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シェアハウス
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2025.12.02 05:00
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「僕ら、シェアハウスしない?」
「「シェアハウス?」」
「そう、ワーカホリックばっかりだけど、3人いればなんとかなんとかなるでしょ」
「なる……かぁ?」
「怪しいか、いったん」
「でもまぁ……」
「やってみますか、私たちならなんだってできますよ」
長男の言葉に弟たちも力強くう頷く。hytに抱っこされていたtuyは「ぅん?」と不思議そうに首を傾げていた。
「さあこれからが大変だぞ~!家探さなきゃ」
「その前にtuyの戸籍なんとかしなきゃやろ」
気合を入れる弟たちに笑いながら、tuyに語り掛けた。
「さあ、tuy。行きましょうか」
「とや、いっしょ?」
「そう、一緒です」
すると、tuyは小さく、少し瘦せこけた頬をぷにぷにと揉み始めた。「どうしたんです?」と聞くと
「とやはわらっちゃだめなの。わっちゃうときは、こやってこねこねするの」
あのどうしようもないカス人間である両親は、今までこの子にどんな仕打ちをしてきたのだろう。この子はどれだけ我慢して、苦しんできたのだろう。hytは思わず泣きそうになるが、『私が泣いてどうする』と自分に鞭を打った。
「大丈夫です。これからはいっっぱい笑って良いんですよ。いっぱい、いっぱい、tuyのやりたいことをやって、いっぱい、いっぱい、笑いましょう」
「とやの……やりたいこと?」
「ええ、そうです。何かやりたいことはありますか?」
tuyはしばし無言になる。玩具だろうか、それとも遊園地だろうか。hytはわくわくしながら答えを待った。
「えっとねぇ……あのね……」
「にぃにって、よんでいい?」
今度こそダメだった。愛しい末弟の顔が滲む。hytは涙声で「もちろん、何回だって呼んでください」と答えた。そこにこれから何をするか作戦会議(2回目)をしていたhrとmntが来る。
「あれ!?hyt兄さん泣いてる?え、レアじゃん写真撮ろ」
「その写真俺にも回してよhr」
「おけ」
「そこに正座なさい愚弟ども」
わちゃわちゃしだす兄弟に、tuyはくすりと笑おうとして、すぐに頬をもみだす。それにhytは「こら、これからは笑っていいって言いましたよね?」と優しくtuyの頬を撫でた。
「……ふふ、んははっ」
年相応の可愛らしい笑みを零すtuyの頭を3つの大きな手が撫でる。tuyにはそれが初めての感覚で、不思議だけど、とても嬉しいものだった。 December 12, 2025
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