次にくるマンガ大賞2021をTwitter分析! もう「きて」る?受賞作品はインディーズからビッグタイトルまで! 2022.02.15 17:34 UP

雑誌とWebメディアという垣根を越え、ニコニコとダ・ヴィンチが2014年に創設した『次にくるマンガ大賞』。すでに売れているマンガではなく「次に流行るであろうマンガ」の発掘・紹介を目指したものである。
第1回1位を受賞した作品は『僕のヒーローアカデミア』と『ヲタクに恋は難しい』。両作品ともアニメ化だけでなく実写映画化されており、また第3回1位の『うらみちお兄さん』(Webマンガ部門)と『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』(以下、『かぐや様』と表記)(コミックス部門)も受賞後想像以上に売れた。

数々の大ヒット作品を連載初期の頃から発掘し、賞をとれば注目を集めさらなる人気を生ませるほどの影響力がある。歴史は浅いながらも今や『次にくるマンガ大賞』はマンガ賞の中でも名高いタイトルのひとつだ。

今回倭人速報は、昨年に行われた『次にくるマンガ大賞2021』の結果に注目し、各部門のノミネート作品を対象にツイート分析を行った。
受賞作が本当に「くる」のか、多くの実績を持つ『次にくるマンガ大賞』から選ばれた2021年の作品は、受賞後どのような反響を受けたのか。さっそく結果を見ていこう。

『次にくるマンガ大賞2021』注目は「LINEマンガ インディーズ」出身作!


まずは『次にくるマンガ大賞2021』の結果を紹介していく。
なお表示している数字は、エントリー受付を開始した5月から結果が発表された8月までの各作品に対するツイート数の合計であり、『次にくるマンガ大賞2021』での得票数ではないためご注意いただきたい。

参考>▶次にくるマンガ大賞 2021


 コミックス部門 


  1. 【推しの子】169,596ツイート

  2. ウマ娘 シンデレラグレイ263,345ツイート

  3. 葬送のフリーレン50,249イート


  4.  U-NEXT特別賞 … SAKAMOTO DAYS8,130ツイート

     Global特別賞 … アオのハコ68,336ツイート



     Webマンガ部門 


    1. 怪獣8号105,619ツイート

    2. ダンダダン120,062ツイート

    3. 先輩はおとこのこ1,529ツイート



    4.  UGC特別賞 … >魔法使いリィンの幸せな結婚1,035ツイート




    記事内のツイート集計範囲:角川アスキー総合研究所が独自に定義したエンタメ関連全量ツイート
    集計期間:2021/05/01~2021/08/31
    ※「2021次に来るマンガ大賞」にてコミックス部門・Webマンガ部門1位~3位と、特別賞を受賞した作品を対象
    集計方法:Realtime trend analyticsを利用





「コミックス部門」で堂々の1位を飾ったのは、人気作家の赤坂アカ先生と横槍メンゴ先生がタッグを組んだ『【推しの子】』。赤坂アカ先生は第3回コミックス部門にて1位を獲得した『かぐや様』に続き、二度目の受賞となる。




「Webマンガ部門」では『怪獣8号』が1位を受賞。2位には『ダンダダン』が続き、例年通りジャンプ+作品が読者人気の高さを示した。






ほか『コミックス部門』の2位3位には、『ウマ娘 シンデレラグレイ』や『葬送のフリーレン』といった初期から注目を大きく集めた作品が並ぶ。

そんな中、今回の『次にくるマンガ大賞2021』にて「Webマンガ部門」第3位を受賞したのが「LINEマンガ インディーズ」出身の作品『先輩はおとこのこ』(以下、『ぱいのこ』と表記)だ。



上のグラフは『ぱいのこ』に関するツイート推移を5月から8月までの期間集計したものである。
角川アスキー総合研究所では『ぱいのこ』の集計を、『次にくるマンガ大賞2021』にノミネートされたことを契機に開始。Webマンガ部門3位入賞が発表された日も196tweetsとやや数は落ち着いているが、まだ単行本1巻目も発売される前の作品であった『ぱいのこ』はこの受賞以降、多くの注目を集め話題となった。




受賞後発売を開始した『ぱいのこ』1巻は発売後わずか2ヶ月で重版に。また「LINEマンガ インディーズ」発の作品としては初めてのグローバル配信も行われることが決定し、台湾を皮切りに、韓国・中国・タイ・フランス・ドイツの世界6カ国で配信が開始した。




『ぱいのこ』は12月30日をもって最終回迎えたが、現在も「第5回アニメ化してほしいマンガランキング」にノミネート中(「第4回アニメ化してほしいマンガランキング」では3位)など、依然として読者から高い人気を誇っている。


もうきてる?読者の発掘スピードが年々早く



例年大きな反響を生む『次にくるマンガ大賞』だが、2021年は大賞結果に「これはもう『きて』いるのではないか?」という疑問の声も一部生まれていた。
以下は、『次にくるマンガ大賞2021』の各部門1~3位と特別賞を受賞した、計10作品のツイート推移をまとめたものである。



『次にくるマンガ大賞2021』の結果が発表された8月24日にツイート数を上昇させたのは、各部門にて1位を獲得した『【推しの子】』と『怪獣8号』ほどである。
ほかツイート数が伸びている部分に注目すると、コミックス部門2位の『ウマ娘 シンデレラグレイ』はシリーズ累計発行部数が100万部を突破した6月11日に大きく数字をあげており、『アオのハコ』や『ダンダダン』も結果発表前の第1巻が発売された日に1万以上のツイート数を出していることが分かった。

ツイート数の結果を見てもわかるように、すでに人気、または知名度が別コンテンツで高い作品が受賞タイトルに多く並んだことが、今回の「もう『きて』いる」と声が上がった理由と考えられる。

コミックス部門で2位を獲得した『ウマ娘 シンデレラグレイ』は、アプリゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」を原作にしたマンガである。こちらはアプリの方が昨年2021年2月よりリリースされた当初から高い人気を誇っており、2021年上半期の段階で高い知名度と人気を持っていた。




『ウマ娘 シンデレラグレイ』はゲームとはまた一味違った舞台となっており、マンガ単体でも高い人気を誇っている。しかしやはりメディアミックスの作品であること、また原作がすでに知名度も人気も高かったということは無視できないところである。

同じくコミックス部門3位の『葬送のフリーレン』も、受賞時に既に知名度が高かったことが指摘されている。
本作は『マンガ大賞2021』を3月16日に受賞。こちらの作品もエントリー条件を満たしており、読者の人気投票で結果を出す『次に来るマンガ大賞2021』とはまた違った受賞の意味があることは事実だ。
しかし既にマンガ大賞をとっている作品が、「次に来る」といえるのだろうかという指摘も致し方ないとこであるだろう。



ユーザー側の需要に応えて無料で読めるサービスもコンテンツも増え、読者側の読む力は年々鍛えられている。特にマンガ作品は『ぱいのこ』のようにインディーズ作品ももはやプロに肩を並べ脚光を浴びる時代だ。
目の肥えた読者は急激に増加し、人気作が発掘されるスピードも数年前に比べ急激に上がってきている。

「まだ知られていない名作漫画を探す」「次世代の人気漫画を発掘する」ことを目的とした『次に来るマンガ大賞』は、これから先、読者以上のに広い視野とアンテナを持ち、ニッチな作品を発掘していってくれることが期待される。


(倭人速報編集部:座布団)

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