これは杉浦悠太＿＿通称Yutaponが人知れず世界を救った世界線の話。
代償として彼は、全ての人類から忘れさられることとなった。

「これでいい。もうLOLに帰ることもない」

キーボードをしまいこみ、少し寂しげな瞳をしながらアケコンを叩く日々が続く。

あくる朝。
彼の耳に、一つの知らせが届く。

【皇帝Ceros、LOLに凱旋】

復帰後初の勝利インタビュー。画面に映るかつての"竹馬の友"はこう語った。

「パフォーマンスは良いですね。でも、なんか足りてないんですよね。なんか。言葉にするの難しいんですけど、その、しいて言うなら"親友"みたいな？」

＿＿＿＿翌日
そこにはもう、抜け殻になった彼の姿はなかった。
あの日のようにモニターの距離を近づけ、曲がった姿勢で椅子に座る。

「Zerost、行ってくるよ」

机の上のカエルの置物へ声をかけると、『友』が待つ場所へと向かった。

ゲハに向かうと、そこには何も変わらないCerosの姿。
熱くなる目頭。震える手。声が上手く出ない。
あの時と同じように、自分は戦えるだろうか。
友達に、なれるだろうか。

『初めまして』

ポツリと、呟く。

『得意チャンピオンは、サイオンです』

そうして。
この日、LCPに"天才"が息を吹き返す。
＿＿＿
＿＿＿
＿＿＿

？？？「全てはKAZUの計画通り」
？？？「......Gismo。そろそろ。」
Gismo「ああ、Aria、出るぞ」
Aria「응（うん）」 November 11, 2025