ヘレン トレンド
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2025.12.07 11:00
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死者35名、負傷者15名──
知的障害により孤独に苛まれた青年は、いかにして大量殺人へと至ったのか。
アマプラで見れる『ニトラム/NITRAM』は、1996年オーストラリア・タスマニア島で発生した銃乱射による大量殺人事件“ポートアーサー事件”──その犯人であるマーティン・ブライアントの生い立ちと、事件発生までの過程を綿密に描き出した社会派作品。
幼少期のいじめ、孤独、疎外感、事故、父の死、そして銃。
長年にわたって積み重なっていった負の連鎖が、大量殺人という最悪の形で顕現してしまうまでの過程を、圧倒的な密度で描き出します。
作中では知的障害とは明言されていなかった記憶がありますが、発達障害、あるいは精神疾患など、何らかの背景を抱えていたであろうことが示唆されています。
やりきれない負の感情の捌け口として、銃火器の持つ危険な魅力へと誘われていく様も非常にリアルで、心底恐ろしい。
空虚で満たされない心の行き着く先とは何なのか。
どうすれば彼の殺人衝動を防ぐことができたのか。
考えても、答えは簡単に出ません。
ある種の“生きづらさ”を正面から描いた作品でもあるため、鑑賞後の後味もまた、凄まじいものがあります。
あえて惨劇を映さずに迎える幕引きも、想像力を刺激し、余韻をより一層際立たせています。
実話という重たい事実が何よりも救いがなく、どんよりと陰鬱な気分にさせられる一本です。
なお、犯行の動機はいまだ判明していないとされています。
【あらすじ】
1990年代半ばのオーストラリア、タスマニア島。
観光しか主な産業のない閉鎖的なコミュニティで、母と父と暮らす青年。
小さなころから周囲になじめず孤立し、同級生からは名前を逆さ読みした『NITRAM』という蔑称で呼ばれ、バカにされてきた。
何ひとつうまくいかず、思い通りにならない人生を送る彼は、サーフボードを買うために始めた芝刈りの訪問営業の仕事で、ヘレンという女性と出会い、恋に落ちる。
しかし、ヘレンとの関係は悲劇的な結末を迎えてしまう。
そのことをきっかけに、彼の孤独感や怒りは増大し、精神は大きく狂っていく…… December 12, 2025
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