朝から晩まで慌ただしい日。支給された弁当を食べることすらできなかった。

日が暮れた辺りからは、「俺だけこんな忙しい配置にされて、他のやつら許せん！」の気持ちで憤慨していた。

ようやく仕事がおわり、全員が帰宅するとき、かなりの人数が小脇に、手付かずの弁当を抱えていることに気づいた。

みんな、戦友だった。別々の場所で戦っていた。
弁当も食わずに。

「従業員だけこんな忙しい仕事をやらされて、役員のやつら許せん！」

羅生門のように憎しみの気持ちが動いた。

のりから弁当を抱えた藤原の行方は、誰も知らない。 December 12, 2025

【読み始めたら止まらない！誰も知らない「戦争経済史」】

植民地経営から戦費調達、敗戦後の「清算」まで――
満洲、台湾、朝鮮、樺太、本土を、銀行員たちは決死の覚悟で駆けめぐっていた…！血と汗と涙の奮闘記！

驚きのエピソード満載！
お金から「戦争のからくり」を解き明かす。

「銀行員たちは勝利を信じて軍を支え、敵に追われながら軍の金庫番も務め上げた。そして終戦を迎えると、戦争で途方もなく膨らんだ有形・無形の負債の清算を余儀なくされる。彼らは敗北が明らかになっても、「信用維持」という銀行業に携わる者としての矜持を手放さなかった。
あちらこちらに散在する断片的な物語を繋ぎ合わせると、戦時に「国力の水増し」を担った銀行体制の新しい輪郭が浮かび上がる。この姿を辿りながら八〇年前の戦争、そして戦後を振り返ってみることにする」――「まえがき――国力水増しの舞台裏」より

発売即大重版が決まった『太平洋戦争と銀行 なぜ倭国は「無謀な戦争」ができたのか』、ぜひお手にとってみてください📚
https://t.co/2GOeuklJmS December 12, 2025

12月5日（金）発売 GENIC1月号_16ページ増 特大号
Best Destination「写真家が選んだ、最高の旅先」

✔︎ Spotlight
佐藤勝利 写真集『A Bird on Tiptoe』サイドストーリー
写真家 石田真澄が記す、静かなまなざし
「本番撮影というより、ほとんどが “合間” の写真」と写真家・石田真澄が語るとおり、旅するなかでふとこぼれた佐藤勝利の表情や仕草、その街の空気や気配までも静かにすくい上げていく。「こう見せたい」ではなく、「ただ見続ける」。変化に身を委ねながら、旅の時間のなかで生まれた、まだ誰も知らない佐藤勝利の一瞬。そんな写真集の “横” にそっと寄り添う、もうひとつの記録（サイドストーリー）をお届けします。石田真澄が佐藤勝利と旅するなかで捉えた、写真集には未掲載の街の姿もご覧いただきながら、この旅を一緒に味わってください。佐藤勝利さんの写真も誌面には掲載しています。

送料無料 https://t.co/p9p3tPD7su December 12, 2025

誰も知らない劇場って知ってる？
上野大樹って知ってる？
昨日宮城県仙台市で全国ツアー「とどけたい」FINALでキャパ数が154の自由席で空席がチラホラ
(ㆁᆺㆁ๑)‼︎ ぇっ…この人まだまだ世の中皆んなに知られて無かったの？
藤井風みたいにイケメンじゃ無くブサメン寄りだけど味のある歌は最高だよ https://t.co/tlSNG39Erw December 12, 2025

私は柳庭音矢を『クラスメイト』というイメージで書いている。

彼は同じ町で、同じ学校で、同じ教室で過ごす仲間で、たとえば全身あざだらけだとか身なりが不潔だとか、わかりやすい「不幸」は身につけていない。制服や身嗜みはきちんとしていて、でも多少は着崩したりもして、明るく笑うし時には些細なことで先生に叱られたりもして、満遍なく誰とでも仲良くできる、気さくなクラスメイトだと思う。

けれどある時、ふと、気付かされる者がたまにいる。

彼の「一番仲のいいやつ」が誰なのかは、
誰も知らない。
彼の好きな食べ物、得意な教科、苦手なものを誰も知らない。
あんなにみんなと仲良しなのに、彼のことを誰も知らない。
彼の友達は「みんな」であって、そこに固有の名前はない。
そのことに気づいた誰かが思わず振り返ったとき、柳庭音矢は無表情で笑っている。
「笑顔」が彼の「無表情」だとわかる。
そして、彼はいつも通り微笑んで言う。

「また明日ね」と。

その言葉で、
同じ町で、同じ学校で、同じ教室で仲良くしてきた彼が見ていた世界や地獄は自分たちの見ていたものとは決定的に違うと知る。
それが凛糸が見た、知った「音矢」で、
大半の人間は知ることがない。

けれど濱家宗哉は、

音矢の一番仲のいいやつは「俺だよ」と言うし、音矢の好きな食べ物は「おにぎりと筋骨隆々バーガー」と答えるし、得意な教科は「家庭科以外」と答えるし、苦手なものは「ひとりぼっち」と答える。それが正解かは誰も知らないし、なんなら音矢本人ですら「えっ？初耳だが？」となるけれど、
音矢は「宗哉がそう言うならそれは正解だ」と思うし、「宗哉の言う通りだよ」と答える。

宗哉は音矢が、同じ町で、同じ学校で、同じ教室で彼が見ていた世界や地獄は自分たちの見ていたものとは決定的に違うことを、知らない。別に知りたいとも思ってないし、どうでもいいと思ってる。
何故なら宗哉は「どこの世界でも地獄でも、俺がついてってやれば問題ない」と思っているから。過去も未来も気にしない。
目の前にいる音矢が宗哉の音矢で、目の前にいつでも音矢がいれば宗哉はそれでいいから。

宗哉の正しさは別に音矢を救わない。
でも音矢が欲しかったものを全部くれる。
音矢は宗哉に何も与えられない。
でも宗哉が美しいと思うものは全部音矢が持ってて、その音矢が宗哉のそばにいる。

運命の相手なんて、そういうものだと思って書いてるし、多分そろそろ書き終わるので
みんな最後までよろしくな。 December 12, 2025

室屋を左で起用してる意図を力蔵は室屋に伝えてないのなんか釈然としないな。何かしらの説明があるものだと思ってたけど誰も知らない感じなんだ。そして小泉ってやっぱなんか世に出せないおもろいの持ってるよな笑 https://t.co/Vp1B1Fljtn December 12, 2025

誰も知らない🤣
当店R.Sのマスコットキャラクターです！
#マットくん #フロアマット #カーマット
#これを見た人はTLに富士山を放流しよう https://t.co/P9wbJHaxmO December 12, 2025

前半組！
ラピスさんMC安定してて流石🐏

Ridel.さん！
月初のオンラインライブ振りで現地は初めましてでした！盛り上げも上手くてかっこよかった！！！

萌水団さん！
歌うま！トークの雰囲気とのギャップ良きでした！
あと｢〇〇知ってる人〜？｣で誰も知らないパターン初めてみましたw
#ぶいかふぇ https://t.co/apMjJGFj2X December 12, 2025

【告知📻✨】
12/1（月）OA #TBSラジオ「#荻上チキSession」に「#太平洋戦争と銀行」著者で防衛省防衛研究所 主任研究官 #小野圭司 先生が生出演いたします📻✨
19時〜のMain Sessionのコーナーです。

https://t.co/GzuDrh16x8

発売即3刷！大重版決定㊗️
読み始めたら止まらない！誰も知らない「戦争経済史」

ぜひお聴きください👂🎶

#講談社現代新書 #チーム銀行 #ss954 December 12, 2025

まずは一言、会社に言ってください。
「換気が売上を決めます」

社長は必ず食いつきます。
社員の能力を半分で使ってたなんて、誰も知らないから。 December 12, 2025

おはようございます🍀

11/30（日）
月は牡羊座
金星天王星180度、海王星120度
水星逆行終了

心機一転のとき。
素敵な夢を見たからといって二度寝している場合じゃない、
その夢は実現の価値あり！
一皮剥けてセンスアップも。
まだ誰も知らないあなたの魅力、もっと知ってもらいたいでしょう？
😉💫 https://t.co/mXC7VIT0uG December 12, 2025

#過去作を擦りまくれ

模コン三部作!
3rd→セミファイナル→セミファイナル

造形物としてはアラが多く、ドラクエにしては可愛さが足りず、模型としては誰も知らない…からなのかsnsでは全く伸びない我が子達

審査員が見てくださる場とか展示会ではまあまあ目立つギャップの謎が知りたい今日この頃🤣 https://t.co/dEaS8gusA3 December 12, 2025

対セフィ、対ティの再会は原作を知ってるプレイヤーはすでに知っていてどうリメイクされるのか楽しみにしてるシーンなんだけど、ここにもうひとつ再会した結果は皆知ってるけどその過程は誰も知らないザクエアちゃんの再会シーンが存在している訳よ。完結編でここを掘らずにどこ掘るんじゃ？って思う。 December 12, 2025

《戦いはまだまだ続く》

今回紹介したのはダイアクロンやワルダーのほんの一部の情報だ。
この先は君たち自分の目で確かめてみてほしい。
きっとまだ誰も知らないダイアクロンメカやワルダーメカが君たちを待っているぞ。

#ダイアクロンひみつずかん2025
#兎は蹴り上げる https://t.co/BOz0xOoyfo December 12, 2025

#テラサマの誰も知らない怖い話
最新回が🆙されました！今回は2025流行語大賞について、おてもと君の意見を聞きました！そして彼が最近ハマってるYouTubeチャンネルも！もちろん怪談も語ってくれてます！
https://t.co/j0yrMBIUG0 December 12, 2025

@Sunsun_sun06 後悔する前にやりたいことやらないとだなー

東京遠征もしときたいし
旅もしたい←誰も知らない街に行きたい December 12, 2025

【なぜ『羅生門』は「下人の行方は、誰も知らない」で終わるのか？】本稿の目的は、『羅生門』の終わり方――「下人の行方は、誰も知らない」――が物語の中でどのような役割を果たしているのかを明らかにすることです。特に、語り手の語り方の変化や、下人の心理の動きに注目して、この結末の意味を読み解いています。

方法として、下人の心理描写、語り手が自分の語りをあえて修正する「見せ消ち」の技法、終盤での動きや視線の反転（“見る→追われる”“立つ→走る”など）を丁寧に読み取り、語りの構造がどのように結末を準備しているのかを分析しています。

結果として、次の点が明らかになります。まず、下人は老婆を見て“将来自分もこうなるかもしれない”という強い恐怖を抱き、それが盗みへ踏み切る動機になります。この転落の瞬間、語り手はそれまでの「この男」という呼び方をやめ、下人をコントロールして語ることができなくなります。さらに、場面の反転が重なり、下人は語りの中心から大きく逸脱し、語り手の見通しの外へと走り去ってしまいます。

結論として、物語が「誰も知らない」で終わるのは、下人が語り手の“分かる範囲”から完全に外れた存在になったことを示すためです。語り手には、その後を語る根拠がなく、読者も推測できません。これは、人間が極限状態でどう変わるかは誰にも“語り尽くせない”という作品の主題を象徴しており、作品全体に強い余韻を与える結末となっています。

（改めて読み直し、大変感銘を受けたため要約し直しました！作者や作品へのリスペクトが伝わる論文です。） December 12, 2025

●12月30日(火)
『輝くな！どぶニュース大賞2025！』
【会場】ライヴ喫茶亀
【開場】21:00
【開演】21:20
【料金】2000円
【予約】https://t.co/QMLAzS6jPj
●誰も知らない芸人が話すもっと誰も知らない芸人のオチが無く薄すぎる話が何故か面白い様な気がする！年末の集団催眠術的トークライブ！● December 12, 2025

『第18話　いちばんのたからもの』

　ひさおが非常に不安に感じたさきの状態は、大切な仲間も精一杯フォローしてくれたおかげで安定したようだ。

　仕事を終えて帰宅すると、部屋で１人でくつろぐ、さきに安堵した。

　ようやく週末。さきと一緒にいてあげれる。

　翌朝、ひさおは朝食を作る。あまり胃に負担かからないように、トーストとスクランブルエッグとサラダ。

　用意が終わると、さきを起こしに行く。

ひさお「起きて。食事だよ。」

さき「んー。もう少し。。」

ひさお「今日デートしたかったのに。残念だ。」と去っていった。

　さきは、ん？ん？今デートって言ったよね。瞬時に覚醒し、全力で着替えるとテーブルに着いた。

さき「いただきまーす。」

　素早く食べると、さきが片付けをする。

ベッドにいるひさおに近づくと「デートの準備完了しました！」と。

ひさおは立ち上がると「じゃあ、行こうか。」とさきの頭を撫でた。

　肌寒い街並みを歩く。さきは「寒い。」とひさおの腕に抱きつく。

　しばらく歩くとさきが「あっ！」と声をあげた。

さき「ねえ、ひさお。ここのカフェ、ラブラブパフェってあって。一緒に食べると写真撮ってくれて、味も最高なんだって。写真撮ると、みんな拍手するのが決まりらしいの。」

ひさお「行きたいの？」

さき「ずっと行きたかった。でも相手いなかったから。。今はひさおと行けるから行きたいな。」

ひさお「かなり恥ずかしいけど。。分かった。さきが行きたいなら入ろう。」

　店に入るとラブラブパフェを注文し、2人でストローをくわえると写真を撮られて拍手された。

　さきは、なんか幸せな気持ちになった。

お客さん「親子であれも素敵ね。いい雰囲気ね。」

ひさおの様子を見ながら、さきが立ち上がると「違います。恋人です。」

ひさおはさきを座らせ「いいんだよ。それより、学校に知られたらヤバいから、気にしなくていいから。危ないことはやめよう。」

さき「だって悔しかったから。。分かった気をつける。けどさあ、ストローって写真撮るためだけだよね。スプーンじゃないと食べるの無理だよ。」

さき「すみませーん！」

店員「どうぞ。」とスプーンを渡す。

　どうやら、お約束のようだった。

　美味しくいただき、ラブラブの写真を受け取る。さきは写真を大事そうにしまうと、店を後にして再び腕を組んで街を散策する。

さき「ひさお。どこに行く？」

目の前の建物を見てひさおが「さきがいたら、どこでもいいかな。あっ、ゲームセンター行こうか。仕事のストレス解消で前はよく一人で通ったんだ。」と。

さき「ねえ、あのアニメグッズってゲームセンターで取ったの？」

ひさお「そうだよ？まあまあ上手いと思うよ。」

さき「行きたい！行こ行こ。」

　ひさおは、お気に入りアニメのグッズにチャレンジする。

さき「いろいろ見てくるね。」

　ふと目にとまったぬいぐるみ。何のキャラか知らないけど、ひさおに似てるな。。さきはどうしても欲しくなってしまった。

　ひさおは、あっという間に自分の欲しいグッズを確保し、店内を物色しながらさきを探しに行く。

　さきはかなりお金を使ったが、何とかぬいぐるみをゲットすると素早くバッグに入れる。

さきを見つけたひさおが近寄り「さき。どう？」

さき「難しいな。ねえ、ひさお。あれ取れる？」と。

ひさお「フィギュアか。フィギュアは不得意なんだよね。」

さき「何が得意なの？」

ひさお「タオルとかバッグとか平ぺったいものかな。」

さき「じゃあ、あのタオル欲しいな。」

ひさお「使うの？ゲームセンターのタオルって吸水性が無くてタオルとして意味を成さないんだ。飾るならアリだけど。」

さき「そうなんだ。ねえ。じゃあ、お菓子は？」
　
ひさお「いいんじゃない。お菓子は一番簡単だよ。」

さき「あのポテチのいっぱい入った袋がいい！」

ひさおはお金を入れると「さき、やってごらん。」

さき「これは持ち上げて、90度回転させるんじゃないかな。」

　さきはあっという間に1000円使ってしまった。

さき「ひさお。赤字よ。全然動かない。」

ひさお「やろうか？楽しむ料金だから、赤字とか考えないの。」

さき「見せて。」

　ひさおは、ど真ん中にアームを突き刺す。景品がかなり沈みこんだ。

ひさお「うーん。微妙だな。あと200円かかるな。店で買うほうがいいな。」

さき「そんな単純なの？押すだけなの？ひさお。利益考えないの。」

ひさおは再び押す。もう２箇所の角だけで景品は耐えている。

ひさお「さき。やってごらん。」

さき「えっ。どこ？」

ひさお「真ん中だとあと数回かかりそうだな。右上か左下の角なら落ちるかも。」

さき「じゃあ左下かな。左右だけ合わせたら、前後は原点だから失敗リスクが半分になる。」　

さきは左下を突き刺すと、見事落ちた。「やった～。帰って食べようね。ねえ。あのチョコレートは？」

ひさお「これか。これは。。たぶん簡単だよ。さきはどう攻める？」

さき「左下を狙い90度回転させる。」

ひさお「やってごらん。」

　さきは何とか800円使ってゲットした。

さき「また赤字。ねえ。ひさおだと、どう攻めるの？」

　店員が景品をセットする。

ひさお「お菓子の場合だけしか通用しないけど。こうだよ。」と中心の中心を狙う。お菓子は持ち上がり、原点に戻りアームが開くと落ちた。

さき「ひさお。すごい！」

ひさお「ええ、ずいぶん高い授業料払いましたからね〜。」

さき「ねえねえ。あのたこ焼き器のは何？」

ひさお「ああ、ピンポン玉を当り穴に入れたら景品もらえるの。」

さき「へー。好きなの選べるの？」

ひさお「そうだよ。全埋めは3個もらえるのか。1000円以内に当り穴に入らなかったら、全埋め狙うほうが得だね。やってごらん。」

さきは1000円でピンポン玉を4個しか取れなかった。たこ焼き器には1個しか入ってない。

さき「難し過ぎるよ〜。」

ひさお「ピンポン玉見て。アーム落とす場所が、ダメだったね。アームは障害物に触れると停止動作するようにしてあるの。よく見て。左右のアームが同じ高さで同時に当たる場所は？」

さき「分かんない。」

ひさお「真ん中の左側に２箇所低いところあるでしょう？」とアームを落とすとピンポン玉は２個取れた。

ひさおがやると毎回２個以上ピンポン玉を取る。すぐに当たり穴に入ったが、無視して続ける。穴はあと２つのみ。

ひさお「あと1000円で行けるかな？」

　結局700円で全埋めした。

ひさお「さき欲しい景品はどれ？」

さき「トートバッグと掛け時計と貯金箱にする。でも、ブランケットかわいいから迷ったんだ。」

　店員が初期状態に戻した。

ひさお「ブランケット欲しいの？裏技やろうか？」

さき「何？」

ひさお「気づいたと思うけど、穴の角に当り飛んでいったでしょう？あれ、ピンポン玉1個取ると必ず当たり穴の角に当たって飛んで行くようにしてあるの。2個取れても穴には入りやすくなるけど簡単には当たり穴には入らない。さっき100円チェックしたから。店員見てない？」

さき「大丈夫。何するの？」

　ひさおは、わずかに動かすとアームを落とす。たこ焼き器の角にアームが当り、たこ焼き器がズレた。次の100円でピンポン玉を2個取ると、一撃で当たり穴に。ブランケットをゲットした。

さき「すごい。200円！」

ひさお「200円はさすがに偶然。あれ、店によっては出入り禁止になるから。あとね、当たり穴の隣の穴に入った場合はピンポン玉を持ち上げないように、片方のアームで突くと隣に移動するの。ちなみにたこ焼き器をずらす技はほとんど誰も知らない。自分が開発した裏技。これやると店員がズレに気づくまで、効率良くずっと取れるの。」

　その後も様々な設定の機械をひさおはレクチャーし、さきも結構腕が上がった。

さき「ひさおさんの技術なら、転売したら儲かるんじゃない？」

ひさお「微妙だよ。結局、新しい設定にチャレンジしたりして余計にお金使うし、不運もあるから。どのみち多少プラスになる程度で、労苦するだけかな。暇ならフリマに出品してみたら。一応、僕もやってるよ。でもすごく手間でね。売れた瞬間はうれしいけど。真剣にやる価値はないよ。」

さき「だから、クローゼットの中のグッズ減ってるんだ。」

ひさお「ゲームセンター費用は経費計上出来ないからね。雑所得控除の20万円以内にしないと、ややこしいことになる場合があるし、上場企業に務めるとそういうトラブルは体裁悪いから。。だいぶ時間経ったね。帰ろうか。」

さき「そうね。夜寒くなる前に帰りましょう。」

　帰宅し、楽しく食事した後、お菓子を食べる。

ひさお「さき、太るよ。」

さき「ひさおは太るの嫌い？」

ひさお「さきなら、細くても太くても好き。」

さき「じゃあ食べよ。」

※※※

　入浴して部屋に入った。バッグから、ぬいぐるみを取り出す。

　ひさおみたい。かわいい。

　これは私だけの秘密のたからもの。

　さきは大事そうに抱きかかえて横になった。

　ふと、思い出した。

　ひさおと結ばれた日、何故ごめんって言ったのかな。。時々考えるけど、どうしても分からない。情けないとかでは絶対にない。いくら考えても分からない。

　でも、今日楽しかったな。。ひさおさん、あんな特技あるんだ。また、知らないひさおさんを知った。幸せだな。

　そうだ。明日、いよいよ誕生日だ。いつプレゼント渡すべきかな。。あーっ！しまった。ケーキ買ってくるの忘れてた。
　明日買いに行こう。まあマンションの1階行くだけだけど。しかし、本当に何でも近くにあるから便利だわ。

　3時のおやつでケーキ。プレゼントも、このタイミングがいいかも。

　明日考えよ。ひさお、おやすみ。と横になりながら、ぬいぐるみに呟くさきだった。 December 12, 2025

誰も知らない配信の誰も見たことがない切り抜き動画の同時視聴がもう１時間続いている。ほんとうにこわい December 12, 2025