あと3日。
無事故無災害1000日達成まで、
あと3日だった。

記念式典の案内状は発送準備が整い、会場も予約済み。
全てが順調に進んでいた。

安全掲示板の「997日」という数字が、
静かな誇りと共に輝いていた。

毎朝の安全朝礼では、
全員で安全宣言を唱和してきた。
真冬の凍える朝も、
梅雨の湿気た朝も、一度も欠かさずに。

現場監督は、特に熱心だった。

「安全は現場の命です。
これだけは絶対に譲れない」

その言葉には、いつも重みがあった。

出張先の会議室で
資料に目を通していた時、
携帯電話が鳴った

画面に表示された佐監督の名前。
直感的に、何か起きたことを悟った。

「申し訳ありません。現場で...」
監督の声は、普段の力強さを失っていた。

心臓が早鐘を打つ。
現場から離れているという無力感が、
私を強く苛んだ。

「大工の吉田さんが転倒して...」

ベテランの吉田さん。
現場では若手の指導も担当する、
信頼できる職人だった。

養生ロープをまたごうとして転んだという。

たった膝の高さのロープ。
普段なら何でもない高さのはずだった。

でも60歳を過ぎた体には、
思いもよらない壁となっていた。

「足首の捻挫で済みました」

監督の報告に、
まずは安堵の息をついた。

しかし次の瞬間、
重い現実が私の心に沈んでいく。

「労災の手続きを進めます」
その言葉が、1000日への道のりを断ち切った。

大きな怪我でなくて良かった。
それが正直な気持ち。

でも1000日まであと3日。あと3日だったのに。

翌朝の安全朝礼
私は出張から戻り、全員の前に立っていた。

机の上には、発送前の案内状の束。
もう必要のないものとなっていた。

安全掲示板の数字は「0」に戻っていた。

しかし、私は力強く声を上げた。

「昨日の事故から、
私たちは新しい教訓を得ました」

「年齢による身体能力の変化を
もっと真摯に考えなければならない。
当たり前と思っていたことに、
新しい視点で向き合う必要があるのです」

記念式典は中止となった。
しかし、私たちは新たな決意と共に、
再び歩み始めることにした。

この経験で学んだこと

完璧な安全など存在しない。
だからこそ、日々の積み重ねが大切。
997日間の努力は、無駄だったのか？

いや、違う。

これって、建築だけじゃない👇

🏃‍♀️ダイエット
- 3ヶ月で5kg減量成功
- あと1週間でゴール
- リバウンド
- 「無駄だった」？いや、3ヶ月の努力は本物

📝資格試験
- 1年間勉強
- あと1週間で試験
- 体調不良で欠席
- 「無駄だった」？いや、1年の学びは残る

🚭禁煙
- 100日間禁煙成功
- あと少しで達成
- 1本吸ってしまう
- 「無駄だった」？いや、100日の努力は本物

ゴール直前の挫折は、
スタートに戻ることではない。
997日の努力は、確実に現場に残っている。

案内状を片付けながら、
私は安全掲示板の「1日」という数字を見つめた

私たちの挑戦は、また始まったのだ。

そして今度は、年齢という
新たな視点を加えて、
より丁寧に、より慎重に。

安全は、最後の一歩まで
気を抜くことはできない。

その日、私たちは身をもって学んだ。

建築士の潤一郎（@PapalotX）でした。 December 12, 2025

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YouTubeの振り返りはガルデモ独占状態w
今年の梅雨～真夏ぐらいにめちゃくちゃハマった時期あった
Keyも多いね https://t.co/mugWSFq4Nw December 12, 2025