生活インフラ トレンド
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2025.12.04 09:00
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【エジプトの「新しい首都」🇪🇬と倭国のチャンス🇯🇵】
2023年に、倭国の国土交通政策研究所が、エジプトで建設中の「新行政首都(New Administrative Capital)」を現地調査した結果をまとめています。
内容を、一般の倭国人向けにかみくだいてまとめると、こんな感じです。
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■ なぜ「新しい首都」を作っているのか?
エジプトの首都カイロは
•人口が急増
•交通渋滞がひどい
•これから40年で人口がほぼ倍増予測
という状況です。
そこで、カイロから東へ約45kmの砂漠地帯に
「新しい首都機能+新都市」を丸ごとつくる計画が進んでいます。
・計画人口:約650万人
・面積:東京23区+αクラス
・政府地区、住宅地、大学、医療、ビジネス地区などをセットで開発
・「スマートシティ」「持続可能な都市」をうたっている
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■ 実は課題だらけ
ただし、きれいなコンセプトだけではありません。
•コロナ・ウクライナ戦争・外貨不足で、工事は全体に遅れ気味
•高級な住宅やオフィス中心で
中・低所得者層は家賃が高くて住めないという批判
•公務員も、今の住まいから遠く、全員が引っ越せるわけではない
•資金の流れや意思決定が
「軍+政府系機関+新都市公社」に集中していて不透明
•カイロ〜新首都の高速道路は急ピッチで整備されたが、
公共交通(鉄道・ラストマイル交通)が明らかに足りない
つまり、
「道路と立派なビルはできてきたが、“人の生活の足”の部分が追いついていない」
というのが現状です。
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■ どの国が入り込んでいるのか?
すでに海外企業も多数参入しています。
•中国:ランドマークの「アイコニック・タワー」やCBDを大手国営企業が建設
•中国+フランス:LRT(新首都とカイロを結ぶ鉄道)やモノレールを整備
•ドイツ:Siemensが高速鉄道案件を受注
•湾岸諸国:投資(FDI)が急増
エジプト政府は
「資金(ファイナンス)+短工期」をセットで持ってくる国・企業を優先し、
入札ではなく“政治決定に近い随意契約”で決まる案件が増えている
という指摘もあります。
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■ 倭国は何をしているのか?
派手なビルを建てているわけではありませんが、
カイロ全体のインフラ・交通計画では、倭国の存在感は大きいです。
•JICA
•カイロ地下鉄4号線(ギザ〜カイロ方面)支援
•大エジプト博物館の建設支援
•空港拡張などの円借款
•大カイロの交通マスタープラン(過去3本)を策定
→ エジプト政府からの信頼は高い
•三菱商事
•50年以上、カイロ地下鉄の車両を供給(1,600両以上)
•現在、地下鉄4号線で
「倭国製車両+鉄道システム一式」を提供中
•将来は運行・保守(O&M)にも入りたい意向
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■ 「スマートシティ」で倭国にチャンスがある分野
現地のヒアリングでは、エジプト側のニーズとして
・土木工事そのものより
・電気・機械・ICT・運営ノウハウ
が欲しい、とはっきり示されています。
具体的には、
•上下水道のスマートメーター
•海水淡水化とその維持管理
•自動運転バス・オンデマンド交通など「ラストマイル」
•鉄道・バス・タクシーを統合するMaaS
•駅ナカ・広告・運営サービス
などです。
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■ まとめ
エジプト新行政首都は、
•砂漠に突然生まれつつある巨大な「政治プロジェクト」であり
•高速道路とランドマークは急ピッチで進む一方、
生活インフラ(公共交通・ラストマイル・水・運営)がまだ弱い
•中国・欧州・湾岸が「お金+スピード」でポジションを取りつつあり
•倭国は「計画力・信頼・運営ノウハウ」でまだ入り込む余地がある
という構図です。
「スマートシティ」という言葉の裏側で、
どの国の技術とマネジメントが、その国の“都市のOS”になるのか
という、静かなインフラ覇権争いが進んでいる──
その一端が見えるレポートだと言えます。 December 12, 2025
@moukon_genius 真にその通りなんですが、倭国は中小零細企業で働いている人口が多くて、そうした企業が連鎖的に潰れていくと、末端労働者の働く場所が無くなってしまうということもあるのです。またそのような中小企業が地域の生活インフラを支えているところもあります。難しいですね。 December 12, 2025
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