セウォル号沈没事故の前日を背景に、二人の女子高生の姿が綴られる映画『#君と私』。ジェンダーやセクシュアリティの視点、フェミニズム、クィア理論への関心から執筆する作家の鈴木みのりさんのレビュー。

「想像しきれるわけがないという限界から、この作品は逃げていない」https://t.co/MJZrBzdEUs November 11, 2025

映画『君と私』は、セウォル号沈没事故を題材とした作品です。
チョ監督は、7年という月日の中で、事故に対する人々の記憶が薄れていく感覚を抱きながら、セミとハウンが過ごすかけがえのない一日を通じて、突然起こった不条理な死、そして残された人々の痛みを風化させないという意思のもと、本作を手掛けました。

「惨事を映画的なスペクタクルとして扱いたくなかった」という思いから、劇中では直接的に言及するのではなく、間接的に事故を想起させる表現が取り入れられています。

初日を迎えてから、改めて本作が向き合ってきたテーマの意味を感じています。
現在は3館での上映ですが、今後全国の劇場で公開されていく予定です。
すでに劇場へ足を運んでいただいた皆さま、そしてこれからご鑑賞くださる皆さまへ、心より感謝申し上げます。 November 11, 2025