1
市場参加者
0post
2025.12.03 18:00
:0% :0% (-/-)
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
NVIDIAという「脳」の進化に世界が熱狂する影で、Credo Technology(CRDO)が解決した「物理的な壁」の存在を、多くの市場参加者は見落としていたかもしれない。
データセンターという巨大な有機体において、計算能力の爆発的な進化に対し、データを運ぶ「銅線」の物理法則が限界を迎えていたからだ。
数万基のGPUが並列稼働するAIクラスターにおいて、信号の減衰とケーブルの肥大化は無視できない足枷となる。チップとチップ、ラックとラックを繋ぐ「ケーブル」の中にこそ、AIの性能を左右する最大のリスクと機会が潜んでいた。
Credoが提示した今回の決算は、この課題に対する「解」が市場に浸透しきったことを告げる号砲となった。
売上高、前年同期比272%増。
この数字は単なるAIバブルの余波ではない。データセンター設計者が直面する「信号品質」「消費電力」「コスト」という三重苦を解決する現実解として、CredoのAEC(Active Electrical Cable)が不可欠なインフラとなった証左である。
なぜ彼らが選ばれるのか。そしてなぜ今、投資の軸足を「計算」から「接続」へ広げるべきなのか。その構造的な理由を紐解く。
特筆すべきは売上の成長速度ではなく、利益率の質的変化だ。通常、ハードウェア売上が急増すればマージンは圧迫される。だがCredoは逆の動きを見せた。
粗利益率は66.8%。前年同期比で469ベーシスポイント(4.69%)の上昇である。
CFOのダン・フレミング氏が語った要因は、製造業の理想形そのものだ。量産初期の歩留まり問題を解消し、低マージン製品から高付加価値なハイエンドAECへのミックス改善に成功した。さらに売上急増による固定費分散が効いている。
競合が不在に近いニッチ領域でデファクトスタンダードを握り、価格決定権を維持したままスケールする。これが彼らの強さの源泉だ。
さらに市場を震撼させたのが、未来への「確信」とも言えるガイダンスである。
Q3の売上高予想は3.35億〜3.45億ドル。 市場コンセンサスが約2.47億ドルであったことを考えれば、この乖離は異常とも言える。QoQでも約27%増。
企業が通常好む保守的な見積もりではない。ここまで強気な数字を出せる背景には、ハイパースケーラーからの受注が既に確定している(Backlogがある)、あるいは顧客の需要予測が極めて強固であるという事実がある。
CEOのビル・ブレナン氏は「AECはラック間接続の標準になりつつある」と断言した。これは希望的観測ではなく、主要顧客の設備投資計画と完全に同期した発言と捉えるべきだ。
技術戦略におけるCredoの「狡猾さ」にも触れておく必要がある。
競合他社が最先端の7nmや5nmプロセスで高性能DSPを開発しようと躍起になる中、Credoは独自のアーキテクチャにより、枯れた技術である12nmプロセスを採用している(N-1戦略)。
これにより、TSMCの最先端ラインの奪い合いを回避し、安価かつ安定的にチップを調達できる。供給制約が叫ばれるAIハードウェア市場において、この「地味な」選択こそが、供給リスクを最小化し利益率を最大化する最強の濠となっている。
今後のアップサイドは、接続領域の拡張にある。
現在主力のAECはラック間接続(〜7m)を担うが、次なるALC(Active LED Cable)は30mまでカバーする。これにより、市場は「ラック単位」から「列(Row)単位」へと広がる。
会社側の試算によれば、接続数は最大10倍になりうるという。TAM(獲得可能な最大市場規模)の拡大余地は、現在の株価にまだ織り込まれていない可能性がある。
投資家として問うべきは、ポートフォリオの重心だ。
GPUという「点」の勝者は決まりつつある。しかし、それらを繋ぐ「線」の勝負はこれからが本番だ。インフラが実用と安定稼働のフェーズに入った今、接続技術への資金配分を再考するタイミングに来ているのではないか。
あなたは現在、AIインフラへの投資比率をどのように設計しているだろうか。
続きはnoteを読んでください。
https://t.co/2l0RL9kRTG
・AIデータセンターの構造的欠陥と「接続の壁」
・AEC(アクティブ電気ケーブル)の技術
・新・成長の矢:ZF Optics、ALC、 OmniConnect
・競合との比較
・ハイパースケーラー戦略と顧客ポートフォリオ
・財務健全性とマージン構造
・リスクシナリオの多角的検証
・バリュエーション December 12, 2025
1RP
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。



