仰る事を、凄く良く分かります。競争意識を持つ事は向上心にも繋がるけれど、それは自分が思う競争相手にリスペクトがある場合だけだと思う。

常に自分が一番でないと気が済まない人は、自分が相手の魅力に敵わないと分かると自分の才能をわざと誇示して見せたり、喜びを持って努力する相手に対して、シラけて見せたり無視したりという対抗策に出る。

そんな彼らの共通点として「相手も自分に対抗意識を燃やしている」と思い込んでいるという事も感じた。皆自分を基準として相手を見るという悪癖を持っているからだ。

だから彼らは「他者と競争しない人間がいる」とは思わないらしい。自意識過剰なナルシストなのだ。

元プロバレエダンサーだった私はそういうダンサーを沢山見て来た。彼らはそうして自分を必要以上に誇示するか、或いは人を引き下げる事でしか自分を保つ事が出来ない下品な人達なのだ。

それは時にバレエ教師やバレエマスターの中にも見受けられた。何故か彼らは生徒の能力に対抗意識を燃やし、相手の個性や才能を素直に褒めるという事をしない。

彼らはもし褒めたとしても、何処か「ああ言えばこう言う」みたいな意味のないくだらないスタイルで自分の優位性を常に誇示したがり、常に相手の欠点を粗探しする。

ちなみにこれは職業に関わらず、色々な場面で見受けられる″人間あるある″でもある。

でもそういう彼らを私はいつも見透かしてしまった。だからそういう品の無い人格を持った彼らに私自身の向上心を落とされた事は一度も無かったし、自分の向上心から生まれる喜びや楽しみを奪われる事も無かった。彼らは私に影響を与える事は出来なかった。

本当に凄いダンサーや教師はそんな事はしない。そして私は国内外でそういう才能溢れた素敵な人達（大概はそこでトップと言われる方達）からとても可愛がられた。

彼らは素晴らしい才能と人間性と本物の自信と謙虚さを持った尊敬すべき方達だった。

結局はその人、人の人間性なんだと思う。 December 12, 2025