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アウトボクサー
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2025.11.28 02:00
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那須川天心の敗因について「パンチの威力のなさ」「ワンツーくらいしか打てない」ことを指摘する人が多い。事実だろうけど、直接の敗因かというと、何となく違和感も残る。
今回、渡辺二郎の記事をnumber webで書くにあたって、往年の試合動画を随分と見たのだけど、改めて思ったのは、渡辺二郎もパンチ力はそんなにないし、ガシガシ連打を打つスタイルとも違う。
武器は右リード、左ストレート、右フック、アッパーはそれほど打たない。ボディはストレートもアッパーもレバーブロウも打つけど、頻繁には打たない。つまり、天心と条件が近い気がした。サウスポーだし。むしろ天心の方がパキパキ動けて、一見、見映えがいい。では、なぜ渡辺二郎はあれだけ勝ち続けて、13の防衛戦のうち7つも倒せたか。
一つは柔軟な出入りが出来ること。相手のパンチが当たる場所にいない。上下左右にスムーズに動いて、自分のリズムを作ってしまう。洗練されたスタイルである。
本人は、現役当時の専門誌のインタビューで「アルゲリョの試合をたくさん見た」と述べているが、アルゲリョに限らず、国内外のいろんな試合(特にアウトボクサー)を見て参考にしたのだろうと想像がつく。
もう一つは喧嘩、ど付き合い。「ポイント取られてる」と感じたら、いきなり足を止めて打ち合う。逃げる相手を追いもする。そんなにパンチ力がないのにである。リスキーなのだが相手は臆してしまい、結果的に主導権を手放してしまう。要するにビビらせて勝つ。これが天心にはない面である。
それは、渡辺二郎がもともと阪急沿線のごんたくれだったから出来る芸当とも言えるが、喧嘩屋出身のボクサーが全員出来るわけでもない。つまり「一か八か腹を括れる」ということが出来るボクサーだということ。
僕は小6のジュニアキック時代から那須川天心を見ているが、他の子供とレベルが違いすぎて、上手すぎるだけに、あえてスタイリッシュに勝とうとしすぎているふうに映る。
こないだの拓真戦もそうで、8R終了間際は明らかに効かせていたのに詰め切れなかった。3階の天井桟敷にいても、拓真が効かされていたのは判った。なのに行けなかった。非常にもったいなかった。
テクニカルを極めるのも良いのだけど、どこかで「一か八か腹を括れる」選手になったら、渡辺二郎の防衛戦のように、沸かせながら倒して勝てる選手になると思う。
そして、そういうボクサーのことを「修羅場のインテリジェンス」と呼ぶのだと思う。 November 11, 2025
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