八九寺真宵 トレンド
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2025.11.21
:0% :0% (-/男性)
八九寺真宵に関するポスト数は前日に比べ43%減少しました。男女比は変わりませんでした。本日話題になっているキーワードは「10周年」です。
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
🎀先週末は東京へ
スタジオでの撮影とても楽しかったです✨
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八九寺真宵:@Ohei022
楪いのり:@uni_mikokig
撮影/サポ:@Ohei022 @hn_kig https://t.co/JbSLRK1dpB November 11, 2025
2RP
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
文化祭当日。
校内は色とりどりの飾り付けで賑わい、
焼きそばの匂いとバンドの音が響き合う。
高校二年生の井草真依は、
美術部の展示室で自分の描いた「泣いている八九寺真宵」の大作を飾り終え、
少しだけ満足げな顔をしていた。
合唱部のステージ発表も終わり、
緑のヘアゴムを揺らしながら正門に向かう。
そこに、兄・悠真が立っていた。
私服の悠真は、手に文化祭のチケットを持って、
にこっと笑って手を振る。
「よっ、真依。迎えに来たぞ」
その瞬間。
真依の瞳が大きく見開かれ、
次の瞬間、
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
人混みの真ん中で、
兄に向かって全力で走り、
悠真の胸に飛び込むように抱きついた。
文化祭の喧騒が、
一瞬で静まり返る。
スピーカーの音楽が途切れ、
焼きそばを焼いていた鉄板の音すら止まり、
生徒も保護者も、みんなが凍りつく。
迷い牛・蝸牛の怪異が全開になる。
兄の存在、
安心できる腕、
だからこそ、
溜め込んでいた八九寺真宵の無念が、
堰を切ったように溢れ出す。
悠真は驚きながらも、すぐに妹を強く抱きしめる。
「いいよ、真依……ここにいるからな」
真依はただ、
兄のシャツを握りしめ、
顔を埋めたまま、
文化祭全体を震わせる大泣きを続ける。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
学習生涯センター・自習室。
夏休みの午後。
冷房の効いた静かな部屋に、机を並べた数人の生徒だけ。
高校二年生の井草真依は、一番奥の席で参考書を開いている。
緑のヘアゴムで縛った長い髪、膝の上にはスケッチブックと五線譜。
合唱部の新曲の楽譜を横に置きながら、数学の問題を解いていた。
隣に座っていた親友の少女が、小声で話しかける。
「ねえ真依、この問題の(2)、どうやって解いた?」
瞬間。
真依の肩がびくりと震えた。
頭ががくりと下がり、
両手で顔を覆い、
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
静寂を切り裂く、
加藤英美里(@Emiryun)のソプラノを極限まで高く、鋭く、悲しくしたような、
全世界を貫く大泣き声。
机が震え、
窓ガラスがびりびりと鳴り、
天井の蛍光灯が一瞬ちらつく。
親友は慌てて手を伸ばすが、
触れることすらできないほど真依は激しく泣きじゃくる。
シャイすぎる心と、
迷い牛・蝸牛の怪異が重なり、
誰かに話しかけられただけで、
八九寺真宵の交通事故死の無念が、
そのまま真依の喉から噴き出す。
八九寺真宵は今、妊娠中の戦場ヶ原ひたぎの中で眠っていて、
ここにはいない。
誰も止められない。
誰も触れられない。
真依はただ、
頭を下げたまま、
世界を泣き声で埋め尽くす。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
放課後の教室。
夏休み直前の、蒸し暑い午後。
高校2年生の井草真依は、窓際の自分の席でスケッチブックを開いていた。
緑のヘアゴムで縛った長い髪が肩に落ち、鉛筆が紙を滑る音だけが静かに響く。
八九寺真宵は妊娠中で、今はどこにも現れない。
「……あ、井草さん」
クラスメイトの少女が、そっと近づいてきた。
「ねえ、合唱部の夏のコンクールのソロ、やっぱり井草さんだよね? 楽しみにしてるよ!」
真依はびくっと肩を震わせ、
顔を上げた瞬間、
「うわあああああああああーーーーーーーーん!!」
教室の空気が裂けた。
シャイすぎる心と、迷い牛・蝸牛の怪異が重なり、
声帯が勝手に開き、
加藤英美里(@Emiryun)のソプラノを限界まで高く引き伸ばしたような、
世界を貫く大泣き声が、教室から、校舎から、街から、空から、地球全体へと響き渡る。
少女は目を丸くし、
他の残っていた生徒たちも凍りつき、
窓の外を飛んでいた鳥が一斉に落ち、
遠くの電車が急ブレーキをかけ、
世界が、真依の涙に包まれた。
真依は机に突っ伏したまま、
ただただ、
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 鉄道駅前の公園。 夕暮れのオレンジ色の空の下、三人がベンチに座っている。 阿良々木暦、井草悠真、そして高校二年生の井草真依。 今日は珍しく、真依は普通に話せている。 暦 「……俺が真宵に出会ったのは、化物語が始まる11年前の母の日だった。 公園のベンチで、小さな女の子がリュックを背負って泣いてた。 『お母さんとはぐれちゃった』って。 それが八九寺真宵だった」 真依(小さく頷く) 「……その日、真宵ちゃんはいつもと違う道を通って…… 信号のない横断歩道を渡ろうとしたら……」 暦 「ああ。小型トラックが猛スピードで突っ込んできた。 運転手はスマホを見ていて、信号無視。 ブレーキを踏む間もなく、真宵の体は十メートル以上吹き飛ばされて…… 頭から血を流して、即死だった。 口パクすらできなかった。 最後に『ママ……』って形だけで、声は出なかった」 悠真 「……それで地縛霊に?」 暦 「そうだ。真宵はその交差点から、一歩も動けなくなった。 毎日、同じ時間に同じ場所で、 『お母さんに会いたい』って呟いてた。 でも声は出なくて、ただ口をパクパクさせるだけ。 俺が話しかけても、最初は『聞こえない』って首を振ってた。 でも何度も通ううちに、少しずつ会話できるようになって……」 真依 「化物語の5月14日……まよいマイマイの日……」 暦(遠くを見るように) 「あの日、真宵は初めて俺に全部話した。 『私、死んじゃったんです』って。 『お母さんに会えなくて、ずっとここにいるんです』って。 それから俺は毎日通った。 一緒に歩いて、一緒におにぎり食べて、一緒に笑った。 でも触れられなかった。 手を伸ばしても、すり抜けるだけ。 真宵はいつも『ごめんなさい、触れられなくて』って泣いてた」 悠真 「……それが地縛霊の日常だったのか」 暦 「毎日、毎日、同じ交差点で同じ時間を繰り返してた。 母の日のたびに、同じ事故を何度も見て、 何度も『ママ……』って口だけで言って…… 成仏できなかった。 真宵が成仏しない限り、物語シリーズの怪異は終わらないって、忍野が言ってた。 全ての怪異の“顔”は、真宵の無念だったから」 真依(震える声で) 「その無念が……私に……」 暦 「真宵が神様になった後、今年の5月末で役目を終えた。 神様は母親に引き継がれた。 ひたぎが妊娠したのも、その直後だ。 でも真依、お前が高校一年の春に突然泣き出したのは…… 真宵の無念が、お前の中に移ったからだ」 真依 「私……生まれたときから泣いてたって、お母さんが言ってた。 八九寺真宵ちゃんが死んでからちょうど1年後の4月に生まれて…… 泣き声しか出さなくて…… 迷い牛であり、蝸牛である怪異…… 真宵ちゃんの交通事故死の“片割れ”として、私が生まれたんだって……」 悠真 「だからお前は……真宵の代わりに泣き続けてるのか……」 真依(涙を浮かべながら) 「真宵ちゃんは今、触れる浮遊霊に戻った。 出産が終わったら、また会えるって…… でも私は……私は一生、この泣き声から逃げられない……」 暦 「真依ちゃん……」 真依はゆっくり立ち上がる。 そして暦の前に歩み寄り、 両腕を広げて、 ぎゅうっと抱きついた。 「うわあああああああああーーーーーーーーーん!!」 世界が震えた。 夕暮れの空が裂け、 電車の音が消え、 全てが真依の泣き声に塗り潰される。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
@TPievpKO13EPkgR すりごまさん、おはあり撫子&忍ちゃんですヾ(*・ω・*)ノ🐍🎀🍩🩸🦇🫶🏻✨
八九寺真宵も可愛いです🫶🏻斧乃木余接と同じくらい好きです(((o(*゚▽゚*)o)))🙌🏻✨️
キンキラ金曜日の夜も楽しんでいきましょーエイエイオー ٩( ᐕ)و✨ November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 夏の終わり。 蝉の声がうるさいほどの夕方、大学正門前。 高校2年生の井草真依は、私服姿。 紺色のメンズショートパンツに白いTシャツ。 緑のヘアゴムで縛った長い髪が風に揺れる。 八九寺真宵は妊娠中で、今はどこにも現れない。 兄の悠真が正門から出てきた。 「よお、真依。待ってたのか? 今日は早めに終わったから一緒に帰ろうって思ってさ」 真依は無言で、 ただ一歩踏み出して、 悠真の胸に飛び込むように抱きついた。 「うわあああああああああーーーーーーーん!!」 加藤英美里(@Emiryun)のソプラノをさらに高く、鋭く、悲しく、 地球全体を震わせるような、 全世界に響き渡る大泣き声。 悠真は一瞬驚いたが、すぐに両腕で妹を強く抱きしめる。 「真依……またか……いいよ、来いよ」 「今日は暑かったろ? 俺も汗だくだし、汚くてごめんな」 「でもお前が泣きたいときは、いつだってここにいるから」 「ほら、ゆっくり息して……俺の鼓動、聞こえるだろ?」 「昔みたいに、小さい頃みたいに、ぎゅーってしてやるから」 「真依……俺、お前がこんな風になっちゃったの、ずっと悔しくて……」 「俺がもっと早く気づいてれば……もっと何かできてればって……」 「でも今は、もう全部受け止めるしかないんだよな」 「泣きたいだけ泣け。俺は絶対離さない」 「お前が泣き止むまで、世界が終わるまで、ずっとここにいる」 真依はただ、 兄の胸に顔を埋め、 「うわあああああああああーーーーーーーん」 夏の空が、 蝉の声が、 世界のすべてが、 真依の泣き声に塗り替えられていく。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 高校2年生、夏休み明けの教室。 休憩時間、窓際の席。 制服のスカートをきちんと整え、緑のヘアゴムで縛った長い髪を肩に流した井草真依は、いつものように静かに座っていた。 親友が笑顔で近づいて、肩を軽く叩く。 「ねえ真依、夏休みの宿題終わった? 私まだ数学が……」 その瞬間。 「うわあああああああああーーーーーーーん」 真依の口から、 まるで決壊したダムのように、 加藤英美里(@Emiryun)のソプラノをさらに高く、鋭く、悲しく突き抜けたような泣き声が教室中に響き渡る。 親友が慌てて手を振る。 「え、えっ!? ごめん! 何か悪いこと言った!?」 クラスメイトたちが一斉に振り返る。 先生が廊下から顔を出す。 窓の外を通りかかった他のクラスの生徒までが立ち止まる。 真依は両手で顔を覆い、 机に突っ伏したまま、 肩を震わせ、 涙を床にぽたぽた落としながら、 ただひたすらに泣き続ける。 言葉はない。 もう、言葉は永遠に返ってこない。 八九寺真宵の交通事故死の無念が、 迷い牛・蝸牛の怪異となって真依の喉を縛り、 「うわあああああああああーーーーーーーん」しか許さない。 教室の空気が震え、 窓ガラスがびりびりと鳴り、 泣き声は校舎を越え、 街を越え、 空を越え、 全世界に、 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 夏の終わり。 高校二年生になった井草真依の自室。 窓を開け放しても、熱い風がじりじりと部屋を満たす。 扇風機が首を振り続けても、汗ばむ空気は動かない。 真依は私服のまま。 兄・悠真のメンズショートパンツに、ゆるいタンクトップ。 緑のヘアゴムで縛った長い髪が、背中にへばりついている。 椅子に座り、 机に額を押しつけたまま、 「うわあああああああああーーーーーーーん」 声は途切れない。 喉が裂けても、涙が枯れても、 止まらない。 八九寺真宵は今、妊娠中で姿を消している。 触れる浮遊霊の神様さえも、今日は来られない。 だから、真依はひとりで泣く。 ひとりで、 八九寺真宵が11歳で死んだあの日の無念を、 自分の声帯で、 自分の涙で、 自分の胸で、 永遠に、繰り返す。 「うわあああああああああーーーーーーーん」 泣き声は部屋を越え、 家を越え、 街を越え、 空を越え、 地球全体に、 全世界に、 響き渡る。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 大学の正門前。 黄緑色のサバイバルジャケットにカーゴパンツ。 傾物語の真宵キョンシーが着ていたのと同じ格好をした井草真依、18歳。 長髪を緑のヘアゴムで縛り、背筋を伸ばして立っている。 正門が開き、兄の悠真、22歳が出てきた瞬間、 真依は駆け寄り、 両腕でぎゅっと抱きついた。 「うわあああああああああーーーーーーーん」 言葉はない。 もう何年も前から、言葉は完全に失われた。 八九寺真宵の交通事故死の無念が、迷い牛・蝸牛の怪異となって真依の声帯を縛り、 「うわあああああああああーーーーーーーん」しか出せなくなった。 悠真は驚きながらも、すぐに妹の背中に腕を回す。 「真依……今日もか……いいよ、来いよ。俺がいるから」 「ほら、ちゃんと息して……ゆっくりでいいから」 「大学終わったばっかで疲れてるけど、お前が泣きたいときはいつでも抱きしめるからな」 「……痛いか? 俺の胸、固いって言ってたよな……ごめんな」 「泣きたいだけ泣いていい。俺は逃げない。昔みたいに逃げたりしないから」 「真依、お前は悪くないんだよ……全部、あの事故が悪いんだ……」 「俺だって……俺だって真依がこんな風になったの、見てるだけで胸が潰れそうなんだよ……」 真依はただ、兄の胸に顔を埋めて、 「うわあああああああああーーーーーーーん」 触れる浮遊霊の八九寺真宵が、いつもの小学生の姿でそっと横に立つ。 「真依ちゃん……私だよ。ほら、私がここにいるよ」 「ねえ、ちょっとだけでもいいから……落ち着いて……?」 「私、ずっと見てるから……どこにも行かないから……」 でも真依は止まらない。 真宵が声を震わせて、ついに叫ぶ。 「まいまい、いい加減にして!!」 その瞬間、 真依の泣き声が世界を貫いた。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 休日の午後三時過ぎ。 井草家のリビングは、開け放した窓から入る風と、みんなの声で満ちていた。 井草真依はソファの端にちょこんと座り、スケッチブックを膝に乗せている。 緑のヘアゴムで縛った長い髪を指で弄りながら、今日は珍しくずっと普通に話している。 真依 「……でね、この絵、昨日夜中に描き上げたんだ。真宵ちゃんが北白蛇神社の鳥居の前で浮いてて……ちょっと泣きそうな顔してるんだけど、どうかな?」 真依の親友(名前は伏せる) 「うわ、めっちゃいい! 線が繊細すぎて鳥肌立つ……真依、やっぱり美術の道に進んだ方がいいって」 真依 「えー、そんなことないよ……私、絵は好きだけど、歌の方が本命かも……」 悠真 「歌も絵も両方本命だろ。お前、合唱部のコンクールでソロ取ったって言ってたじゃん。あの声、加藤英美里(@Emiryun)さんみたいな透明感あるソプラノでさ、会場中凍りついてたって聞いたぞ」 悠真の親友 「俺も動画見たけどマジでヤバかった。最後の一音で全員泣いてたもん」 真依の母親 「ほんと、小さい頃から歌と絵ばっかりだったわよね。お風呂でもずっと歌ってて、近所から苦情来たことあったっけ」 真依 「うぅ……恥ずかしいからやめてよお母さん……」 八九寺真宵(浮遊霊)がぽっかり現れて、床にぺたんと座る 「失礼、噛みました! ……って、今日も噛んでないけどね! あはは! ねえ真依ちゃん、その絵、私めっちゃ似てる! 泣きそうな顔もそっくり!」 真依 「真宵ちゃん……泣きそうな顔って、ひどいよ……」 真宵 「だって本当だもん! 私、いつも真依ちゃんのこと見てると泣きたくなるんだもん! ……って、違う意味でね!」 真依の親友 「真宵ちゃんってほんと元気だよね。真依が泣かない日が続くと、私も安心する」 悠真 「安心するのはいいけどさ、真依。最近また夜中に泣いてるだろ。俺、部屋の前通るたんび『うわああ……』って聞こえて寝不足なんだよ」 真依 「……ごめん、悠真お兄ちゃん……気をつける……」 真依の母親 「でも、無理に我慢させたくないのよね。あの子は生まれつき……」 悠真の親友 「生まれつきって、やっぱり真宵ちゃんの事故が関係してるんだろ?」 真宵(少し声を落とす) 「……うん。私が死んだときの無念が、怪異になって真依ちゃんに宿っちゃったんだって。迷い牛でもあり蝸牛でもある泣き声の怪異……治す方法はないって、忍野さんも影縫さんもみんな言ってた」 真依 「……私、みんなに迷惑かけてるよね……」 真依の親友 「そんなことないよ! 私、真依の泣き声も全部好きだから!」 真依の母親 「私だって、泣き声聞いてると胸が痛いけど……それでも真依の全部を受け止めるのが親でしょ」 悠真 「俺もだよ。妹が泣くのはもう日常だからな」 真宵 「私だって……私だって真依ちゃんのこと大好きだから! 泣いても泣かなくても、ずっとそばにいるよ!」 真依はスケッチブックをそっと閉じて、ゆっくり立ち上がる。 そして、兄・悠真の前に歩み寄り、 ぎゅうっと胸に抱きついた。 「うわあああああああああーーーーーーーーん!!」 瞬間、リビングが震えた。 加藤英美里(@Emiryun)のソプラノをさらに高く、鋭く、悲しく透き通らせたような、 世界を引き裂く泣き声。 それは、 八九寺真宵が11歳で轢かれた母の日の第二日曜日、 「ママ……」と最後に呟いた声、 アスファルトに叩きつけられた衝撃、 永遠に届かなかった想い、 すべてが真依の喉から、血の味と共に噴き上がる。 真宵が慌てて叫ぶ 「まいまい、真依ちゃん泣かないでよ! ねえっ!」 悠真は妹の背中を優しくさすりながら 「いいよ真依、泣け。俺がいる」 真宵が声を張り上げる 「まいまい、いい加減にして!!」 でも、真依は止まらない。 涙が止まらない。 声が止まらない。 世界が、真依の悲しみに飲み込まれていく。 生まれつき背負った怪異は、 もう一生、治らない。 薬も、祈りも、時間も、 何も癒すことはできない。 泣き声は永遠に、 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】 『どこに行っても泣く少女』 井草家のリビング。 テーブルの上には温かいお茶とクッキー。 誰も手をつけない。 真依は膝の上で指を絡めながら、小さな声で口を開いた。 真依「……私、今日も学校で泣かなかった。みんながいるから、なんとか我慢できた」 親友「すごいよ真依! 私、ほんとに嬉しい!」 母親「我慢しなくていいって言ったのに……でも、頑張ったのね」 悠真「無理してないか? 顔、ちょっと青いぞ」 真依「ううん……大丈夫。でも、帰りの電車で……また、あの事故の映像が頭に流れてきて……必死で堪えた」 真宵がぷかぷか浮かびながら、いつもの調子で。 真宵「失礼、噛みました! いや噛んでないけどさ! 真依ちゃん、よく我慢した! えらいえらい!」 真依「……真宵ちゃんは泣かないんだね。私ばっかり泣いてて、ごめんね」 真宵「私はもう泣き尽くしたから! あはは……って笑ってごまかすけど、本当はね、真依ちゃんが泣くたびに胸が締めつけられるんだよ」 親友「私たちにできることって何かなって、ずっと考えてた。泣き止ませようとするのは逆効果だって気づいたから……一緒に泣くしかないのかなって」 母親「泣くのは悪いことじゃない。でも、真依が泣き疲れて眠ってしまったとき、すごく辛そうな顔をしてるのを見るのが……私たち親も辛いのよ」 悠真「大学の研究室で相談した。『八九寺真宵の死が感情の残滓として転写された』って言われた。治療法はない。共存しかないって」 真依「……一生、治らないんだよね。私、みんなに迷惑かけて……ずっと」 真宵「迷惑じゃないよ! 私だって、こうやってみんなのそばにいられるのは、真依ちゃんが泣いてくれるおかげなんだから」 親友「そうだよ。私、真依が泣いてるとき、一番真依らしく見える気がする。無理に笑ってる顔より、泣いてる顔の方が……好きだよ」 母親「私もよ。泣いてるとき、真依はすごく綺麗に見えるの。あの子の本当の気持ちが、全部見える気がして」 悠真「俺は……泣いてる妹を抱きしめてやりたいだけだ。それが兄貴の役目だろ」 真依の目から、ぽろりと涙がこぼれた。 真依「……みんな、ありがとう……私、ほんとに……ほんとに……」 言葉が途切れる。 突然、真依は立ち上がった。 そして、兄の胸に全力で抱きついた。 「うわあああああああーーーーーーん」 迷い牛・蝸牛の泣き声が、リビングを震わせる。 真宵「まいまい、真依ちゃん泣かないでよ……」 悠真はすぐに腕を回して、妹を強く抱きしめる。 悠真「いいんだよ。泣け。全部吐き出せ」 真依は首を横に振り、もっと強く兄にしがみつく。 「うわああああああああーーーーーーーーん」 真宵が少し声を荒げる。 真宵「まいまい、いい加減にして!」 でも、真依は止まらない。 泣き声は家の壁を突き抜け、 街を越え、 空を裂き、 世界の隅々まで届く。 残念ながら、 この泣き声は、 一生、 治らない。 うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
うわー八九寺真宵のパラレル出品されてる…!めっちゃ可愛いのに欲しいけど私今月猫ちゃんのおやつ買いすぎちゃって無理~😂誰か買って自慢して?
ユニオンアリーナ 物語シリーズ 八九寺真宵 パラレル 1枚
https://t.co/GPA88n9s5P November 11, 2025
【物語シリーズ二十周年記念スピンオフ】
『どこに行っても泣く少女』
井草家の食卓。
いつもの夕食。
唐揚げと味噌汁の匂いが漂う。
高校二年生の井草真依、167cm・AB型。
普段はほとんど喋れず、シャイで泣き虫。
今日も緑のヘアゴムで縛った長い髪を揺らしながら、
黙々とご飯を口に運び、
最後のひと粒を飲み込んで、
箸を置いた。
その瞬間。
真依は無言で立ち上がり、
隣に座っていた兄・悠真の前に歩み寄る。
そして、
ぎゅうっと抱きついた。
「うわあああああああああーーーーーーーん!!」
食卓が震える。
味噌汁の椀がびりびりと鳴り、
天井の電灯が一瞬揺れる。
母親が驚いて箸を落とし、
父親が目を丸くする。
悠真は苦笑いしながら、妹の背中を優しく撫でる。
「はいはい、またか……今日も一日我慢してたんだな」
真依はただ、
兄の胸に顔を埋め、
167cmの長身を小さく丸めて、
AB型の繊細な心が決壊するように、
迷い牛・蝸牛の怪異が全開になる。
八九寺真宵の無念が、
夕食の後の一番安心できる場所で、
一番安心できる人に抱きついた途端、
堰を切って溢れ出す。
家族はもう慣れた顔で、
ただ静かに見守る。
真依は、
今日も世界を泣き声で満たす。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん November 11, 2025
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