爆撃機 トレンド
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2025.12.09 05:00
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ウォーサンダーのプレイ感覚を現実の対空戦と比較する場合、実は歴史とかけ離れてしまう大きな誤解が二つあります。
① ゲームでは命中精度を重視するため、航空機の投弾高度・距離が極端に短く(高度150m前後)、中には投弾後すぐ地面に突っ込むようなケースすらある。
② ゲーム内の対空砲には現実のような射撃指揮装置(火控システム)が存在せず、全てプレイヤーの感覚でリードを取る仕組みになっている。そのため、実戦では極めて重要な「遠距離での弾道性能」が完全に死んでおり、逆に「発射速度」だけが不当に過大評価されてしまう。
まず攻撃距離から見ると、現実の IJN(倭国海軍)の対艦攻撃要領では、急降下爆撃機は 高度1500mで60度急降下 → 約600mで投弾 が基本である。一方、米海軍の戦後資料 Antiaircraft Action Summary · 1945 によると、20mm エリコンの実効射程は約600m とされており、これは「投弾前に撃墜することがほぼ不可能」という意味になる。
魚雷攻撃も 1200〜800mで投下 が一般的で、ここでも 20mm では阻止手段がほとんどないのが現実である。
対して 40mm ボフォース は弾道性能が非常に優秀で、例えば 3500ヤードで仰角3°43′、飛翔時間わずか6.10秒。これに戦時の MK51/MK52 射撃指揮装置(火控) を組み合わせることで、3200ヤード級の有効交戦距離 が実現していた。さらに四連装によって発射速度の不足を補い、独自の給弾方式と水冷砲身により、ほぼ連続射撃が可能だった。
この交戦距離は、ウォーサンダーに登場する MK103 のような 30mm機関砲では到底再現できない。
加えて、Norman Friedman の分析では、1944年の米海軍対空火器は来襲機の約1/3を撃墜したとされ、1945年の公式統計(Antiaircraft Action Summary · 1945)では、40mm ボフォースが476機を撃墜し、その年の撃墜総数の約40%を占めた のに対し、20mm エリコンは 約25% にとどまった。
これらの数字は、40mm ボフォースが当時の対空戦において最も信頼性の高い兵器の一つであり、20mm が果たせる役割が極めて限定的だったことを明確に示している。 December 12, 2025
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