『家族と国家は共謀する』——なんとも不穏なタイトルですね。
そんなことを思いつつも、本書を手に取るきっかけになったのは、なんといっても著者が「信田さよ子」という一点に尽きます。
新聞の記事等で度々目にしていて、「ええこと言わはるな～」と思っていました。
その上で、やはり著作をちゃんと読まなアカンな、と思っていた次第です。

信田さよ子といえばACという言葉を広めたことでも有名なので、ご存じの方も多いかと思われます。
「ACって何やねん」って方は、公共広告機構でも交流でもアーマドコアでもなく、この場合はアダルトチルドレンだということを覚えてもらえたら良いかと思われます。

さて、肝心の内容ですが二部構成になっていまして、第一部が『家族という政治』。
これは家族の暴力の構造を、社会学の言説を用いて説明しようというものです。
例えば、「家族は無法地帯である」なんて言葉が出てきます。
どういうことかというと、子どもや妻を殴る蹴るなどに対して法規制が及ばず、そのまま"躾"としてまかり通るのであれば、それは文字通り無法地帯ですよね。
実際問題、DVや虐待という言葉が周知されるまでは、被害者は自分の被害を説明する言葉を持たないどころか、被害にすら気付けなかったわけですから。
上記の例からも、社会学の言説を用いて説明するというのは、凄く良い試みだなと感心しました。

第二部は『家族のレジスタンス』。
これは著者が現場にバリバリ出られている、というのもあり、そこでの体験や知見を交えた内容になっています。
そして、その二部を読んだ上での一番の驚きは、新聞やニュース等の"解像度"が上がったことです。
喩えるなら、今まで144Pで観ていた動画が480Pになるぐらいの驚きです。
「共同親権」の問題を例に挙げるとすれば、これまでなら「母親側がイヤと言ってるなら、もうちょっと考えなアカンね」ぐらいの感想でした。
しかし、本書を読んだ後では「共同親権が離婚後のDVの支配継続に使われることがあってはならない」という言説が非常に良く分かります。
DVというものは何も身体的暴力に限ったものではないですからね。

以上のように本書は非常に勉強になりました。
とはいえ、身に詰まされるような指摘も多々ありまして、本書の＜家族は「以心伝心」ではなく、「同床異夢」だ＞という視点は、常に持っておかなければならないなと強く思いました。
最後に著者の言葉借りてまとめると、本書を読む機会に恵まれてラッキーでした。
#読書 #家族と国家は共謀する・サバイバルからレジスタンスへ #信田さよ子 December 12, 2025

２００２年のスポーツマンNo.1決定戦サバイバルバトルでチャンピオンだから、新参に対して多分演出側から「ヒールを演じる感じで」って言われただろうから頑張って演じてたけど人の良さが出ていて全然演じきれてなかった照英さん大好き https://t.co/v9dlTvR2g9 December 12, 2025

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