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中動態の世界
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2025.12.08〜(50週)
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【2025年文庫年間ランキング】
1位 吉田修一さん『国宝 上・下』(朝日新聞出版)
2位 高瀬隼子さん『おいしいごはんが食べられますように』(講談社)
3位 柚木麻子さん『BUTTER』(新潮社)
4位 ハン・ガン 斎藤真理子さん訳『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)
5位 塩谷舞さん『ここじゃない世界に行きたかった』(文藝春秋)
6位 宮地尚子さん『傷を愛せるか』(筑摩書房)
7位 王谷晶さん『ババヤガの夜』(河出書房新社)
8位 國分功一郎さん『暇と退屈の倫理学』(新潮社)
9位 村田沙耶香さん『信仰』(文藝春秋)
10位 國分功一郎さん『中動態の世界』(新潮社) December 12, 2025
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好きになるのは自分の意思だと言われるけれど、「よし、この人を好きになろう」と決めて好きになった人って、正直そんなにいないと思います。気づいたら引っ張られていて、忘れようとしてもなかなか忘れられない、あの感じを國分功一郎さんは『中動態の世界』で説明します。
・國分功一郎さんは『中動態の世界』で、古代ギリシア語には「能動」と「中動」の対立があったと説明します。「する/される」ではなく、「外側で終わる行為」か「自分の内側が行為の場所になるか」で分けていたそうです。
・「好きになる」「尊敬する」はまさに中動態の例として挙げられます。自分が主体ではあるけれど、相手に引き出される気持ちがあって、ほとんど受動に近い。でも、誰かに強制されているわけでもない。
・歩くことだって、自分の意思で全部コントロールしているわけではありません。昔の倭国のナンバ歩きのように、習慣や身体の構造に強く縛られています。「右手の第2関節を何度曲げるか」なんて、いちいち考えていません。
・それでも私たちは、「自分の純粋な意思でやったかどうか」で行為を区別しがちです。やりたくなかったのに銃で脅されてやったら受動、自分からやると決めたら能動。その分かりやすさで、刑法や日常の責め方が組み立てられています。
・國分さんはこの単純さに疑問を投げます。意思というのは過去や環境に影響されていて、ゼロから突然わき上がる「純粋な出発点」なんかではない。意識がはっきりしているということは、それだけ周囲から影響を受けているということだからです。
・にもかかわらず「君が選んだんだろ」「自己責任でしょ」と言われるとき、そこには「中動態的な部分」が丸ごと抜け落ちています。自分が場所になってしまっている部分、選んだというよりも、そういうふうになってしまった部分です。
・中動態を持ち込むことは、「じゃあ何もかも他人のせいだ」という開き直りではなく、「本当にどこからが自分の選択と言えるのか」を慎重に考え直すきっかけになります。自分を責めすぎる人にとっても、他人を簡単に責めてしまう人にとっても。
・私たちの行為は、能動か受動かの二択では説明しきれないところで揺れています。「自分の中で起こっていること」をどう扱うかを考えるとき、中動態という言葉がそばにあるだけで、自分にも少し優しくなれる気がします。
「全部自分の意思だ」と言い切れない行為を、どう言葉にするか。中動態の話は、そのあいだにあるグラデーションを見せてくれる一つの手がかりなのかもしれません。 December 12, 2025
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國分功一郎さんの「中動態の世界」を読み改めて、中動態の組織状態を作れるような人になりたいな
誰かがやらせたわけでもなく(受動的)
自分が支配したわけでもなく(能動的)
関係の中で そうなっていく(中動態)
https://t.co/ozLFdQSnf5 https://t.co/D8aOvnw6iH December 12, 2025
國分功一郎、熊谷晋一郎『〈責任〉の生成』読了。
國分功一郎の著作、『中動態の世界』が基底にある対談本。
『中動態の世界』は『暇と退屈の倫理学』よりも込み入った内容なので、こちらから入ったほうが理解しやすいと思われる。おさらいとしても優秀な一冊。
意志することは無限に遡行できる過去の切断を行うことであり、堕落した責任論であるというのが主張の骨子だ。初見で読むとなんとも大胆な発言に映る。
選択をした後に「あなたはそうすることを意志した」とみなし、行為をその人に帰属させ所有化を生み出し、わたしたちがよく使う意味での「責任」が生成されるという理屈だ。
本来の責任はそういった能動性の規定によって生まれるのではなく、中動態的な態度──義侠心、勇気、過去からのすまなさや過去の連続性から生まれる応答欲、「使用」する自己の生成、といったもの──からしか生まれないと両者は至る。
能動とも受動とも言いきれない関係性の中に身をゆだね続けることは、間違いなく人を疲弊させる。二元論を安易に使うことができないからだ。
だからといって「みんなそれぞれだよね」というお茶濁しでは何も進展しない。逐一ある状況に遭遇するたびに、その場にそぐう落とし所を探り続ける態度を求められるのだろう。
中動態的にあれと言うのは簡単だが、実践することは難事だ。
本書の最後のほうで、國分功一郎がひやりとするひと言を投げかけている。
「孤独のなかで思考が行われなくなると、それを埋めるための過剰なコミュニケーションが求められる。そこでもたらされるのは言葉の衰退です」
SNSで人と交流することだけに注力していくと、言葉が情報の伝達でしかなくなって見えるという感覚。
メタバースにおいては自分が情報の集合体でしかなく、他の人はわたしという情報をあらゆるやり取りのかたちでもって消費しつくそうとしている感覚がある。
わたしを記号化して観念を取り入れようとしているような……。
VRSNSは「浪費」ができる関係を築けるのだろうか。 December 12, 2025
9位『近畿地方のある場所について』(角川文庫)背筋著
@KadokawaBunko @sesujisesujises
10位『すべての、白いものたちの』(河出文庫)ハン・ガン著
@Kawade_shobo @kawade_bunko
11位『中動態の世界 意志と責任の考古学』(新潮文庫)國分功一郎著
@shinchobunko @SHINCHOSHA_PR @lethal_notion December 12, 2025
『中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)』國分功一郎
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https://t.co/vRglCfByOz December 12, 2025
「責任を取れ」と言われるとき、多くの場合は「罰を受けろ」という意味で使われていますよね。でも國分功一郎さんは『中動態の世界』で、責任を「レスポンス=応答する能力」として捉え直そうと言います。
・子どもが目の前で転んだとき、「あっ」と言って手を差し伸べる。困っている我が子に「どうしたの?」と声をかける。こうした動きが、すでに責任の発揮だと説明されます。誰かからのシグナルに応答すること、それ自体が責任だと。
・一方で私たちは、「あいつが悪いことをしたから、あいつに責任を負わせるべきだ」という形で責任を語りがちです。國分さんはここを「帰責性(インプタビリティ)」と呼び、責任とは別物として区別しようとします。
・素材に出てきた高校時代の話では、授業中に毎日寝ている友人が叱責されます。そのとき教師は、「夜バイトで寝不足な生徒」の例を出しながら、「お前にも事情があるのか」と問い詰める。事情があれば責められない、なければ自己責任だという構図です。
・でも冷静に考えれば、どちらにしても教室で寝ているという事実は同じです。「昨晩早く寝る選択肢と、だらだら遊ぶ選択肢があって、後者を選んだお前が悪い」という説明は、どこまでも遡って「だらしなさ」という性格まで責めていくことになってしまいます。
・國分さんは、こうした「何でもかんでも君の意思でしょ、だから自己責任で」という世界に違和感を示します。誰もが応答する能力を持っているはずなのに、「負わされる責任」だけが膨らんでいくからです。
・「責任のない世界」の方が本当は怖い、とも言われます。子どもが倒れても誰も手を差し伸べない、人が困っていても誰も応答しない世界。それを避けるためにこそ、誰かの中に自然と「なんとかしなきゃ」という気持ちが立ち上がる中動態的な責任を、大事にした方がいいのだと。
誰かを責めるためだけの「責任」ではなく、自分が場所になって応答が立ち上がる責任を思い出すと、日常の「ごめんね」や「大丈夫?」という一言にも、少し違う重みが見えてくる気がします。 December 12, 2025
本日はあじゃてく読書会の日です。年内最後です。
テーマは『中動態の世界─意志と責任の考古学─』
https://t.co/ZxbPXTWMYX
いつもの時間にいつもの場所で、お待ちしています!
#AgileTechEXPO #あじゃてく December 12, 2025
あじゃてく読書会 #51 『中動態の世界─意志と責任の考古学─』 に参加を申し込みました! https://t.co/wjfqV4reEH #agiletechexpo December 12, 2025
『中動態の世界』を読み終わった。
言語が担う役割が「出来事の描写から行為への帰属」へと移り変わって今に至るという考察が印象的でした。あと副産物ではあるものの思考は言語に縛られているという指摘も重要な気がします。
正直よくわからなかったけど面白かった! December 12, 2025
シリーズケアをひらく、ここで挙げられた本から読んでいこうかな。『ゆっくり歩く』がこのシリーズとの最初の出会いだったけれど。
「自己啓発」ではなく「現状肯定」こそ重要だ! 國分功一郎『中動態の世界』を生んだ名物編集者が語る「ケア」と「編集」 https://t.co/qwqW7qJJnd @YouTubeより December 12, 2025
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