まんが倭国昔ばなし アニメ
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2025.12.11
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『つるの恩返し』
助けてもらった恩を返すために、娘の姿に変えて機を織り続けたつる。
ただ一つの願いは “決してのぞかないでほしい” という約束だけ。
人は、見なくていいものほど、のぞきたくなる。そして一度こわれた信頼は、もう元に戻らない。
つるは泣きながら、遠い空へ飛んでいきました。
——これは、「優しさは力になるが、疑いはすべてを失わせる」という物語。
#まんが倭国昔ばなし December 12, 2025
301RP
#まんが倭国昔ばなしホラー回
『子取り』
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むかしむかし、大分の宇佐のある村に、作兵衛とおタツという百姓夫婦が住んでいた
2人の間には2歳の男の子がいたが、作兵衛は働かず1日中ゴロゴロしていたので生活は楽ではなかった
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「あんた、そろそろ働いておくれ」
「食う分があれば金なんかいらんだろ」
「この子の着物も買ってやりてぇんだ、、」
「うるせぇ!」
「まんままんま、、、」「余計に食うもんはないよ、、」「うわ~ん!」
こんな調子だった
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居心地が悪くなって作兵衛は近所の年寄りの所へ行った
金をせびる為だった
「金がないだ?」
「、、、なんせ子供がまだ小さいもので、、」
「だからこそ沢山働かねばならんのだ!」
「、、、明日から働きます、、」「明日からと言わず今日から働け!
、、、、、子供にひもじい思いをさせちゃならねぇ、、、、これ持ってけ」
年寄りは少しばかりの金を作兵衛に渡した
「あ、ありがとうございますぅ!」
「この金はお前に貸すんじゃねぇ 子供のためだ」
「あ、それと、クワを貸してくだせぇ。働きますので」
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作兵衛は真面目に働く決意をする
まずは貰った金で何とか子供の着物は買ってやらないと、、、と考えながら歩く
村はずれのお堂の前を通ると、
「作兵衛」
中から名前を呼ばれた
「遊んでいかねぇか?」
戸が開くと、中からヤクザもの達が顔を出した 手の中でサイコロを転がしている
「駄目だ駄目だ!この金は子供の着物を買う金だ!」
「な~んだ、金持ってるんじゃねぇか どうせ年寄りからせびった金だろ」
「おれは帰るぞ!」
「嫁子喜ばせるには足りない金だろ?倍にすればいいだろ。ちょっと遊んでいけや」
「、、、、、、、、そうだな。ちょっとだけなら」
そう言うと年寄りから借りたクワを投げ捨てるとお堂に消えて行った
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その頃、家では子供がひもじさで泣いていた
「まんままんまっっうわ~~ん!!」
「うるさい!これ以上泣くと『子取り』に取らせるぞ」
え、、という顔をする子供
「小取りはな、大きな袋を背中に担いだ毛むくじゃらの大男でな、泣く子を探してどこからともなく現れて、泣き虫をその毛むくじゃらの手で捕まえると袋の中に入れて遠いどっかに連れて行ってしまうとばい」
子供はびっくりした顔で泣き止んだ
「だからな、父ちゃんが帰ってくるまで我慢して待っていような」
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その頃、作兵衛は博打に勤しんでいた
「おぉ!やった!勝ちぃ!!」
「作兵衛調子がいいじゃねぇか にしてもお前なんでこのお堂の前通ったよ?」
「そ、そりゃ働くためよ」
「お前の畑は反対方向だろうが」
「へ、へへへ」
「ま、働くなんて馬鹿らしいよな」
「説教は、よか!どんどんいくぞぉ!!」
「作兵衛、お前もほんと博打好きだなぁ」
お堂の賭場は盛り上がっていた
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辺りはすっかり夜 捨てられたクワが闇に染まっていた
作兵衛の残り金はわずかだった
「お前もうやめとけ 子供に着物買うんだろ?」
「あと一回だ!これで全てを賭ける!やらせてくれ!!」
「し、知らねぇからな」
サイコロは投げられる
出た目を見て肩を落とす作兵衛
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その頃、家では月の光に照らされたおタツが炊事場で大きな椀に餅を入れてかき混ぜていた
目を覚ました子供が「まんままんまぁぁ」といつものように泣きじゃくる
「今餅を作ってやってるから 泣くでねぇ、泣くでねぇ、、、」
「まんまぁぁぁぁうわ~~~ん」
「泣くな!!!!そげに泣くと子取りに取らすぞ!!!」
子供は一瞬真顔になるも空腹に耐えかねて、また火がついたように泣きじゃくる
「、、、、あの人は何をしとるんだろか、、、、」
おタツも子供も限界だった
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そんな中、泣き喚く子供の後ろの小窓の月が何か大きなもので隠れた
それはのそりと動いて去っていきまた月の光が家の中に入ってくる だが、その事を2人は気付かない
「うわぁぁ~~~ん!!!」
「ほれ泣くな!餅だ餅だぞ!これを取りに来い!」
おタツは炊事場から大声をかける だが子供は寝そべって泣くばかり
「早く取りに来い!!取りに来い!!取りに来ーーーい!!」
すると、子供のすぐ前の畳から毛むくじゃらのとてつもなく大きな黒い手が現れた
その手は子供に狙いを定めて、ぐわぁぁと振り下ろされる
おタツは「わぁ」と悲鳴を上げながら咄嗟に持っていた餅を投げつけると子供の元に駆け寄って抱き抱えた
寸前の所で黒い手を交わし逃れた2人 毛むくじゃらは代わりにおタツの投げた餅を掴み消えて行った
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あまりの事に腰が抜けてその場にへたり込むおタツ それを心配そうに揺する子供
ざぁーー、、、
戸が開く音と同時に「どした!?」と帰ってきた作兵衛の声
「おタツ大丈夫か!?」
駆け寄る作兵衛に抱き抱えられ「、、、あんた」息も絶え絶えなおタツ
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おタツは今あった事の一部始終を作兵衛に話して聞かせた
「、、、やっぱり貧乏はしたくねぇな、、、、そんな幻を見ちまう事になるなんて、、、おれは明日から一生懸命働くからな!」
「あぁ、あんた、、、」
それ以来、作兵衛は博打からは足を洗い、真面目に働くようになったそうだ
おタツも、いくらイライラしても「子取りに取らすぞ!」などと恐ろしい嘘をつく事はやめたそうだ
おわり
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この話、終始ウシジマくん的な閉塞感が漂い、最後の子取りの恐ろしさ、、、、異質な怖さのある話だ
それにしても、作中9割9分8厘クズを突き通していた作兵衛が最後の最後で本当に改心したのだろうか、、、?(実際作兵衛は子取りを見てないし)
とにかく一つの家族が壊れていく様が生々し過ぎるので、オバケ的な怖さよりも作兵衛一家の幸せを願う方が先行してしまう変わり種ホラーだ、、、、 December 12, 2025
57RP
#まんが倭国昔ばなしホラー回
『牛鬼淵』
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むかしむかし、伊勢の山奥に『牛鬼淵』という深い水場があって、そこには顔が牛、体が鬼の『牛鬼』という恐ろしい者が棲んでいる、という言い伝えがあった
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そんな山に入ってきた木こりが2人いた
彼らは小屋に寝泊まりして木を切り出すのが仕事だった
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何日か経ったある夜
2人は小屋で囲炉裏を囲んでくつろいでいた
年寄りの方が念入りにノコギリを手入れする中、若い方はそれを肴に酒を飲んでいた
「そんなにギコギコやってねぇで、とっつぁんも酒飲んだらどうだ?」
「馬鹿言え 手入れを怠ったらいけねぇ 山の神様にバチが当たる
山は人が知らねぇ恐ろしいもんがいっぱいある だからいつでも気を抜いたらいけねぇんだ」
「へー、そうかいそうかい」
👇
やがて夜が更けてきて、若い方はうつらうつら、年寄りの方は相変わらずノコギリの手入れをギコギコやっていた時の事、、
「だ、誰じゃ、、?」
年寄りの方が気配を感じて顔を上げる
すると、戸口のむしろの間からほおっかむりをした男が中を覗いていた
「なにしとるんじゃ?」
「、、、ノコギリの手入れをしとるんじゃ 硬い木を毎日切らんといかんからな」
「ほぅ ではその のこぎりは きをきるんじゃな?」
「そ、そうともよ、、」
すると、その者は一瞬嬉しそうな顔になり、むしろを手で押し除けた
それを見た年寄りの方は話を続けた
「だ、だがな これ見ろ
このギザ刃の最後のところについておる32枚目の刃
これは鬼刃といって、鬼が出てきたら轢きコロすんじゃよ 見せたろか?」
、、、、、すぅ、、、
年寄りがそう言うと、男は何も言わずむしろを下ろして闇の中に消えていった
2人は不思議な顔をしてしばらくむしろを見つめていた
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「、、、こんな時間にしかもこんな山奥に妙な男だな、、、
まさかあれは牛鬼では、、、!?」
目を見開く年寄りだったが若い方が笑い飛ばした
「あははは、あれは人間だっただろ」
「、、、確かにそうだな 牛鬼は顔は牛だと言うしな 人に化けるというのは聞いたことがない
わしが聞いた牛鬼は、昼間にやってきて人の影を舐めるらしい
舐められた人間は高熱が出て、やがて黒焦げになって4ぬらしい」
「へぇ~、そんな恐ろしいもんほんとにいるのかねぇ~」
その夜はそのまま更けて行った
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次の日も2人は朝早くから木こりに励み、夜になった
この夜も、若い方は酒を飲み、年寄りの方はノコギリの手入れをしていた
すると、
「だ、誰じゃ、、、?」
年寄りの方が顔を上げると、また戸口のむしろが開いて、昨夜の男が顔を出した
「なにしとるんじゃ?」
「、、、ノ、ノコギリの手入れをしとるんじゃ 硬い木を毎日切らんといかんからな、、」
「ほぅ ではその のこぎりは きをきるんじゃな?」
「そ、そうともよ、、」
それを聞いて男はまた一瞬嬉しそうな顔になり、むしろを手で押し除ける
年寄りは慌てて言う
「だ、だがな これ見ろ
このギザ刃の最後のところについておる32枚目の刃
これは鬼刃といって、鬼が出てきたら轢きコロすのよ 見せたろか?」
、、、、、すぅ、、、
すると、また男は何も言わずむしろを下ろして昨夜と同じように闇の中に消えていった
2人は気味が悪くなり背筋に冷たいものが伝うのだった
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次の朝も、朝から仕事に精を出す2人
古くて硬い木が邪魔をして作業が捗らなかったので、それに楔を打って切る事にした
だが、若い方が力一杯ノコギリを引くと、パキン、、、と刃が折れてしまった
それは一番端、、、、鬼刃だった
「しまった、、、、、」
👇
このままでは作業にならないという事で、年寄りは一旦山を降りてノコギリを直してくる事にした
胸騒ぎがしたので、「お前も山を降りないか?」と誘ったが、若い方はせせら笑ってそれを突っぱねた
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そしてその夜、いつもの山小屋で若い方の木こりは1人、いつもより早く酒を飲んでくつろいでいた
すると、
、、、、、ざざ、、
むしろが開いてゆうべのほおっかむりの男が顔を出した
「なにしとるんじゃ?
きょうはひとりか? どうしたんじゃ?」
「と、とっつぁんはノコギリの刃が折れてしもうたから村まで直しに行ってるんだ」
一瞬空気が止まった
ざざざ、、、、、
男がむしろを大きく開いた そして顔をにゅっと突き出す
「こんやはないんじゃな? おにをひきころすおにばはないんじゃな?」
その表情は嬉しそうだった
そして歩み出て小屋の中に入ってきた男の頭にはツノが生え顔は牛のようだった
👇
「うわうわうわうわ、、、、!!」
若い木こりは這うように小屋から抜け出し必死で走った
逃げた先は黒い淵だった
そこへじゃぶじゃぶ入り奥へ進もうとするが、後ろから大きな身体にのしかかられて、そのままずぶずぶと沈んでいった
👇
次の日、年寄りが村から戻り、小屋に着こうとすると、途中の淵の岸辺に何かが引っ掛かっているのが目に入った
それは若い木こりの着物だった
「あぁあ、、、、」
全てを察した年寄りは嘆く他なかった
顔が牛、体が鬼の牛鬼は確かにいた
月の明るい晩には淵を抜け出して獲物を探して這いずり回るということだ
伊勢のうんと山奥での話、、、、、
おわり
_______
、、、、これもド級に恐ろしい話、、、
言葉を交わせる異形って無敵なのでは?!と思ってしまう、、、
牛鬼というとゲゲゲの鬼太郎でも激強妖怪として出てくるけどまんが倭国昔ばなしでも強者ぶりを発揮している、、、
この話もまんが倭国昔ばなしホラー回の代表格的な話ではないだろうか、、、、 December 12, 2025
42RP
【公式】まんが倭国昔ばなし https://t.co/vwccBlrQl7 @YouTubeより
これまでは海賊動画ばかりUPされていた『まんが倭国昔ばなし』がついにYouTube公式チャンネルを開設したのに全然宣伝されてないから登録者がまだ132人しかいない。みんな登録しよう! December 12, 2025
25RP
『かもとり権兵衛』
むかし、かも取りの権兵衛という男がいた。
毎日1羽ずつとるのが面倒で、
「一度で百羽とれねえか」と“楽な道”を思いつく。
ある寒い朝、池には眠ったカモがぎっしり。
しめしめと縄をかけ、数えてみれば九十九羽。
——ここまでは順調。
でも昔ばなしは、欲をかくと物語が転び出す。
#まんが倭国昔ばなし December 12, 2025
24RP
《浦島太郎》
助けたカメに連れられて、太郎は竜宮城で夢のような日々を過ごします。
でも村へ戻ると、家も家族もいない。
自分だけが、別の時間を生きてしまったようでした。
思わず玉手箱を開けると、白い煙がふわり💨
このお話、実はどう読むかが人によってぜんぜん違う。
・現実逃避の代償として読む人
・「帰る場所」の大切さを感じる人
・時間という残酷さを描いた物語と見る人
・乙姫の優しさの象徴と捉える人
有名なお話ほど、解釈はひとつじゃない。
だからこそ、語り継がれてきたのかもしれません。あなたは、この結末をどう読みますか?
#まんが倭国昔ばなし December 12, 2025
17RP
『大歳の火』
大晦日の夜。
正直で働き者の嫁は、家の「火種」をまかされた。
昔はマッチがないから、火を絶やすのは “家の命” を絶やすこと。
眠れず心配で、夜中に灰を掘ってみると——
火種は、消えていた。
「どうしよう…明日の雑煮もつくれない…」
嫁は寒い外へ飛び出し、火を分けてもらおうと村をさまよった。
#まんが倭国昔ばなし December 12, 2025
9RP
この話紹介してほしい という #まんが倭国昔ばなしホラー回 ありますか?
返信しないので リプとか引リポとか お気軽にしてくださったら 幸いです🙏 https://t.co/xYFonBXqf4 December 12, 2025
8RP
『まんが倭国昔ばなし』公式YouTubeチャンネルが「大勢に見つかる」
すでにアニメ本編を約70本無料公開中。チャンネル登録者数は数時間で450倍以上に
https://t.co/IK3c1UYcpu
視聴困難だったリメイク前の『さるかに合戦』や、屈指のトラウマエピソード『キジも鳴かずば』などが公開されています。 https://t.co/1P3WN2IFGv December 12, 2025
8RP
ジブリ高畑勲の『竹取物語』もすばらしいのはもちろんだけど、あの『まんが倭国昔ばなし』の「かぐや姫」の作画クオリティが高すぎる。キャラクターデザイン、色彩、構図、省略、背景、忠実さ。これが民放の毎週30分で2本やるアニメ番組のうちの1本(つまり8-9分程度の作品)っていうのが。 https://t.co/q0hJmtzC96 December 12, 2025
7RP
そろそろ新しいYouTube開設しようとリサーチしてたら直近急成長アカウントに『まんが倭国昔ばなし』を発見。見た瞬間脳内BGMが即『坊やよい子だねんねしな…』に切り替わった。今年の10月に開設してたんだね、チャンネル登録者数が既に14万人は凄い。小さい頃部活行く前に見てたなぁと思った平成生まれ✨ December 12, 2025
6RP
おおお〜!
海賊版の動画を拡散できないので定期的にデータベースの宣伝をしていた『まんが倭国昔ばなし』
ついに公式Youtubeチャンネルが開設!
公式Xアカウントも!@aikikakucenter
嬉しいです。。。
【公式】まんが倭国昔ばなし
https://t.co/0M2rz7OvlN https://t.co/pAenn7AXYB https://t.co/xXjk5VbwkL December 12, 2025
5RP
まんが倭国昔ばなしは 公式アカウント様が 色々な回のあらすじを 書いてくださっています
その阻害をしてしまうような事があると 私の本意ではないので ホラー回紹介は やめようと 思います
これから続々上がっていく 公式YouTubeが 楽しみです✨ December 12, 2025
3RP
『風の神と子供』
村で遊ぶ子どもたちを、南風の子が空へ連れ出した。
秋の澄んだ空、高い虹の橋。
夕暮れどき、風のお母さんに晩ごはんをごちそうになり、
お腹がいっぱいになると、ふとつぶやく。
「はやく、うちに帰りたいな……」
その声を聞いた北風のお兄さんが、
「こんどはおらが、送ってやる」と子どもたちを村へ送り届ける。
——どんなに遠くまで行っても、
“帰る場所”があるという安心。
お山には、もう冬が来ようとしていました。
#まんが倭国昔ばなし December 12, 2025
3RP
まんが倭国昔ばなしの公式YouTubeが開設されて最近その話題をよく見かけます。エンディング曲というと「くまの子みていたかくれんぼ~」というのが有名ですけど、私は常田富士男さんが歌う「冬はちらちら雪あかり~」という曲が大好きです。
#まんが倭国昔ばなし December 12, 2025
2RP
これ今朝うちじゅうでどハマりしてる『まんが倭国昔ばなし』見ながらジョン(中国東北地方出身者)と話してた問題だわ…
👨🏻「おめどこさ行くだ」みたいなのってどこ方言なの?
👩🏻概念としての倭国語方言としか…💦 https://t.co/l0ouiJjrLl December 12, 2025
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#まんが倭国昔ばなしホラー回
『加茂湖の主』
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むかしむかし、佐渡の加茂村に武右衛門という長者がいた
武右衛門は強欲で、全くの情けもない男だった
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武右衛門の野望は加茂湖を全て埋め立てる事だった
湖で漁をしているたくさんの船の灯りを見て、他人に稼ぎ扶持を与えているのが気に入らなくて忌々しく思っていた
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ある日、武右衛門の屋敷に加茂湖の漁師たちが「これ以上埋め立てをされたら漁ができない」と直談判に来た
「あの湖は土地の者から高い金で買い上げたわしの物だ
加茂湖をどうしようがわしの勝手だ
お奉行さまもそれを認めておるわ」
使用人に言いつけて門前払いをさせた
武右衛門は事前に根回しをしてお奉行に袖の下を渡していた
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加茂湖の埋め立て工事は村人たちの訴えを無視してどんどん進んで行く
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そんなある朝、武右衛門が丁稚を連れて畦道を歩いていると、
「武右衛門さまぁ、武右衛門さまぁ、どうかお話を聞いてくだせぇ」
と一人の農夫が走ってきた
「これ以上、加茂湖を汚されたらおれたちの漁場が無くなって生活できなくなるんですぅ、どうか、どうか工事をおやめくだせぇ」
「聞く耳持たんわ」
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土下座して懇願する農夫に言い捨てると去っていく武右衛門
農夫はたまらなくなって、脇に落ちていた大きな石を掴むと、それを頭の上に突き上げて武右衛門の元に突っ込んでいった
だが帯刀している武右衛門に一蹴される
そして武右衛門は容赦無く鞘で農夫を滅多打ちにした
「この無礼者めが!こうしてくれる!こうしてくれる!!」
丁稚に止められ、農夫は何とか命は助かった
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だが、これを機に農夫たちは奉行所に訴えを起こす
武右衛門と農夫はお白洲に正座し、お奉行の裁きを待つ
「武右衛門!天からの授かり物の湖を埋め立てて己の私利私欲を肥やそうなど不届千万!!
がしかし!!!
漁師モヘイ!その武右衛門に石を持って制裁を加えようとした行為は極悪非道!!
よって、モヘイをお国払いとする!!
ただちにこの佐渡の国から出ていけ!!二度とこの地に足を踏み入れるでない!!
よって、長者武右衛門は無罪放免とする!!
これにて一件落着!!!」
👇
武右衛門と丁稚が奉行所を出て村への道を歩く頃には空には月が昇りすっかり夜遅くなっていた
坂を下り、長江川のそばに来た時、道の前方の暗がりに若い女が立っているのが見えた
👇
「こんな時間にどこへ行く?」
武右衛門が声をかけると、女は隣村へ行くと言う
「夜道の女の一人歩きはつらかろう わしがついていってやる」
武右衛門は丁稚に先に帰っているように言うと、女を抱き寄せるように連れ立って、分かれ道を去って行った
👇
丁稚は一人歩きながら、女のただならぬ雰囲気を思い出し、心配したが旦那さまは武芸の心得があるから大丈夫だろう、と思い直し、先を進んだ
すると、
「武右衛門に一言知らせたいことがある!!」
脇から大声をかけられてびっくりして見ると、裃に袴姿のお奉行さまが立っていた
「え、、、」と思うと同時にどこからともなく軽快な楽器の音が聞こえてくる
そしてお奉行さまはその囃子に合わせて手をくねくねさせて佐渡おけさを踊り始めた
丁稚が唖然としていると、お奉行さまはそのまま地面にひっくり返った
「、、、、あの女は、、、、」
お奉行さまは絶命していた
👇
「大変じゃ!旦那さまぁぁ!」
武右衛門の身を案じて道を走って戻る丁稚
すると、途中で火のついた提灯が落ちている
拾い上げると、その先で武右衛門の首筋に食いつき血を吸う女がいた
👇
武右衛門は恍惚とした顔をして為すがまま
女と目が合った瞬間、燃えた提灯の熱で視線を落とす丁稚
顔を上げると二人はいなくなっていた
👇
丁稚はわけがわからないまま道を走ると、加茂湖に行き当たった
そこで、また軽快な楽器の音色が聞こえてきた
「あ!旦那さま!」
見ると、武右衛門が湖の水面に女と二人で立ち、一心不乱に佐渡おけさを踊っていた
怪しい笑みを漏らす女と目が合うと丁稚は恐ろしくなって、逃げ出した
👇
村に戻り、火がついたように騒ぐ丁稚の声を聞きつけて村の若い衆や漁師たちが集まった
そして船を出し、加茂湖の武右衛門捜索をした
しかし、湖面に武右衛門の姿はない
空が白み始めた頃、暗い湖から武右衛門の遺体が浮かび上がってきた
👇
「旦那さま、、、、」
武右衛門の壮絶な死に顔を見て言葉を失う一同
これは加茂湖の主の仕返しだ、、、、そう確信した村人たちは恐れ慄いたという事だ、、、、
おわり
______
この話、ほんと怖いです、、、、
コミカルなタッチの絵ではあるけど、そのシンプルさが恐ろしい
そして随所にホラーポイントが散りばめられていてヤバいです、、、
見ると演出が十六人谷の小林治さんで納得、、、、
私の中ではまんが倭国昔ばなし5本の指に入る恐怖回です、、、、 December 12, 2025
2RP
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