プノンペン トレンド
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2025.12.07 17:00
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【徹底検証】カンボジア不動産「熱狂のあと」
Vol.3 需給の崩壊:法規制の歪みと「在庫10年分」
▪️投資と実需の決定的乖離:法規制が生んだ「歪み」
現在の市場停滞の背景には、景気循環的な要因以上に、不動産セクターにおける構造的な需給ミスマッチがあります。過去数年間に供給された物件の中に
は、現地の所得水準とはかけ離れた高級コンドミニアムが、実際の需要を無視する形で大量に建設されました。
この背景には、カンボジア特有の法規制があります。カンボジア憲法下では外国人の土地所有が固く禁じられていますが、2010年の法改正により、外国人も「コンドミニアム(2階以上の建物の区分所有権)」であれば合法的に保有できるようになりました。
この制度解禁により、カンボジアの成長を取り込みたい海外投資マネーにとって、コンドミニアムが唯一の「受け皿」となりました。その結果、海外資金がこの特定の市場に一極集中し、実需不在のまま、キャピタルゲイン(転売益)やインカムゲイン(家賃収入)を期待する外国人投資家向けの物件ばかりが乱立する事態を招いたのです。
しかし、そうした高額物件に高い家賃を払って居住できる層は、主にカンボジアに駐在する外国人や一部の富裕層に限られます。プノンペンの経済がいかに発展しようとも、こうした高額家賃を負担できるテナントの数が、わずか数年で何倍にも急増するわけがありません。
つまり、法規制により投資対象としての「供給」はコンドミニアムへ爆発的に集中しましたが、それを支える「実需(テナント)」が追いついておらず、結果として空室率の高止まりと利回りの低下を招いています。この「外国人投資家向け供給と現地実需の乖離」こそが、現在の市場が抱える最も深刻な構造問題です。
▪️AMROとKnight Frankが示す「在庫の山」の正体
市場の需給バランスの悪化については、複数の権威あるデータが一致して警鐘を鳴らしています。まず、世界的な不動産コンサルティングファームであるKnight Frank(ナイトフランク)が発表したレポート「Cambodia Real Estate Highlights H1 2025」によれば、2024年末時点でプノンペンの未販売住宅在庫は約39,000戸に達しており、投機的需要の剥落が市場の重石となっています。
さらに、AMROの年次報告書(2025年)におけるデータ分析は、より衝撃的な現実を突きつけています。同報告書では、2024年末時点の未販売住宅戸数を38,714戸と特定しており、これは前述したKnight Frankの推計値(約39,000戸)と極めて近い数値です。異なる情報源がほぼ同一の数値を弾き出したことは、この在庫データが極めて信憑性の高い「紛れもない事実」であることを裏付けています。
加えて、同報告書の棒グラフによると、この在庫規模は毎年の平均販売数のほぼ10年分に相当する規模で滞留しており、その過半数がコンドミニアムで占められています。これは単なる在庫調整の域を超え、市場が消化しきれない供給過剰を抱えていることを示唆しています。
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💡 【深掘りコラム】アナリストの視点
テーマ:「10年分」の異常値
健全な不動産市場の在庫回転期間は通常12〜18ヶ月です。プノンペンの「約120ヶ月(10年)」はその約8倍。仮に明日から新規着工をゼロにしても、在庫解消には干支が一回りする時間を要します。この数値は、調整がいかに長期戦になるかを物語っています。
━━━━━━━━━━━━━━ December 12, 2025
クメールの模様きれい~。フランス統治時代に建てられたらくしく、似たようなアーチをベトナムでも見た気がする。
🇰🇭プノンペン
📍セントラルマーケット https://t.co/XW8H28WCsA December 12, 2025
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