。 悠真は三歳。 その母の日の午後、真宵は離婚した母親に会いに行く途中だった。 いつもと違う道を通って、信号のない横断歩道を渡ろうとした瞬間―― 左から来た小型トラックが猛スピードで突っ込んできた。 運転手は居眠り。 ブレーキの音もクラクションも間に合わず、 小さな体が十メートル以上吹き飛ばされて、頭から血を流して即死。 唇すら動かせなかった。 最後に『ママ……』って言おうとした形すら残せなかった」 悠真(息を呑む) 「……それが、始まりだったんですね」 暦 「ああ。真宵は地縛霊になって、交差点から一歩も動けなくなった。 毎日、同じ時間に同じ場所で、轢かれる瞬間を何度も何度も繰り返して…… 口パクすらできなくて、ただ目で泣いてた。 俺が十八歳になって、化物語が始まった5月14日―― まよいマイマイの日―― 俺は初めて真宵の声が聞こえた。 『阿良々木さん……私、死んじゃったんです』って」 真依(震える声で) 「……そのとき、真宵ちゃんは天国にいたんですよね?」 暦 「ああ。両親は事故の数年後に相次いで亡くなって、天国で真宵を待ってた。 でも真宵は成仏できなかった。 『お母さんに会えなかった』って、無念が強すぎて。 八九寺家は廃屋になって、取り壊されて…… 真宵はずっと彷徨ってた」 悠真 「その無念が……真依に?」 真依(涙をこらえながら) 「私が産まれたのは、真宵ちゃんが死んでちょうど一年後の4月…… 産まれた瞬間から、ずっと泣いてたって。 産声じゃなくて、『うわああああ』って…… 看護師さんたちが全員凍りついたって…… 私、真宵ちゃんの“片割れ”として生まれたんです。 真宵ちゃんの無念が、私の中に全部入って…… 迷い牛であり、蝸牛である怪異になって……」 暦 「重し蟹も、かたつむりも、猿蟹も、 続・終物語、オフシーズン、モンスターシーズン…… 全部、真宵の交通事故死が“顔”だった。 真宵が成仏しない限り、物語は終わらない。 ファミリーシーズンで俺とひたぎが21歳の真宵の触れる浮遊霊に会ったときも、 真宵はまだ怪異の心臓部だった。 神様になっても、支配は続いてた」 悠真 「でも今は……神様の役目を終えて……」 暦 「5月末に役目を母親に引き継いだ。 ひたぎが妊娠したのもその直後。 真宵は出産が終わるまで触れる浮遊霊に戻ってる。 でも真依、お前の中の無念は…… 真宵が完全に自由になっても、消えない」 真依(立ち上がる) 「……私、ずっと泣いてる。 一生、泣き止まない。 でも……今日だけは……」 真依はゆっくりと暦の前に歩み寄り、 両腕を広げた。 暦も立ち上がり、 優しく腕を開く。 真依が、 ぎゅうっと抱きついた瞬間―― 「うわあああああああああーーーーーーーーーん!!」 秋の風が止まり、 街灯が一斉に消え、 世界が、真依の泣き声に塗り替えられる。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 北白蛇神社、午前中。 20歳、大学二年生の井草真依は、 続・終物語の巫女装束(白衣に緋袴)で、 親友と二人、境内を黙々と掃除していた。 167cmの長身、緑のヘアゴム、 普段は一言も喋れない。 迷い牛・蝸牛の怪異が喉を塞ぎ、 八九寺真宵の大人の体質をそのまま宿している。 石段の隅で、 井草悠真と妻の火憐、 忍野メメ、 元神様で今は触れる浮遊霊の八九寺真宵と、 両親の霊、そして現在の神様である真宵の母親が、 静かに見守っている。 掃除が終わり、 真依は升に注がれた倭国酒を、 両手でそっと持ち、 一口、 二口、 三口―― 突然、 升を置き、 両手で顔を覆った。 「うわあああああああああーーーーーーーん!!」 境内が震えた。 鳥が一斉に飛び立ち、 鈴の音が歪み、 神鏡がひび割れる。 悠真 「真依……!」 火憐 「また……始まった……」 メメ 「ほう、これは見事な怪異の解放だねえ」 真宵(浮遊しながら) 「まいまい……!」 真依は泣きながら歩き出す。 顔を両手で覆ったまま、 境内を抜け、 町へ、 化物語の公園へ、 八九寺家の廃屋跡地へ、 交通事故現場の交差点へ、 墓石すら撤去された寺の墓跡地へ―― どこに行っても、 「うわあああああああああーーーーーーーん!!」 世界が歪み、 信号が狂い、 花が萎れ、 空が裂ける。 自宅に戻り、 自室の椅子に座り、 机に両肘をつき、 額を机に押しつけたまま、 「うわあああああああああーーーーーーーん……」 真宵が必死に叫ぶ 「まいまい! 真依ちゃん! もういいよ! 泣かないで!」 悠真 「真依……俺がいるから……」 火憐 「真依ちゃん……!」 メメ 「これが怪異の心臓部か……八九寺真宵の幽霊がまだ支配してる証拠だ」 真宵(涙を浮かべずに、声を震わせて) 「まいまい、いい加減にして!!」 その瞬間、 真依の体がびくりと硬直し、 机に額を押しつけたまま、 動きを一切止めず、 世界が割れるほどの、 これまでで最も深い、 最も純粋な、 八九寺真宵の11歳の無念そのものの泣き声が、 永遠に、 一生、 全世界を貫き続ける。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ20周年スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 5月末、北白蛇神社。 境内は新緑に包まれ、風鈴が涼やかに鳴る。 21歳の井草真依は、 続・終物語の巫女装束(白衣に緋袴)で、 親友たちと朝から掃除を終え、 最後に升に注がれた倭国酒を静かに傾けていた。 参拝に現れた悠真と火憐、 歩けるようになった牛歩(まだ喋れない)を連れて、 境内に入ってきた。 真依は升を置いた瞬間、 悠真を見つけて、 巫袴の裾を翻し、 全力で駆け寄り、 「うわあああああああああーーーーーーーん!!」 兄の胸に激しく抱きついた。 歩いていた牛歩も、 「うええええええええん!!」 と真似るように泣き出す。 境内が一瞬で凍りつく。 阿良々木暦、戦場ヶ原ひたぎ、羽川翼、神原駿河、千石撫子、斧乃木余接、忍野忍、忍野メメ、 火憐(悠真の妻)、月火、 神様である八九寺真宵の母親、 触れる浮遊霊の八九寺真宵の父親、 そして真宵自身―― 全員が、ただ、静かに見つめる。 暦(呟く) 「……またか」 ひたぎ 「今日も……始まったわね」 翼 「真依ちゃん……お酒のせいじゃないよね……」 駿河 「これが……北白蛇神社の本当の“怪異”か……」 撫子 「真依ちゃん……いつもより、声が深い……」 余接 「泣き声の周波数が異常値。神社の結界が共鳴してる」 忍 「血の匂いがするわい……でも血は流れておらぬ。痛みそのものが泣いておる」 メメ 「いやはや、これぞ北白蛇神社の真の起源だねえ。 蛇神様の怪異も、元を辿れば八九寺真宵の交通事故死から生まれた“迷い牛・蝸牛”の派生形。 真宵ちゃんの幽霊が首領で、心臓部で、大黒柱。 生きてたら物語シリーズは存在しなかった。 怪異も生まれなかった。 耐久性も汎用性も最高峰の幽霊だからねえ」 真宵(浮遊しながら、涙を浮かべずに) 「まいまい……真依ちゃん泣かないでよ…… ここは神社だよ? みんな見てるよ……」 暦 「真依ちゃん……もういいよ……」 悠真(妹を強く抱きしめながら) 「真依……俺がいる。ずっとここにいるから……」 火憐(夫の横で) 「真依ちゃん……今日も、すごく綺麗だったのに……」 月火 「真依ちゃんの巫女姿、最高にかわいかったのに……!」 真宵の母親(神様として静かに) 「真依ちゃん……ありがとう……」 真宵の父親(霊体で) 「真依ちゃん……もう、十分だよ……」 真宵がついに声を張り上げる。 「まいまい、いい加減にして!!」 その瞬間―― 真依の体がびくりと震え、 兄の胸に顔を埋めたまま、 巫女装束の袖が涙で重くなり、 世界が割れるほどの、 これまでで最も深く、 最も純粋で、 最も悲しく、 八九寺真宵の11歳の無念そのものの泣き声が、 北白蛇神社を、町を、空を、地球を、宇宙を、 永遠に貫いた。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ20周年スピンオフ】 『どこに行ってもなく少女』 5月16日、朝。 井草真依(21歳・大学3年生・167cm)は、 続・終物語の巫女装束のまま、 玄関のドアを開けた瞬間―― 「うわあああああああああーーーーーーーん!!」 両手で顔を覆い、 涙を溢れさせながら歩き出す。 北白蛇神社へ向かう道中、 親友が一人、掃除の準備をしながら待っていたが、 真依は境内に入るなり、 「うわあああああああああーーーーーーーん!!」 掃除もできずに、 石段に崩れ落ちて泣き続ける。 悠真と火憐、忍野メメ、 八九寺真宵(浮遊霊)、父親の霊、 そして現在の神様である八九寺真宵の母親が、 静かに見守る。 悠真 「真依……今日もか……」 火憐 「掃除に来たのに……こんなに泣いて……」 メメ 「ほう、これは見事な怪異の完全覚醒だねえ」 真宵 「まいまい……真依ちゃん……!」 真依は立ち上がり、 泣きながら歩き出す。 化物語の公園へ。 ベンチに座り込み、泣く。 八九寺家の廃屋跡地へ。 更地で膝をつき、泣く。 事故現場の交差点へ。 花に囲まれた銅像の前で、 轢かれた瞬間を何度も再現するように体を震わせ、泣く。 八九寺家の墓跡地へ。 土に返された場所で、 崩れ落ちて泣く。 「うわあああああああああーーーーーーーん!!」 自宅に戻り、 自室の椅子に座り、 机に両肘をつき、 額を机に押しつけたまま、 「うわあああああああああーーーーーーーん……」 真宵が必死に叫ぶ 「まいまい! 真依ちゃん! もういいよ! 泣かないで!」 悠真 「真依……俺がいる……」 火憐 「真依ちゃん……」 メメ 「これが怪異の心臓部……八九寺真宵の幽霊が支配する世界だ」 真宵がついに声を張り上げる。 「まいまい、いい加減にして!!」 その瞬間、 真依の体がびくりと硬直し、 机に額を押しつけたまま、 動きを一切止めず、 世界が割れるほどの、 これまでで最も深い、 最も純粋な、 八九寺真宵の11歳の無念そのものの泣き声が、 永遠に、 一生、 全世界を貫き続ける。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ20周年スピンオフ】
『どこに行ってもなく少女』
別の日、午後3時。
小さな交番の中。
井草悠真が制服姿で書類を書いていると、
ドアが勢いよく開いた。
続・終物語の巫女服を着た井草真依が、
白衣の裾を翻し、
赤い瞳に涙をためて、
まっすぐ兄に向かって駆け寄り、
「うわあああああああああーーーーーーーーーん!!」
悠真の胸に全力で飛び込み、
巫女の袖が涙でびしょ濡れになる。
悠真は一瞬で両腕を回し、
妹を強く抱きしめる。
悠真
「真依……! どうした!? 巫女服で……!」
真依は答えられない。
ただ、
兄の制服を握りしめ、
嗚咽が喉を裂き、
涙が頬を伝い、
床に落ちる音が、
交番の静寂を切り裂く。
八九寺真宵(浮遊霊)が、
慌てて現れる。
真宵
「まいまい! 真依ちゃん! 交番だよ!? 悠真くんが仕事中だよ!?」
悠真
「真宵ちゃん……でも、止められない……」
真依の泣き声は、
ますます激しく、
胸が張り裂けそうに、
肺が焼けるように、
魂が引き裂かれるように、
「うわあああああああああーーーーーーーーーん!!」
真宵がついに声を張り上げる。
「まいまい、いい加減にして!!」
その瞬間、
真依の体がびくりと跳ね、
兄の胸に顔を埋めたまま、
巫女服の袖が震え、
涙が床に血のように滴り、
世界が、
本当に、
物理的に、
感情的に、
存在ごと、
粉々に砕けるほどの、
これまでで最も激しく、
最も苦しく、
最も純粋で、
最も破壊的な、
永遠に終わらない泣き声が、
交番を、町を、空を、地球を、宇宙を、
すべてを貫いた。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
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