八九寺真宵 トレンド
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2025.11.17〜(47週)
:0% :0% (30代/男性)
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🎀先週末は東京へ
スタジオでの撮影とても楽しかったです✨
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八九寺真宵:@Ohei022
楪いのり:@uni_mikokig
撮影/サポ:@Ohei022 @hn_kig https://t.co/JbSLRK1dpB November 11, 2025
35RP
わーーーー今日はちょっと早上がり‼️
早上がりだょ〜八九寺真宵ちゃん着る🐌
11周年イベントまであと 3⃣日ーー‼️
2時間の特典、おチェキだよ‼️特別!
超楽しいメモリアル過ごそうねᐡɞ̴̶̷ ̫ ɞ̴̶̷ᐡ
待ってマース❤️🔥❤️🔥❤️🔥 https://t.co/SilzlZcXyI November 11, 2025
2RP
女の子の方が多分好きなキャラ多い
浅倉透、緋田美琴、マキマさん、岩倉玲音、綾波レイ、巴マミ、莉波お姉さん、斧乃木余接、八九寺真宵、エルサ、シンデレラ、デイジーダック、メリーポピンズ、市原仁奈、クロミちゃん November 11, 2025
1RP
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行ってもなく少女』 5月13日。 八九寺真宵が死んだ日から数えきれない命日。 井草家のリビング。 高校三年生になったばかりの井草真依(18)は、 兄・悠真の古いジーパンに白いTシャツという私服姿で立ち尽くしている。 赤い瞳、八重歯、長髪を緑のヘアゴムで縛ったまま。 生まれつき、化物語開始の十一年前の交通事故死の“遺伝子”を抱えて生まれた。 迷い牛であり蝸牛である怪異。 牛の形などどこにもない。ただ泣くだけの、八九寺真宵の無念そのもの。 4月に生まれたばかりの阿良々木牛歩(うしほ)は、 ゆりかごの中で小さな泣き声を上げ始める。 真依は崩れ落ちるように、 触れる浮遊霊の八九寺真宵に一生分の力で抱きついた。 「うわあああああああああーーーーーーーん」 それは、 十一年前、11歳の真宵が最後に上げたであろう、 「ママ……!」という届かなかった叫び。 轢かれた瞬間の衝撃、 アスファルトに叩きつけられた痛み、 母に会えなかった絶望、 すべてが真依の喉から、血と涙と魂を伴って噴き出す。 真宵が優しく背中を撫でる。 「まいまい……真依ちゃん、泣かないでよ。私が命日に泣かれるなんて……」 真宵の両親――もう霊体の姿で―― 静かに見つめながら呟く。 「真依ちゃん……ありがとう……」 夕方。 駅周辺は人で埋め尽くされた。 阿良々木暦、戦場ヶ原ひたぎ、羽川翼、千石撫子、神原駿河、斧乃木余接、火憐、月火、 小学校の児童、中学生、高校生、大学生、教師、町の人々―― 誰も一言も発さず、ただ立ち尽くす。 信号は止まり、車は止まり、電車は止まり、 世界は止まった。 八九寺家の廃屋は花束の海。 事故現場の銅像は花で埋もれている。 真依の泣き声が、 全世界を貫く。 それは、 母を探して歩いた道の記憶、 「もうすぐだよ」と自分に言い聞かせた小さな声、 最後に見た空の色、 轢かれる瞬間の衝撃、 「助けて」と誰にも届かなかった叫び、 すべてが、 今、 井草真依という18歳の少女の喉から、 十一年前のままの温度で、 永遠に、 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 4月中旬、井草家のリビング。 火憐が正式に井草姓になり、今日が初めての家族全員集合の日。 テーブルにはお祝いのケーキとビール、ジュースが並んでいる。 悠真(照れくさそうに) 「いやー、まさか俺が先に結婚するとは思わなかったよな」 火憐(頬を赤くしながら) 「うるさいな兄さん! 私だって……こんなに早く井草家に入ることになるとは思ってなかったけど……」 月火(目をキラキラさせて) 「ねえねえ! 火憐お姉ちゃん、もう完全に井草火憐だね! なんか響きがカッコイイ!」 真依(今日は珍しく普通に話せている) 「……おめでとう、悠真お兄ちゃん。火憐さんも……私、すごく嬉しいです。 家族が増えるのって、こんなに温かいんだね……」 火憐(優しく微笑んで) 「真依ちゃん、ありがとう。今日はずっと話せてて、本当に安心した」 悠真 「ほんとだよな。真依がこんなに長く喋ってるの、いつぶりだ?」 真依(少し恥ずかしそうに) 「……大学入ってから、少しずつ……話せる日が増えてきたんだ。 でも、やっぱり急にダメになることも多くて……」 月火 「でも今日は大丈夫だよね! ねえ、真依ちゃんの大学生活ってどんな感じ? サークル入った?」 真依 「合唱サークルに入ったよ。ソプラノパートで……みんな優しくて…… 美術サークルも掛け持ちしてて、個展に出す絵も描き始めて…… 普通の大学生っぽいこと、初めてできてる気がする」 火憐 「すごいじゃん! 私、昔から真依ちゃんの歌声大好きだったもん」 悠真 「俺もだ。コンクールのとき、客席で鳥肌立ったもんな」 そこに、ぽっかりと空気が揺れて、 八九寺真宵(触れる浮遊霊)が現れる。 真宵 「失礼、噛みました! ……って今日も噛んでないけどね! みんなおめでとうー! 火憐ちゃん、ようこそ井草家!」 火憐 「真宵ちゃんまで! ありがとう!」 真依(微笑みながら) 「真宵ちゃん……来てくれて、嬉しい……」 会話はさらに続き、 笑い声がリビングを満たす。 でも。 突然、真依の瞳が揺れた。 「……あ……」 立ち上がり、 月火の前に歩み寄り、 ぎゅうっと抱きついた。 「うわあああああああああーーーーーーーん!!」 リビングが震えた。 月火(驚きながらも優しく抱き返す) 「真依ちゃん……!」 真宵が慌てて駆け寄る 「まいまい! 真依ちゃん泣かないでよ! ねえ、何かあったか言ってください!」 でも真依は、 月火の胸に顔を埋めたまま、 ただ激しく泣き続ける。 真宵が声を張り上げる 「まいまい、いい加減にして!!」 その瞬間、 真依の泣き声が世界を貫いた。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
高校最後の体育大会。
秋晴れのグラウンド。
最終種目・対抗リレー。
アンカーは167cmの井草真依(AB型)。
普段は一言も喋らず、シャイで泣き虫の彼女が、
バトンを受け取った瞬間、
風を切るように加速する。
観客席がどよめく。
「井草! 井草! 速すぎる!!」
最後の直線。
誰も追いつけない。
真依はテープを胸で切り、
優勝を決めた。
ゴールした瞬間、
真依は足を止めず、
待っていた友人の胸に飛び込んだ。
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
涙と汗が混じり、
体操服がびしょ濡れになる。
友人(慌てて抱きしめながら)
「真依! すごいよ! 優勝だよ! なんで泣いてるの!?」
真依はただ、
顔を埋めて泣きじゃくるだけ。
体育大会終了後。
正門前。
体操服のまま、
息を整えながら立っていた真依は、
兄・悠真を見つけた瞬間、
再び全力で走り、
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
悠真の胸に激突するように抱きついた。
悠真(すぐに妹を強く抱きしめる)
「真依……お疲れ。すげえ走りだったぞ」
「優勝だろ? 俺、観客席で叫びすぎて喉痛いくらいだ」
「ほら、息して……ゆっくりでいいから」
「泣きたいだけ泣け。俺が全部受け止めるから」
そこに八九寺真宵(触れる浮遊霊)が現れる。
いつもの笑顔で、でも少し心配そうに。
真宵
「まいまい! 真依ちゃん泣かないでよ! 今日めっちゃかっこよかったのに!」
「ねえ、優勝したんだよ? みんな拍手してたよ! 私も浮かびながら大興奮してたんだから!」
悠真(苦笑いしながら)
「真宵ちゃん、ありがとう。でもこいつは……もう止まらない」
真宵(声を少し強めて)
「まいまい、いい加減にして!!」
その瞬間。
真依の体がびくりと震え、
兄の胸に顔を埋めたまま、
全世界を貫く、
これまでで最も高い、
最も悲しい、
最も純粋な泣き声が爆発した。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」 November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
5月14日。
まよいマイマイの、あの日と同じ公園。
19歳、大学一年生の井草真依は、
傾物語の真宵キョンシーが着ていた黄緑色のサバイバルジャケットとカーゴパンツ姿で立っている。
緑のヘアゴムで縛った長い髪が風に揺れる。
無口。
目は赤く、八重歯が覗く。
周囲には、
阿良々木暦、八九寺真宵(触れる浮遊霊)、井草悠真、斧乃木余接、忍野忍、神原駿河、羽川翼が、
遠巻きに監視している。
突然、真依の体が震え、
両手で顔を覆い、
地面に膝をついた。
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
迷い牛・蝸牛の怪異が完全に暴走。
泣きながら立ち上がり、
歩き出す。
暦(後を追いながら)
「真依ちゃん……待ってくれ」
「今日が5月14日だってこと、わかってるんだろ?」
「真宵がここで死んだ日だ……俺も、毎年ここに来てる」
「でも、お前は違う……お前は真宵じゃないんだ」
「だから、そんなに自分を責めなくていい……」
真依は答えず、
泣きながら歩き続ける。
北白蛇神社へ。
鳥居の前で立ち止まり、
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
事故現場跡地。
銅像の前で崩れ落ち、
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
八九寺家の跡地。
更地になった場所で、
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
八九寺家の墓跡地。
遺骨は土に返され、墓石も撤去された寺院の墓地。
ただの草むらに膝をつき、
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
悠真(走り寄りながら)
「真依! もういい! 帰ろう!」
余接(無表情で)
「……泣きすぎ。世界が歪む」
忍(ため息)
「マスター、こいつはもう止められんよ」
駿河
「どうしたら……」
翼
「私たちにできるのは、見守ることだけ……」
自宅に戻り、
自室。
真依は椅子に座り、
机に両肘をつき、
額を机に押しつけたまま、
「うわあああああああああーーーーーーーん……」
真宵がそばに浮かび、
優しく背中に手を置く。
「まいまい……真依ちゃん……
もう十分だよ……私、もう泣いてないから……」
でも真依は止まらない。
真宵がついに声を荒げる。
「まいまい、いい加減にして!!」
その瞬間。
真依の体がびくりと震え、
机に頭を押しつけたまま、
世界が割れるほどの、
これまでで最も深い、
最も純粋な、
最も届かない泣き声が爆発した。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」 November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
5月14日。
八九寺真宵の命日の翌日。
化物語のあの公園。
19歳、大学一年生の井草真依は、
傾物語の真宵キョンシーと同じ黄緑色のサバイバルジャケットとカーゴパンツを着て、
無口のまま、公園の中心に立っていた。
目に見えない敵と戦う。
拳を振り、蹴りを放ち、
息すら漏らさない。
ただ、赤い瞳だけが燃えている。
周囲を遠巻きに囲むように、
阿良々木暦、八九寺真宵(浮遊霊)、井草悠真、斧乃木余接、忍野忍、神原駿河、羽川翼が静かに見守る。
暦(小声で)
「……あれは真依の中の“迷い牛・蝸牛”が暴走してるのか?」
真宵(浮遊しながら)
「違うよ。あれは、私の無念がまだ真依の中で戦ってるんだ……」
余接(無表情に)
「戦闘能力は異常値。人間の限界を超えてる」
忍
「血の匂いがするわい……でも傷はない。あれは“痛み”そのものを殴ってるんじゃ」
戦いが終わった瞬間、
真依の肩ががくりと落ち、
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
初めて声が漏れた。
泣きながら歩き出す。
顔を両手で覆い、
涙を滴らせながら、
町を歩く。
北白蛇神社へ。
鳥居の前で立ち止まり、泣き崩れる。
八九寺真宵の自宅跡地。
更地になった場所で膝をつき、泣く。
事故現場。
花が絶えない交差点で、
轢かれた瞬間を何度も何度も再現するように体を震わせて泣く。
八九寺家の墓跡地。
遺骨は土に返され、墓石も撤去された寺の墓地。
ただの土の上に座り込み、泣く。
暦が後を追い、ずっと声をかけ続ける。
「真依ちゃん……もういいよ。戦わなくていい」
「俺がそばにいる。ずっとそばにいるから」
「真宵も、悠真も、みんな見てる」
「もう自分を責めなくていいんだ」
「真依ちゃんは悪くない……全部、俺たちのせいだ」
自宅に戻り、
自室の椅子に座る。
机に両肘をつき、
額を机に押しつけたまま、
「うわあああああああああーーーーーーーん……」
真宵がそっと背中に手を置く。
「まいまい、真依ちゃん……もういいよ……」
でも泣き声は止まらない。
真宵がついに声を荒げる。
「まいまい、いい加減にして!!」
その瞬間。
真依の体がびくりと硬直し、
机に額を押しつけたまま、
動きを一切止めずに、
世界が割れるほどの、
これまでで最も深い、
最も純粋な、
八九寺真宵の11歳の無念そのものの泣き声が、
全世界を貫いた。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
5月末。
化物語のあの公園。
夕暮れのベンチに、二人だけ。
19歳の井草真依(大学一年生)と、
触れる浮遊霊の八九寺真宵(永遠の11歳)。
真依(今日は珍しく普通に話せる)
「……真宵ちゃん。私、ずっと知ってた。
私が泣いてる理由……全部、真宵ちゃんのせいだって」
真宵(少し驚いた顔で)
「……うん。知ってたんだ。私も」
真依
「重し蟹も、かたつむりも、猿も蛇も、白い猫も黒い猫も、
終物語、オフシーズン、モンスターシーズン、ファミリーシーズン……
全部、真宵ちゃんの幽霊が心臓部だったんでしょ?」
真宵(静かに頷く)
「そう。私が成仏できないから、怪異は消えなかった。
私の交通事故死が、物語シリーズの“始まり”だったから。
私が幽霊としてこの町に留まってる限り、
怪異は私を中心に回り続ける。
重し蟹は羽川さんのストレスじゃなくて、私の“重さ”。
かたつむりは戦場ヶ原さんの呪いじゃなくて、私の“迷い”。
全部、私の無念が形を変えただけ」
真依
「神様になったときも……?」
真宵
「神様になっても、心臓部は私だった。
北白蛇神社の神様は“表”で、裏では私が支配してた。
ひたぎさんが妊娠したのも、私が役目を母親に押しつけて、
やっと少しだけ手を離したから。
でも完全には離せなかった。
だって私が成仏したら……物語シリーズそのものが終わっちゃうから」
真依
「両親も……幽霊で……?」
真宵(微笑みながら、少し寂しそうに)
「うん。お父さんもお母さんも、私を待っててくれてる。
天国には行かずに、私と同じように彷徨ってる。
だから私、成仏できない。
成仏したら、みんなが消えちゃう」
真依(震える声で)
「私が生まれたのも……真宵ちゃんのせい?」
真宵
「ごめんね。私が死んだ一年後の4月に、
私の無念が“もう一人の私”として生まれてほしいって願ったから……
君が生まれた。
迷い牛であり、蝸牛である君が」
真依はゆっくり立ち上がる。
そして真宵の前に歩み寄り、
両腕を広げて、
ぎゅうっと抱きついた。
「うわあああああああああーーーーーーーーーん!!」
世界が震えた。
公園の木々が一斉に葉を落とし、
空が裂け、
遠くの街灯が爆ぜる。
真宵は驚きながらも、優しく背中を撫でる。
「まいまい……真依ちゃん泣かないでよ……
私が泣かせてるんだもん……ごめんね……」
でも真依は止まらない。
全世界を貫く、
これまでで最も深い、
最も純粋な、
八九寺真宵の幽霊そのものの泣き声が、
永遠に響き続ける。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
5月末、化物語のあの公園。
夕暮れのベンチに、19歳の井草真依と、触れる浮遊霊の八九寺真宵が並んで座っている。
真依(珍しく普通に話せている)
「……真宵ちゃん。私、もう全部わかったよ」
真宵(少し驚いて)
「全部……?」
真依
「真宵ちゃんが死んだ日から、物語シリーズは始まったんだよね。
重し蟹も、猿の手も、白猫も黒猫も、蛇も、蝸牛も、キスショットも、
オフシーズンもモンスターシーズンもファミリーシーズンも、
全部、真宵ちゃんの幽霊が“心臓部”だった」
真宵(目を伏せて)
「……うん」
真依
「真宵ちゃんの幽霊は、怪異の“支配者”。
成仏できないから、怪異は消えない。
消えないから、物語は終わらない。
西尾維新先生が物語シリーズを続けられる理由は、
真宵ちゃんが永遠に成仏できないから……」
真宵(苦笑い)
「ひどいこと言うね。
でも……その通りなんだ。
私、神様になったときも、役目を終えたときも、
心臓部は動いてた。
母親に神様を譲った今も、私の幽霊はここにいて、
全ての怪異を支配してる」
真依
「両親も……幽霊のまま、真宵ちゃんのそばにいるんだよね」
真宵
「うん。お父さんもお母さんも、天国に行けなくて。
私を待ってる。
でも私は行けない。
行ったら、物語が終わっちゃうから」
真依(震える声で)
「だから……私が代わりに泣いてる。
真宵ちゃんの代わりに、永遠に」
真宵(優しく首を振る)
「違うよ。私はもう泣かない。
泣くのは真依ちゃんだって決まったから」
真依(涙を浮かべながら立ち上がる)
「ごめんね……真宵ちゃん……
私、もう我慢できない……」
真依はゆっくりと歩み寄り、
八九寺真宵に、
ぎゅうっと抱きついた。
「うわあああああああああーーーーーーーーーん!!」
世界が裂けた。
真宵は優しく背中を撫でながら、
静かに呟く。
「まいまい……真依ちゃん、泣かないでよ……」
でも泣き声は止まらない。
止まるはずがない。
真宵の幽霊は永遠に成仏せず、
物語シリーズは永遠に終わることなく、
井草真依は永遠に泣き続ける。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
5月末。
化物語のあの公園。
夕暮れのオレンジが空を染めるベンチに、
19歳の井草真依と、触れる浮遊霊の八九寺真宵が並んで座っていた。
真依(今日は珍しく声が出る)
「……真宵ちゃん。全部、知ってるよ」
「私の中にいる真宵ちゃんの無念が、物語シリーズの“心臓部”だってこと」
真宵(少し驚いた顔で)
「……まいまい、どうして……」
真依
「忍野メメさんが教えてくれた。
重し蟹も、猿の手も、白猫も黒猫も、蛇も、キスショットも、
終物語、オフシーズン、モンスターシーズン、ファミリーシーズン……
全部、真宵ちゃんの幽霊が“心臓部”として支配してるって」
真宵(俯いて)
「……ごめんね。私が死んだせいで……」
真依
「違うよ。私が生まれたせいだよ。
真宵ちゃんの無念が私に宿って、
だから真宵ちゃんは成仏できなくて、
物語シリーズも終わらないんだ」
真宵
「でもね、神様になったとき……
北白蛇神社の神様として、全ての怪異を俯瞰したとき、
やっぱり私だった。
私の“お母さんに会えなかった”って気持ちが、
怪異の“顔”になって、
みんなの心に巣食ってた」
真依
「だから西尾先生も、
“真宵が成仏したら物語は終わる”って言えないんだね。
真宵ちゃんの幽霊が心臓部だから、
成仏はもう不可能。
両親も幽霊のままで、
私も一生泣き続ける」
真宵(涙目にならず、でも声が震える)
「ごめんね……まいまい……
私が死んだせいで、みんなが……」
真依(ゆっくり立ち上がる)
「違う。私が真宵ちゃんの“片割れ”として生まれたから、
真宵ちゃんは成仏できなくて、
物語シリーズは永遠に続くんだ」
真依は一歩踏み出し、
八九寺真宵に、
ぎゅうっと抱きついた。
「うわあああああああああーーーーーーーーーーーん!!」
世界が震えた。
真宵が優しく背中を撫でる。
「まいまい……真依ちゃん泣かないでよ……」
でも真依は止まらない。
涙が止まらない。
声が止まらない。
公園の木々が揺れ、
空が歪み、
過去と現在と未来の全ての怪異が、
この泣き声に共鳴する。
真依の泣き声は、
八九寺真宵の幽霊が支配する、
永遠に終わらない物語の心臓の鼓動そのものだった。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
5月末。
化物語のあの公園。
夕暮れのベンチ。
19歳の大学一年生・井草真依と、
触れる浮遊霊の八九寺真宵が、
並んで座っている。
真依(今日は奇跡的に話せる)
「……真宵ちゃん。全部、私のせいなんだよね」
真宵
「何が?」
真依
「物語シリーズが終わらないの。
重し蟹も、猿の手も、白猫も黒猫も、蛇神様も、キスショットも、
オフシーズンもモンスターシーズンも、ファミリーシーズンの全部も……
根っこは真宵ちゃんの幽霊でしょ?」
真宵(静かに頷く)
「うん。私が死んだ日から、怪異の心臓部は私なんだ。
私の無念が、すべての怪異の“顔”になってる」
真依
「ひたぎさんの重し蟹も、神原さんの猿も、羽川さんの猫も……
全部、真宵ちゃんの“交通事故死”が起点でしょ?」
真宵
「そう。私の幽霊が成仏しない限り、怪異は消えない。
西尾維新先生が物語を終わらせられないのも、
私が成仏を拒んでるから。
だって……まだ、ママに会えてないもん」
真依
「両親も幽霊になってるって聞いた……
でも、それでも成仏できない?」
真宵
「ううん。両親はもう成仏してる。
でも私は違う。
私が成仏したら、物語シリーズが本当に終わる。
だから私は永遠にここにいる。
神様になったときも、役目を終えたときも、
心臓部は私から離れなかった」
真依
「私が生まれたのも……そのせいだよね。
真宵ちゃんの無念が、私に宿った。
迷い牛・蝸牛って、私自身が怪異の“器”なんだ」
真宵(優しく微笑む)
「まいまい……ごめんね。
でも、ありがとう。
私の代わりに泣いてくれてる」
真依はゆっくり立ち上がる。
そして、
真宵の前に歩み寄り、
ぎゅうっと抱きついた。
「うわあああああああああーーーーーーーーーん!!」
世界が歪んだ。
真宵が慌てて背中をさする。
「まいまい、真依ちゃん泣かないでよ……!」
でも真依は止まらない。
涙が止まらない。
声が止まらない。
物語シリーズのすべての怪異が、
この泣き声に共鳴し、
永遠に終わらないことを、
世界が再び知る。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 6月、梅雨の晴れ間。 学校帰りの高校三年生・井草真依は、 いつもと違う道を選んでしまった。 制服のまま、公園のベンチに座り込む。 緑のヘアゴムが汗で重く、 167cmの長い体を小さく丸めて。 普段はシャイで、 呟くことすら、声を出すことすら、 誰かに見られるだけで喉が詰まる。 両手で顔を覆い、 指の隙間から涙が溢れ、 「うわあああああああああーーーーーーーん……」 まるで赤ちゃんのように、 ムジナのように、 迷い牛・蝸牛の怪異が全身を支配し、 幼い子が初めての絶望に触れたような、 純粋で、底なしの泣き声が漏れ出す。 公園の鳩が飛び立ち、 ブランコが軋み、 遠くの道路の信号が一瞬狂う。 親友が必死に探し当て、 「真依! いた! ごめん、遅くなっちゃって……!」 でも真依は立ち上がり、 顔を両手で覆ったまま、 泣きながら歩き始める。 「うわあああああああああーーーーーーーん……」 そこに、 ぽっかりと空気が揺れて、 出産を終え、化物語時代の姿に戻った触れる浮遊霊の八九寺真宵が現れる。 「まいまい……こっちだよ。お家に帰ろう」 真依は真宵の手を掴み、 顔を覆ったまま、 泣きながら歩き続ける。 自室。 椅子に座り、 机に両肘をつき、 額を机に押しつけたまま、 「うわあああああああああーーーーーーーん……」 親友はドアの外から、 息を殺して見守る。 真宵は真依の背にそっと手を置いて、 初めて声を荒げる。 「まいまい、いい加減にして!!」 その瞬間。 真依の体がびくりと震え、 座ったまま、 頭を下げたまま、 動きを一切止めずに、 「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」 世界が裂けた。 窓ガラスが粉々に砕け、 部屋の電灯が爆ぜ、 壁に亀裂が走り、 遠くの空が歪み、 地球の裏側まで届く、 八九寺真宵の交通事故死の無念そのもの、 迷い牛・蝸牛の怪異の完全解放。 真依はただ、 机に頭を押しつけたまま、 永遠に泣き続ける。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 6月、梅雨の合間の蒸し暑い夕暮れ。 高校三年生の井草真依は、 制服のまま、いつもの帰り道を外れて、 見知らぬ公園のベンチに座っていた。 普段はシャイで、 呟くことも、声を出すことも、 誰かと目を合わせることもできない。 両手を顔に押し当て、 肩を震わせ、 まるでムジナに化かされたように、 まるで生まれたばかりの赤ちゃんのように、 幼い、幼い泣き声が漏れ始める。 「う……うぅ……うわあああああああああーーーーーーーん!!」 迷い牛であり蝸牛である怪異が、 全身を支配する。 それは、 八九寺真宵が十一年前、 信号のない横断歩道で小型トラックに跳ねられた瞬間、 「ママ……」と声にならなかった無念が、 そのまま真依の体に宿り、 声帯を縛り、 涙腺を破壊し、 心を永遠に幼児に固定した、 治せない、消せない、 一生続く呪いだった。 公園の木々が震え、 街灯が一斉にちらつき、 遠くの車のクラクションが止まる。 親友が必死に走り寄る。 「真依! いた! どこ行ってたの!?」 でも真依はもう立ち上がり、 顔を両手で覆ったまま、 泣きながら歩き出す。 「うわあああああああーーーーーーーん……」 そのとき、 空気がぽっかりと裂け、 出産を終え、再び触れる浮遊霊に戻った八九寺真宵が現れた。 「まいまい……ほら、私がいるよ」 真宵は泣きじゃくる真依の肩を抱き、 一緒に歩き出す。 家に着くまで、 真依はずっと顔を覆い、 「うわあああああああーーーーーーーん」と歩き続ける。 自室。 真依は椅子に座り、 机に両肘をつき、 額を机に押しつけたまま、 「うわあああああああああーーーーーーーん……」 親友はドアの外から、 息を殺して見守る。 真宵が耐えかねて、 声を張り上げる。 「まいまい、いい加減にして!!」 その瞬間、 真依の体がびくりと硬直し、 動けなくなる。 そして、 頭を下げたまま、 喉が裂けるほどに、 世界が終わるほどに、 「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」 November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 夏の終わり。 高校二年生になった井草真依の自室。 窓を開け放しても、熱い風がじりじりと部屋を満たす。 扇風機が首を振り続けても、汗ばむ空気は動かない。 真依は私服のまま。 兄・悠真のメンズショートパンツに、ゆるいタンクトップ。 緑のヘアゴムで縛った長い髪が、背中にへばりついている。 椅子に座り、 机に額を押しつけたまま、 「うわあああああああああーーーーーーーん」 声は途切れない。 喉が裂けても、涙が枯れても、 止まらない。 八九寺真宵は今、妊娠中で姿を消している。 触れる浮遊霊の神様さえも、今日は来られない。 だから、真依はひとりで泣く。 ひとりで、 八九寺真宵が11歳で死んだあの日の無念を、 自分の声帯で、 自分の涙で、 自分の胸で、 永遠に、繰り返す。 「うわあああああああああーーーーーーーん」 泣き声は部屋を越え、 家を越え、 街を越え、 空を越え、 地球全体に、 全世界に、 響き渡る。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 高校2年生、夏休み明けの教室。 休憩時間、窓際の席。 制服のスカートをきちんと整え、緑のヘアゴムで縛った長い髪を肩に流した井草真依は、いつものように静かに座っていた。 親友が笑顔で近づいて、肩を軽く叩く。 「ねえ真依、夏休みの宿題終わった? 私まだ数学が……」 その瞬間。 「うわあああああああああーーーーーーーん」 真依の口から、 まるで決壊したダムのように、 加藤英美里(@Emiryun)のソプラノをさらに高く、鋭く、悲しく突き抜けたような泣き声が教室中に響き渡る。 親友が慌てて手を振る。 「え、えっ!? ごめん! 何か悪いこと言った!?」 クラスメイトたちが一斉に振り返る。 先生が廊下から顔を出す。 窓の外を通りかかった他のクラスの生徒までが立ち止まる。 真依は両手で顔を覆い、 机に突っ伏したまま、 肩を震わせ、 涙を床にぽたぽた落としながら、 ただひたすらに泣き続ける。 言葉はない。 もう、言葉は永遠に返ってこない。 八九寺真宵の交通事故死の無念が、 迷い牛・蝸牛の怪異となって真依の喉を縛り、 「うわあああああああああーーーーーーーん」しか許さない。 教室の空気が震え、 窓ガラスがびりびりと鳴り、 泣き声は校舎を越え、 街を越え、 空を越え、 全世界に、 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 夏の終わり。 蝉の声がうるさいほどの夕方、大学正門前。 高校2年生の井草真依は、私服姿。 紺色のメンズショートパンツに白いTシャツ。 緑のヘアゴムで縛った長い髪が風に揺れる。 八九寺真宵は妊娠中で、今はどこにも現れない。 兄の悠真が正門から出てきた。 「よお、真依。待ってたのか? 今日は早めに終わったから一緒に帰ろうって思ってさ」 真依は無言で、 ただ一歩踏み出して、 悠真の胸に飛び込むように抱きついた。 「うわあああああああああーーーーーーーん!!」 加藤英美里(@Emiryun)のソプラノをさらに高く、鋭く、悲しく、 地球全体を震わせるような、 全世界に響き渡る大泣き声。 悠真は一瞬驚いたが、すぐに両腕で妹を強く抱きしめる。 「真依……またか……いいよ、来いよ」 「今日は暑かったろ? 俺も汗だくだし、汚くてごめんな」 「でもお前が泣きたいときは、いつだってここにいるから」 「ほら、ゆっくり息して……俺の鼓動、聞こえるだろ?」 「昔みたいに、小さい頃みたいに、ぎゅーってしてやるから」 「真依……俺、お前がこんな風になっちゃったの、ずっと悔しくて……」 「俺がもっと早く気づいてれば……もっと何かできてればって……」 「でも今は、もう全部受け止めるしかないんだよな」 「泣きたいだけ泣け。俺は絶対離さない」 「お前が泣き止むまで、世界が終わるまで、ずっとここにいる」 真依はただ、 兄の胸に顔を埋め、 「うわあああああああああーーーーーーーん」 夏の空が、 蝉の声が、 世界のすべてが、 真依の泣き声に塗り替えられていく。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
@TPievpKO13EPkgR すりごまさん、おはあり撫子&忍ちゃんですヾ(*・ω・*)ノ🐍🎀🍩🩸🦇🫶🏻✨
八九寺真宵も可愛いです🫶🏻斧乃木余接と同じくらい好きです(((o(*゚▽゚*)o)))🙌🏻✨️
キンキラ金曜日の夜も楽しんでいきましょーエイエイオー ٩( ᐕ)و✨ November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 鉄道駅前の公園。 夕暮れのオレンジ色の空の下、三人がベンチに座っている。 阿良々木暦、井草悠真、そして高校二年生の井草真依。 今日は珍しく、真依は普通に話せている。 暦 「……俺が真宵に出会ったのは、化物語が始まる11年前の母の日だった。 公園のベンチで、小さな女の子がリュックを背負って泣いてた。 『お母さんとはぐれちゃった』って。 それが八九寺真宵だった」 真依(小さく頷く) 「……その日、真宵ちゃんはいつもと違う道を通って…… 信号のない横断歩道を渡ろうとしたら……」 暦 「ああ。小型トラックが猛スピードで突っ込んできた。 運転手はスマホを見ていて、信号無視。 ブレーキを踏む間もなく、真宵の体は十メートル以上吹き飛ばされて…… 頭から血を流して、即死だった。 口パクすらできなかった。 最後に『ママ……』って形だけで、声は出なかった」 悠真 「……それで地縛霊に?」 暦 「そうだ。真宵はその交差点から、一歩も動けなくなった。 毎日、同じ時間に同じ場所で、 『お母さんに会いたい』って呟いてた。 でも声は出なくて、ただ口をパクパクさせるだけ。 俺が話しかけても、最初は『聞こえない』って首を振ってた。 でも何度も通ううちに、少しずつ会話できるようになって……」 真依 「化物語の5月14日……まよいマイマイの日……」 暦(遠くを見るように) 「あの日、真宵は初めて俺に全部話した。 『私、死んじゃったんです』って。 『お母さんに会えなくて、ずっとここにいるんです』って。 それから俺は毎日通った。 一緒に歩いて、一緒におにぎり食べて、一緒に笑った。 でも触れられなかった。 手を伸ばしても、すり抜けるだけ。 真宵はいつも『ごめんなさい、触れられなくて』って泣いてた」 悠真 「……それが地縛霊の日常だったのか」 暦 「毎日、毎日、同じ交差点で同じ時間を繰り返してた。 母の日のたびに、同じ事故を何度も見て、 何度も『ママ……』って口だけで言って…… 成仏できなかった。 真宵が成仏しない限り、物語シリーズの怪異は終わらないって、忍野が言ってた。 全ての怪異の“顔”は、真宵の無念だったから」 真依(震える声で) 「その無念が……私に……」 暦 「真宵が神様になった後、今年の5月末で役目を終えた。 神様は母親に引き継がれた。 ひたぎが妊娠したのも、その直後だ。 でも真依、お前が高校一年の春に突然泣き出したのは…… 真宵の無念が、お前の中に移ったからだ」 真依 「私……生まれたときから泣いてたって、お母さんが言ってた。 八九寺真宵ちゃんが死んでからちょうど1年後の4月に生まれて…… 泣き声しか出さなくて…… 迷い牛であり、蝸牛である怪異…… 真宵ちゃんの交通事故死の“片割れ”として、私が生まれたんだって……」 悠真 「だからお前は……真宵の代わりに泣き続けてるのか……」 真依(涙を浮かべながら) 「真宵ちゃんは今、触れる浮遊霊に戻った。 出産が終わったら、また会えるって…… でも私は……私は一生、この泣き声から逃げられない……」 暦 「真依ちゃん……」 真依はゆっくり立ち上がる。 そして暦の前に歩み寄り、 両腕を広げて、 ぎゅうっと抱きついた。 「うわあああああああああーーーーーーーーーん!!」 世界が震えた。 夕暮れの空が裂け、 電車の音が消え、 全てが真依の泣き声に塗り潰される。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
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