1
けいれん
0post
2025.12.11 06:00
:0% :0% (30代/男性)
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
👨⚕️家族から「やっぱり医師だ!」と見直される疾患や場面9選🩺
1位:肘内障
泣き叫ぶ子供の腕を数秒で整復。すぐに動かせるようになる劇的さは圧倒的です。
2位:駅構内などで倒れた人へのAED装着
救急の現場を家族が目撃する数少ないタイミングです。
3位:飛行機や新幹線での呼び出し
「ちょっと行ってくるわ」でヒーローに。
4位:耳垢塞栓
「耳が聞こえない」→除去→「聞こえる!」という即効性が素晴らしい。
5位:急性虫垂炎の早期発見
「ただの腹痛」と思われている中での的確な診断で重症化を回避できます。
6位:熱性けいれん
パニックになる家族を冷静に落ち着かせ、動画を撮り適切に対応する姿が見せられます。
7位:結膜下出血
「目が真っ赤!」と慌てる家族に「見た目派手だけど無害」と安心を与えることができます。
※繰り返す場合などは眼科受診を勧めましょう。
8位:帯状疱疹(早期発見)
「ただの湿疹」段階で発見し、早期治療で後遺症を予防できます。
9位:気道異物
窒息しかけた子供への背部叩打法やハイムリック法での救命。
※母親が自然に習得している場合もあります。
職場で身を粉にして働いていても、なかなか家族には理解されない医療従事者。その中でも数少ない「仕事をしている姿」を見せられる場面を挙げてみました🦁
他にもありますか? December 12, 2025
#日刊なんでやねん短編小説
#四国が沈んだ日
第11話 ゼロライン
四国山地の奥。
地図上で無数の線が交わる地点——杏は車中、その交点を指でなぞり続けていた。
指先は微かに震え、呼吸は浅い。
「ここ……何かある」
呟きは、誰に向けたものでもなかった。
山道を進んだ先、廃墟の鉄扉前で管理員が待っていた。
「戦後すぐ封印された観測施設です。何を観測していたかは不明、図面も残っていません」
入口の銘板には、かすれた文字で「観測坑道」と刻まれていた。
はな、悠輔、杏の三人は、重い扉を押し開けた。
階段は湿気を含み、壁には緑色の錆が這っている。肺に重い空気がまとわりつく。
通路の奥には、古い測定器の残骸が散らばっていた。
割れたガラス面。その脇に残された手書きの文字——生命波。
悠輔が顔をしかめる。
「アナログ式の波形記録計だ。戦前のものだな」
杏はNR-V資料を取り出し、壁に刻まれた測定痕と重ね合わせた。
波形が、完全に一致する。
「NR-Vの……原型。そんな……」
資料が彼女の手の中で震えた。
はなが慎重に辺りを見渡す。
「奥へ、進んでみよう」
三人がさらに歩みを進めようとした、そのときだった。
背後で、金属のきしむような音がした。
はなが振り返る。
誰もいない——そう思った瞬間、闇の奥からゆっくりと人影が現れた。
照明も持たず、迷いもない足取りで。
「……どうして?」
はなの声が漏れる。
その人物は立ち止まり、静かに頭を下げた。
「初めまして。香川で美容家をしています。カズニスと申します」
名前を聞いた途端、杏の身体が小さく震えた。
「あなたが……観察メモを送ってくれた?」
「はい。あのときは電話だけでしたが……今日は、呼ばれた気がして」
悠輔は呆然とした顔で鉄扉の方角を振り返る。
「入口は封鎖されていたはずだ。どうやってここに?」
カズニスは首をわずかに傾げた。
「分かりません。ただ……髪の流れが、同じ方向を指し続けていたんです。地図の線と同じ方向へ」
その説明は曖昧で、理屈としては成立していない。
だが、三人はなぜか否定できなかった。
ここには、理由を超えた“何か”がある。
それが彼を導いた——そう思わせるほどの静かな説得力があった。
「奥に、強い“うねり”を感じます。私も一緒に確かめたい」
カズニスがそう言った瞬間、坑道の湿った空気が僅かに揺れた。
四人は再び奥へ歩き始めた。
やがて、通路は急に開けた。
天井が高く、息を呑むほどの巨大な空洞。
中央には井戸のような縦穴が、ぽっかりと口を開けている。
底からは光が漏れ、湿った空気が吹き上がっている。
風ではない——呼吸のような、生命のうねり。
杏が一歩前へ出た瞬間、身体が痙攣した。
「……ここを、知ってる」
記憶ではない。
細胞が応答している。
血が、この場所を覚えている。
「杏!」
はなが肩を掴んだ。
だがはな自身も、耳の奥で脈動を感じていた。
幼い頃に山で聞いた、あの低い鼓動——それが蘇ってくる。
心臓が同期しはじめ、呼吸が浅くなる。
カズニスは方位計を取り出した。
針が激しく震え、一点を指し続ける。
「地図の線が示していたのは地脈ですね。ここが……四国の“中心”」
誰も言葉を返せなかった。
縦穴の底で、何かが脈打っている。
その拍動が、確かに強くなっていく。
悠輔が縁に駆け寄り、身を乗り出した。
「深さは測れない……でも、何かが“這い上がってくる”」
背後の坑道で、崩れるような音が響いた。
逃げ場はない。
杏の瞳に、微かな光が宿る。
遠く、山の向こうで——数千の足音が近づいてくる。
世界が、こちらへ向かって収束していく。
───
次回予告
四国の街や村から、数千の人々が歩きはじめる。
車を捨て、同じ歩幅で、同じテンポで。
全員が笑ったまま、北西へ。
行進者の瞳には、犬や動物たちと同じ光が宿り、その先には——縦穴がある。
杏は呟く。「私……あの光の意味が、少し分かる」遠くの山で、何かが脈打つ音が、確かに大きくなりはじめていた。
🌘 第12話「行進」 December 12, 2025
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。



