手のひら トレンド
0post
2025.11.26 13:00
:0% :0% (40代/男性)
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
紀子さま凄ーい
646
:
本当にあった怖い名無し[sage]
2025/11/25(火) 21:27:33.18
手話で手のひらヒラヒラが関の山の三団子
手話で君が代は出来まい https://t.co/Ojb8pT61x4 November 11, 2025
4RP
おでん、先程逝きました。
呼吸がゆーっくりになって、ほんとに逝ってしまったのか分からないほど穏やかに。
私の手のひらで安らかに眠ってくれました。大往生です。
ほぼ13年間もかわいくいてくれてありがとう。
お悔やみよりもかわいいって言ってあげてください。 https://t.co/5Nm76tP6Gb November 11, 2025
4RP
倭国人やられて当たり前とか言ってるけど
大丈夫ですよみなさん
やられない人はやられません
前も説明したけど
連中は恐怖や不安でマインドコントロールする
その周波数帯じゃないと私たちを支配できないの
だからその領域に私たちが行かなければいいわけ
悪魔が付け入る隙を与えない
ネガティブをポジティブへ昇華させるくらいの思考でね
だから悪魔が嫌がることをすればいいのに
こーゆー連中は結局支配層の手のひらで
転がされてるだけなんだよ
みなさん悪魔の思う壺にならないよう
気を付けましょうね November 11, 2025
1RP
うーん手のひら返させてくれそうな感じはしない
DLC元々買ってないしうーん
そもそも遊戯王カード並のテキスト量の付帯を読む気がしない
あ、倉庫無限にならないなら整理やっぱだるいしいいや November 11, 2025
@lima_8686 アレクサ、けっこうお喋りしてくれるんやね👀✨
私のひとり言に優しくお返事してほしい🤣w
そうか✨褒めちぎって手のひらで転がせばええんや🫴🏻✨w
うちのツレは口だけですよかろ🤣w November 11, 2025
#いま聴くV6は泣ける
#V6サブスク解禁なんだ
感動するカミセン曲💐
12ヶ月
silver bells
想いのカケラ
キミノカケラ
手のひらのUNIVERSE
ファイト
Happy together!
EXIT
STAY GOLD
Yo! You!!
Be with you
恋のシグナル
テレパシー
かっこいいカミセン曲
かわいいカミセン曲もいっぱいあります🎵 November 11, 2025
果てしなきスカーレット観てきました〜
私的にはおもしろくなかった。
世界観がよくわからないし、なんでみんな死んでるの?いつ何で死んだの?あと現実に戻ってきたときスカーレットの髪短くなってたのと手のひらの包帯?はなぜ(?_?)ツッコミどころありすぎる。 November 11, 2025
@kurakura20xx つり目とたれ目の協力、ありがとうございます泣泣泣泣ほんまに佐野森、言うことを聞け(解釈一致でありがとう)喋り方の相性が悪くて神や、、、、「うわ〜!合図どーりにやったらめっちゃうまくいった〜!!しもべくんすご〜!」手のひらクルー https://t.co/uZnDDjZ8mG November 11, 2025
@POPC_omi 「(手のひらで隠されると、スッ…と自分の目を手で覆う みてないよ)(覆っていたら字が読めなかったので、スッ…と解除)そっか…… ううん、おなじ…かな。……あまり、ねたく…なくて。……それ(エナドリ)、すき、なの?」 November 11, 2025
@soyparutera そう!そうなんです。頭は球状なのに手のひらを平らなままにして乗せてるだけの人とかもいて、せめてそのカーブに添わせてほしいと思います。となるとやはり柔軟性ですね。
分娩介助のときに頸動脈圧迫→失神したケースみたいなのを昔何かで見たことがあって、沐浴手技で危うい人には伝えたりしてます November 11, 2025
【小説】『深夜綻び、ふたり』
〈深き夜に触れる〉
一
秋が深まり、夜がゆっくり長くなると、人はなぜか過去に手を伸ばしたくなる。触れられないはずのものほど、指先にやわらかく滲むからだ。
あの夜も、私の部屋には、深海のような静けさが満ちていた。窓辺の街灯が淡く揺れ、壁に薄い影をつくる。その影の深さが、私を彼女へと連れ戻した。
――深雪。
名前の中に、冬の白さと、底へ落ちるような深さを同時に抱えたひと。
二
彼女と出会ったのは、夏の終わり、まだ夜が短かった頃だ。古い図書館の奥、ほとんど人の来ない読書室で、彼女は静かに本を読んでいた。
開かれたページの文字よりも、光の届かぬ深いまなざしの方が、なぜか強く私を捉えた。
「夜って、読む速度がゆっくりになるんです」
そう言って笑う彼女の横顔は、まるで日暮れの残照のように、長く心に残る温度を持っていた。
三
私たちは、季節が秋へと傾くにつれ、自然と一緒に本を読むようになった。同じ机に置かれた二冊の本は、たまに風のいたずらでページを同時にめくり、ふいに心が重なったような錯覚を与えた。
彼女は言った。
「長い夜って、誰かの言葉に寄りかかりたくなります。深く沈んでも、一緒に沈んでくれる人がいると安心だから」
その言葉が、今になって胸の奥でまだ灯っている。あれは、私にだけ向けられた温度だったのだろうか。
四
冬が来る前に、彼女は街を去った。理由は聞かなかった。聞けば、答えの深さに耐えられない気がしたからだ。
最後の夜、図書館の前で彼女は言った。
「……夜が深くなるほど、自分の影がよく見えるんです。誰かと寄り添うには、まだその影が整理できなくて」
そう言う彼女の声は、触れれば壊れてしまいそうに薄く、しかしどこまでも優しかった。
私はただ頷くことしかできなかった。沈んでゆく月のように、言葉は全部喉の底へ沈んでいった。
五
そして今、夜長の季節が戻ってくる。
深い静寂の底で、私はまた彼女を思い出す。けれどその想いは、もう痛みではなく、どこか温かい余韻のように胸の内に滞っている。
読書室で並んで本を開いたときの、あの静かな幸福。
重ねようと思わずに重なったページの音。
そして、深雪が最後に見せた影の輪郭までも、いまは優しい記憶として漂っている。
長い夜は、人を孤独にするだけじゃない。
深い夜は、胸の奥に、誰かの灯りをそっと守るためにあるのかもしれない。
だから私は、今日も部屋の明かりを落とし、本を開く。
ページをめくるたび、深い夜の底から、彼女の声が静かに立ちのぼる。
もう届かなくてもいい。ただ、そのやわらかな残響が、長い夜をそっと照らす。
〈深き夜、あなたを見送る前に〉
一
夜が長くなる季節が近づくと、胸の奥が少しざわつく。空気に触れただけで、過去がゆっくり浮かび上がってしまうからだ。
深い夜はすべてを静かに照らし出す――それが、私には少し怖かった。
あの図書館で、あなたに出会ったのは、夏と秋の境の頃。
陽はまだ長かったのに、私の中にはもう深い影ができ始めていた。
二
あなたは、読みかけの本を抱えて少し困ったように席を探していて、
その目が私の向かいの席に落ち着いたとき、なぜか胸に波紋が広がった。
あの読書室で誰かと向き合うなんて想像したことがなかったのに。
私は本を読んでいるふりをして、ページをほとんど追えていなかった。
夜について話したあの日、あなたが少し驚いたように笑ったのを覚えている。
私の言葉が誰かの表情を変えるなんて、それもまた、深い夜のように静かな出来事だった。
三
机に二冊の本が並ぶたび、ページの音が重なるたび、
私の心は少しずつ、深い場所から浮かび上がっていった。
けれど同時に、あなたの優しさに寄りかかってしまいそうで怖かった。
私にはまだ、うまく扱えない影があったから。
ある夜、図書館からの帰り道、あなたの横顔が淡い街灯に照らされた瞬間、
私はふいに思った。
――この人の中に、私の影まで置いてしまいそうだ、と。
四
冬が近づくと、私の中の影はまた深くなった。
あなたの隣で感じた温度が、逆に私の未整理の痛みを浮かび上がらせたからだ。
私はまだ、自分の影と向き合いきれていなかった。
誰かの手を取るには、手のひらがあまりにも冷たかった。
最後の夜、あなたの目をまっすぐ見ることができなかった。
「影が整理できなくて」と言ったとき、本当はもっと言いたいことがあった。
――あなたの温度に頼れば、きっと私は楽になってしまう。
でも、そんな依存の形であなたを愛したくなかった。
あなたは頷き、私の決断をそっと受け止めてくれた。
その優しさに触れた瞬間、胸の奥が深く沈んで、少しだけ痛んだ。
五
それから季節が巡り、夜はまた長くなってゆく。
深い静寂の中で、私はあなたとの時間を思い返す。
不思議と、その記憶はどれも温かい。
あなたが隣でページをめくる音、ふいに重なる呼吸、
沈黙の中にあった柔らかな親密さ。
あの頃より少しだけ、自分の影を見つめられるようになった気がする。
長い夜は、怖いだけじゃない。
深い夜は、心の底に沈んでいた言葉を静かに浮かせてくれる。
いつかまたあなたに会う日が来たなら、
私はきっと、もう少しだけまっすぐに笑えるだろうか。
そう思いながら、また一冊の本を開く。
ページの白さが、ゆっくりと夜の深さになじんでいく。
〈深き夜に戻る場所〉
一
春の終わり、夜が日に日に短くなっていく頃だった。
私は久しぶりに、あの古い図書館へ向かった。改修が決まり、来月には建物自体が取り壊される、と聞いたからだ。
ふと胸がざわめいた。
この場所が消えるということは、あの時間までも隠れてしまうような気がした。
読書室の扉を開けると、かつてと同じ、重く澄んだ空気が流れてきた。
机も椅子も、少し軋む床も、何ひとつ変わっていない。
けれど、そこにもうひとつ――予期しないものがあった。
窓際から差す光の下、背中を丸くして本を読んでいるひとがいた。
その肩の輪郭に、私は息を止めた。
――あなた。
二
気づけば、深い水の底から浮かびあがるように歩み寄っていた。
あなたは、ページをめくる手をふと止め、ゆっくり顔をあげた。
目が合った瞬間、胸の奥で何かが小さく震えた。
あなたの表情は驚きと喜びと、どこか懐かしい寂しさが混じっていた。
「久しぶりですね」
あなたの声は、あの頃より少し低く、でもやはり柔らかかった。
「……うん。来るとは思わなかった」
ようやく言葉がこぼれたが、それだけで胸がいっぱいになった。
あなたは笑った。
「ここがなくなると聞いて。最後に、どうしても来たくて」
その言葉は、私の中の深い場所に静かに触れた。
――私と同じ理由で来たのだと、すぐに分かった。
三
私たちは並んで座った。
かつて二冊の本を並べた、あの机で。
外では風がやわらかく枝を揺らし、夕陽がゆっくり沈みはじめていた。
窓の向こうの光が薄くなるほど、室内は静けさを増していく。
「元気でしたか」
あなたが問う。
短い問いなのに、そこには長い時間の重さと、深い夜のような思いやりが宿っていた。
「ええ。少しずつ、自分の影と仲良くなれた気がする」
その言葉を言えたことに、私は自分で驚いていた。
あなたは目を細め、どこか誇らしげに、そして安心したように頷いた。
「僕も、ようやく分かったんです」
「何を?」
「あなたと過ごした静けさが、どれほど深い灯りだったか。時間が経って、ようやく気づきました」
その告白は、胸の奥で静かに響き、長い夜の底に沈んでいた小さな痛みをそっと溶かした。
四
図書館の閉館時間が近づき、館内の照明がひとつずつ落とされてゆく。
薄暗い読書室は、かつての夜の記憶と重なった。
「……また会えたこと、うれしいです」
あなたがその言葉を落とすと、私は息を吸った。深く、確かに。
「私は、あの時の私より、少しだけ前へ進めています」
そして、ゆっくりとあなたに目を向けた。
「だから……もしよかったら、また一緒に、夜のページをめくれますか」
あなたは驚いたように、けれどすぐに微笑んだ。
その笑みは、かつて私を照らした柔らかな灯りと同じだった。
「ええ。
長い夜でも、短い夜でも。
あなたとなら、きっと大丈夫です」
五
図書館を出るころ、空はもう深い青に沈んでいた。
春だというのに、どこか秋の夜長を思わせる静けさがあった。
歩く距離は短かった。
けれど、ふたりの間に流れる沈黙は以前とは違った。
寄り添うでもなく、頼るわけでもなく、ただ同じ深さを共有するような、穏やかな静寂だった。
別れ際、あなたはふと立ち止まり、夜空を見上げた。
「また、会いましょう。すぐに」
その言葉は、夜の深さに吸い込まれながらも、しっかり私の胸に灯った。
私は頷いた。
長く深い夜を越えた先で、ようやく辿り着いた再会。
その静かな奇跡を、ずっと忘れない。
そして私は知った。
深い夜は、終わりではなく――
もう一度、誰かと出会うための場所にもなり得るのだと。
#11月の文学お題 #11月26日 #夜長 #深
#小説 #SS #ショートショート #ショートノベル #純文学 #文学 #掌小説 #小説が読めるハッシュタグ
https://t.co/7mpMu6DzJB
https://t.co/zYD1fDbANB November 11, 2025
【小説】『深夜綻び、ふたり』
〈深き夜に触れる〉
一
秋が深まり、夜がゆっくり長くなると、人はなぜか過去に手を伸ばしたくなる。触れられないはずのものほど、指先にやわらかく滲むからだ。
あの夜も、私の部屋には、深海のような静けさが満ちていた。窓辺の街灯が淡く揺れ、壁に薄い影をつくる。その影の深さが、私を彼女へと連れ戻した。
――深雪。
名前の中に、冬の白さと、底へ落ちるような深さを同時に抱えたひと。
二
彼女と出会ったのは、夏の終わり、まだ夜が短かった頃だ。古い図書館の奥、ほとんど人の来ない読書室で、彼女は静かに本を読んでいた。
開かれたページの文字よりも、光の届かぬ深いまなざしの方が、なぜか強く私を捉えた。
「夜って、読む速度がゆっくりになるんです」
そう言って笑う彼女の横顔は、まるで日暮れの残照のように、長く心に残る温度を持っていた。
三
私たちは、季節が秋へと傾くにつれ、自然と一緒に本を読むようになった。同じ机に置かれた二冊の本は、たまに風のいたずらでページを同時にめくり、ふいに心が重なったような錯覚を与えた。
彼女は言った。
「長い夜って、誰かの言葉に寄りかかりたくなります。深く沈んでも、一緒に沈んでくれる人がいると安心だから」
その言葉が、今になって胸の奥でまだ灯っている。あれは、私にだけ向けられた温度だったのだろうか。
四
冬が来る前に、彼女は街を去った。理由は聞かなかった。聞けば、答えの深さに耐えられない気がしたからだ。
最後の夜、図書館の前で彼女は言った。
「……夜が深くなるほど、自分の影がよく見えるんです。誰かと寄り添うには、まだその影が整理できなくて」
そう言う彼女の声は、触れれば壊れてしまいそうに薄く、しかしどこまでも優しかった。
私はただ頷くことしかできなかった。沈んでゆく月のように、言葉は全部喉の底へ沈んでいった。
五
そして今、夜長の季節が戻ってくる。
深い静寂の底で、私はまた彼女を思い出す。けれどその想いは、もう痛みではなく、どこか温かい余韻のように胸の内に滞っている。
読書室で並んで本を開いたときの、あの静かな幸福。
重ねようと思わずに重なったページの音。
そして、深雪が最後に見せた影の輪郭までも、いまは優しい記憶として漂っている。
長い夜は、人を孤独にするだけじゃない。
深い夜は、胸の奥に、誰かの灯りをそっと守るためにあるのかもしれない。
だから私は、今日も部屋の明かりを落とし、本を開く。
ページをめくるたび、深い夜の底から、彼女の声が静かに立ちのぼる。
もう届かなくてもいい。ただ、そのやわらかな残響が、長い夜をそっと照らす。
〈深き夜、あなたを見送る前に〉
一
夜が長くなる季節が近づくと、胸の奥が少しざわつく。空気に触れただけで、過去がゆっくり浮かび上がってしまうからだ。
深い夜はすべてを静かに照らし出す――それが、私には少し怖かった。
あの図書館で、あなたに出会ったのは、夏と秋の境の頃。
陽はまだ長かったのに、私の中にはもう深い影ができ始めていた。
二
あなたは、読みかけの本を抱えて少し困ったように席を探していて、
その目が私の向かいの席に落ち着いたとき、なぜか胸に波紋が広がった。
あの読書室で誰かと向き合うなんて想像したことがなかったのに。
私は本を読んでいるふりをして、ページをほとんど追えていなかった。
夜について話したあの日、あなたが少し驚いたように笑ったのを覚えている。
私の言葉が誰かの表情を変えるなんて、それもまた、深い夜のように静かな出来事だった。
三
机に二冊の本が並ぶたび、ページの音が重なるたび、
私の心は少しずつ、深い場所から浮かび上がっていった。
けれど同時に、あなたの優しさに寄りかかってしまいそうで怖かった。
私にはまだ、うまく扱えない影があったから。
ある夜、図書館からの帰り道、あなたの横顔が淡い街灯に照らされた瞬間、
私はふいに思った。
――この人の中に、私の影まで置いてしまいそうだ、と。
四
冬が近づくと、私の中の影はまた深くなった。
あなたの隣で感じた温度が、逆に私の未整理の痛みを浮かび上がらせたからだ。
私はまだ、自分の影と向き合いきれていなかった。
誰かの手を取るには、手のひらがあまりにも冷たかった。
最後の夜、あなたの目をまっすぐ見ることができなかった。
「影が整理できなくて」と言ったとき、本当はもっと言いたいことがあった。
――あなたの温度に頼れば、きっと私は楽になってしまう。
でも、そんな依存の形であなたを愛したくなかった。
あなたは頷き、私の決断をそっと受け止めてくれた。
その優しさに触れた瞬間、胸の奥が深く沈んで、少しだけ痛んだ。
五
それから季節が巡り、夜はまた長くなってゆく。
深い静寂の中で、私はあなたとの時間を思い返す。
不思議と、その記憶はどれも温かい。
あなたが隣でページをめくる音、ふいに重なる呼吸、
沈黙の中にあった柔らかな親密さ。
あの頃より少しだけ、自分の影を見つめられるようになった気がする。
長い夜は、怖いだけじゃない。
深い夜は、心の底に沈んでいた言葉を静かに浮かせてくれる。
いつかまたあなたに会う日が来たなら、
私はきっと、もう少しだけまっすぐに笑えるだろうか。
そう思いながら、また一冊の本を開く。
ページの白さが、ゆっくりと夜の深さになじんでいく。
〈深き夜に戻る場所〉
一
春の終わり、夜が日に日に短くなっていく頃だった。
私は久しぶりに、あの古い図書館へ向かった。改修が決まり、来月には建物自体が取り壊される、と聞いたからだ。
ふと胸がざわめいた。
この場所が消えるということは、あの時間までも隠れてしまうような気がした。
読書室の扉を開けると、かつてと同じ、重く澄んだ空気が流れてきた。
机も椅子も、少し軋む床も、何ひとつ変わっていない。
けれど、そこにもうひとつ――予期しないものがあった。
窓際から差す光の下、背中を丸くして本を読んでいるひとがいた。
その肩の輪郭に、私は息を止めた。
――あなた。
二
気づけば、深い水の底から浮かびあがるように歩み寄っていた。
あなたは、ページをめくる手をふと止め、ゆっくり顔をあげた。
目が合った瞬間、胸の奥で何かが小さく震えた。
あなたの表情は驚きと喜びと、どこか懐かしい寂しさが混じっていた。
「久しぶりですね」
あなたの声は、あの頃より少し低く、でもやはり柔らかかった。
「……うん。来るとは思わなかった」
ようやく言葉がこぼれたが、それだけで胸がいっぱいになった。
あなたは笑った。
「ここがなくなると聞いて。最後に、どうしても来たくて」
その言葉は、私の中の深い場所に静かに触れた。
――私と同じ理由で来たのだと、すぐに分かった。
三
私たちは並んで座った。
かつて二冊の本を並べた、あの机で。
外では風がやわらかく枝を揺らし、夕陽がゆっくり沈みはじめていた。
窓の向こうの光が薄くなるほど、室内は静けさを増していく。
「元気でしたか」
あなたが問う。
短い問いなのに、そこには長い時間の重さと、深い夜のような思いやりが宿っていた。
「ええ。少しずつ、自分の影と仲良くなれた気がする」
その言葉を言えたことに、私は自分で驚いていた。
あなたは目を細め、どこか誇らしげに、そして安心したように頷いた。
「僕も、ようやく分かったんです」
「何を?」
「あなたと過ごした静けさが、どれほど深い灯りだったか。時間が経って、ようやく気づきました」
その告白は、胸の奥で静かに響き、長い夜の底に沈んでいた小さな痛みをそっと溶かした。
四
図書館の閉館時間が近づき、館内の照明がひとつずつ落とされてゆく。
薄暗い読書室は、かつての夜の記憶と重なった。
「……また会えたこと、うれしいです」
あなたがその言葉を落とすと、私は息を吸った。深く、確かに。
「私は、あの時の私より、少しだけ前へ進めています」
そして、ゆっくりとあなたに目を向けた。
「だから……もしよかったら、また一緒に、夜のページをめくれますか」
あなたは驚いたように、けれどすぐに微笑んだ。
その笑みは、かつて私を照らした柔らかな灯りと同じだった。
「ええ。
長い夜でも、短い夜でも。
あなたとなら、きっと大丈夫です」
五
図書館を出るころ、空はもう深い青に沈んでいた。
春だというのに、どこか秋の夜長を思わせる静けさがあった。
歩く距離は短かった。
けれど、ふたりの間に流れる沈黙は以前とは違った。
寄り添うでもなく、頼るわけでもなく、ただ同じ深さを共有するような、穏やかな静寂だった。
別れ際、あなたはふと立ち止まり、夜空を見上げた。
「また、会いましょう。すぐに」
その言葉は、夜の深さに吸い込まれながらも、しっかり私の胸に灯った。
私は頷いた。
長く深い夜を越えた先で、ようやく辿り着いた再会。
その静かな奇跡を、ずっと忘れない。
そして私は知った。
深い夜は、終わりではなく――
もう一度、誰かと出会うための場所にもなり得るのだと。
#11月の文学お題 #11月26日 #夜長 #深
#小説 #SS #ショートショート #ショートノベル #純文学 #文学 #掌小説 #小説が読めるハッシュタグ
https://t.co/7mpMu6DzJB
https://t.co/zYD1fDbANB November 11, 2025
高市政権のアンチは高市首相の大きな手のひらの上で転がされてるような感じだし、政治は言わずもがな、経済についても、昔一瞬見たことのある「神の見えざる手」によりうまいこと回っていくことを信じたい November 11, 2025
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。



