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ブリタニア列王史
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2025.11.17〜(47週)
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手術後60日目
#読書
ちくま学芸文庫、ジェフリー・オヴ・モンマス『ブリタニア列王史』読了。
アエネーアスの曾孫ブルートゥスによるブリタニア建国から、サクソンに完全征服されるまで、約2000年にわたる壮大な偽史をよくもここまで書いたものだ。
もちろん種本はある程度あるのだが、それをここまで体系的な歴史物語に仕上げた筆力はやはり異常。
途中でリア王(レイア)の話が出てくるが、
三女コーデリアこそシェイクスピア劇そのままの悲劇的最期を迎える一方、当のリア王本人は復権して穏やかに死んでいた、もちろん道化師もいない。
マーリンとウーサー・ペンドラゴンについては後世のアーサー王物語とほぼ同じ筋立てになっているが、肝心の 「マーリンとアーサー本人が交流する場面”」は明確に描かれない。
・アーサーの剣は「カリバーン」で「エクスカリバー」伝説なし
・アーサーとガウェインの血縁関係に矛盾
・モードレッドは甥で、グィネヴィアを誘惑
など、後世のアーサー王物語との違いも興味深い。
物語後半では、アーサーがローマ皇帝ルキウスに勝利するが、ブリタニア王がローマやゲルマン諸部族を大陸で何度も破っている箇所が多数ある。
いくらラテン語だからと言って中世の大陸人は疑問を持たなかったのだろうか。
偽史としての大胆さと、それを「史書」として受容した当時の文化の不思議さを痛感した。 November 11, 2025
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