「声優リセマラ」が許されたワケとは? 声優の複数キャスティングは『ポプテピピック』だから実現した 2018.03.22 19:00 UP

“サブカルクソ漫画”としてカルト的に人気を誇る原作漫画をアニメ化するという暴挙に出て世間をザワつかせている『ポプテピピック』。
セーラー服を着た14歳の女の子「ポプ子」と「ピピ美」がショートストーリー仕立てで繰り広げるシュールかつカオスなギャグアニメだ。

“小さい方”ポプ子(右)と“大きい方”ピピ美(左)



『ポプテピピック』が何より話題を呼んだのが、1話を前半と後半に分け、前半と後半で演じる声優を変えて同じ内容を放送するという斬新な構成をとった点。

「アニメイトタイムズ」が行った番組プロデューサーである須藤孝太郎さんへのインタビューによると、どう考えても15分アニメだと想定していたが、初期段階で原作者である大川ぶくぶ先生から「例えば主音声が女性で、副音声を男性にすることって可能ですか?」という提案があったという。
このぶくぶ先生の提案から、前半と後半で男性声優と女性声優で分けてみれば面白いかなという結論に行き着き、毎話キャストを変えることになったのだという。

キャストについては、原作者である大川ぶくぶ先生が見てみたい組み合わせを考え、須藤プロデューサーが実現性の高いペアや盛り上がりそうな順番をピックアップしてオファーしているという。
また、ポプ子とピピ美の「意気のあった演技」を追求した結果として、人気作での共演者のほか「プライベートでも仲の良いコンビ」が採用される傾向にあるのだそう。

ポプテピピック声優一覧


3月8日、15日に放送された『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)で、ベテラン声優の三ツ矢雄二さんと日髙のり子さんがMCを務めるコーナー「雄二のぶっちゃけ部屋」にて『ポプテピピック』が特集された。

同じキャラクターを色んな声優が演じることについてどう思うかという質問には、ゲスト出演した千葉繁さん(第2話Bパートピピ美役)は「30年前に企画を出したことがあるが結局実現しなかった」と振り返った。

『ポプテ』のヒットから振り返る声優業


現在の「声優」という職業が確立されるまでは俳優が俳優業のかたわら声の仕事をやっているということが多かったが、テレビの普及とアニメ番組の人気によって俳優業よりも声優としての仕事が中心になっていった。当時の声優は声優業界の“ベテラン”と呼ばれ、現在もなお活躍されている人ばかり。千葉さんもその一人だ。
声優という職業が確立して大衆に受け入れられるようになってからは、歌って踊るアイドルや俳優、タレントなど声優事務所も声優業だけではない売り出し方をすることも。そんな状況で勝ち残った声優は「声がいい」「容姿がいい」「演技力がある」「トークセンスがある」など声優以外の部分でも勝るものを持ち、アイドル並みの人気を誇る声優も多い。
声優が表に出てくる時代になったからこそ、この「声優リセマラ」とも呼ばれる下は10代の若手から上は70代の大御所までというキャスティングが実現したのだろう。

同番組内では、悠木碧さんと竹達彩奈さんの第2話Aパートで出演した二人がコメントVTRゲストで登場。そこで悠木碧さんは『ポプテピピック』の役作りについて、「いかにみんなのバイオニズムに合わないか」「笑いのリズムから外れるか」を考えて演じていたという。

そんな型破りな『ポプテピピック』でのキャスティングは、役を演じる職業としての「声優」だけではなく、声優自身のキャラクター性や交友関係がアニメファンに認知され、『ポプテピピック』という作品自体にある“自由さ”、“考えたら負け”という雰囲気によってこそ生まれているのだろう。そして結果的に2018年が始まって早々にアニメ業界に大旋風を巻き起こすことに成功している。

ちなみに、ポプ子とピピ美の演技についてはスタッフ側からの指示は一切なく「自由にお願いします」「分からないです」という話をしているという。まさに「ポプテピピックに正解はない」。だからこそ個々のキャストの演技が光っているのだろう。
第2話Bパートでポプ子を担当した古川登志夫さんは、ポプ子とピピ美の複数キャスティングについて自身のTwitterで「声優個々の演技論の違いが明確に分かるポプ子とピピ美の複数キャスティング。ある意味、俳優教育、声優教育に一石を投じるコンテンツ」と論じている。



最終回の声優は?Twitter民による大予想会


アニメ情報サイト「アニメ!アニメ!」で行われた「『ポプテピピック』次に出演するのは誰?」というアンケートで、1位に輝いたのは第5話Bパートで実現した杉田智和さん×中村悠一さんの「磁石コンビ(※苗字のイニシャルが“S”と“N”で磁石の両極に例えられることから)」。2位以下もおなじみの組み合わせがランクインしたが、意外にも1位の磁石コンビと下野紘さん×梶裕貴さんの「しもかじ」コンビ以外は第11話までで実現していない。

来る最終回(第12話)のキャスティングについては、Twitterで予想が白熱している。中には第11話までの流れを無視して、これまでほとんど登場していない第1話のフェイクアニメ『星色ガールドロップ』を流すのではないかと予想する人も。古谷徹さんと池田秀一さんの組み合わせや山寺宏一さんの一人二役など、“絶対ありそうなのにまだきていない”組み合わせの予想が多いが果たして……。

『らんま1/2』Wらんまのお二人!


とうとう来るか?『機動戦士ガンダム』アムロ×シャア!


実現したらスゴイ!『銀河鉄道999』星野鉄郎×メーテル


大本命?七色の声を持つ山寺宏一さんの一人芝居


大いにあり得る……!



参考リンク


アニメ『ポプテピピック』を作った元凶の須藤Pにインタビュー!再放送の理由や先行上映会のうっかりを告白!ファンから募った質問にも回答 | アニメイトタイムズ
「ポプテピピック」声優予想アンケート結果、3位神谷浩史×小野大輔、2位古谷徹×池田秀一、第1位は…… | アニメ!アニメ!

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