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🐦空の王者の脳の違い🧠
#古知累論文紹介

翼竜は、鳥よりも先に空へ飛び出した「元祖・空飛ぶ爬虫類」です。

では、彼らはどうやって空を飛ぶための高度な「脳」を手に入れたのでしょうか？

実は、彼らの脳の進化は、鳥とは全く違う道のりを辿っていたようです。

鳥がどうやって飛ぶようになったのかについては、かなり詳しく分かってきました。

鳥の祖先である恐竜は、空を飛ぶようになるずっと前から、脳が少しずつ大きくなったり、視覚が発達したりしていました。

つまり、飛ぶための準備が長い時間をかけて整っていたんですね（これを専門用語で「外適応」と呼びます）。

じゃあ、翼竜も同じように、徐々に準備をしてから飛び立ったのか？

そう考える研究者も多かったのですが、残念ながら、それを検証するための「翼竜の祖先」の化石が、これまでは少なすぎて謎だらけだったのです。

そこで今回の論文は、翼竜に一番近い親戚である「ラガーペトン類（イクサレルペトン）」の頭の骨を詳しく調べました。

CTスキャンを使って、頭蓋骨の中にある「脳の形（エンドキャスト）」を復元したのです。

その結果、翼竜のご先祖様の脳は、基本的にはトカゲなどの原始的な爬虫類とあまり変わらなかった事が判明。

脳の「嗅球（においを処理する部分）」は長く、大脳もそれほど大きくありませんでした。

鳥のご先祖様（恐竜）が、飛ぶ前からかなり脳を鳥に近づけていたのとは対照的です。

つまり翼竜は、飛ぶ能力を手に入れる直前まで、割と「普通の爬虫類の脳」をしていた可能性があります。

そして、空を飛ぶ進化とほぼ同時に、急激に脳を変化させたようなのです。

ただ、一つだけ「進化の予兆」もありました。

それは「視覚」に関わる部分（視葉）です。

ご先祖様の段階で、すでに視覚の処理をする部分が脳の横の方へ張り出し始めていました。

これは、木の上で生活したり、獲物を目で追ったりするために役立っていたのかもしれません。

さらに、翼竜ならではの面白い発見があります。

翼竜の脳には「片葉（へんよう）」という、小脳の一部でバランス感覚を司る部分があります。

これが翼竜では巨大化してて、他の脊椎動物には見られないレベルです。

なぜでしょうか？

研究者たちは「翼の構造の違い」に理由があるのではないかと考えています。

鳥の翼は「羽毛」でできていますが、翼竜の翼は「皮膚の膜」です。

皮膚には神経が通っていますから、風の強さや空気の流れを「肌で感じる」ことができます。

翼竜は、翼全体から入ってくる膨大な情報を処理し、飛行を安定させるために、脳のバランス担当部分を特大サイズにする必要があったのかもしれません。

元論文URL→　https://t.co/r6n9zAbEFn December 12, 2025

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