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2025.12.09 19:00
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CLANNAD見てないしSHIROBAKO見てないしギアス見てないしシュタゲ見てないし物語シリーズ見てないしガンダムほぼ見てないしヴァイオレットエヴァーガーデン見てないしエヴァ見てないしカードキャプター見てないしラブライブ見てないしBLEACH見てないしNARUTO見てないしSAO見てないしとらドラ見てないしh December 12, 2025
物語のジャンルの解像度をあげて、無限に脚本を作ろう!
Save the catの法則「10. 制度の中の物語」
多分だれでもわかる例が「半沢直樹」です。これは「制度の中の物語」に必要な「制度」「選択」「生贄」がすべてそろってます
1. 制度(The Group)=「東京中央銀行」
このジャンルには、独自の「狂ったルール」で運営される閉鎖的な集団が必要です。
半沢におけるルール: 「部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任」。
組織の性質: 銀行という組織の利益のためなら、個人の人生や取引先の運命を平気で踏みにじる。外の世界(一般常識)から見れば異常ですが、中の人間にとっては絶対的な掟です。
2. 選択(The Choice)=「倍返し」
主人公は、その狂った組織に対して「順応するか」「脱出するか」を迫られます。しかし、このジャンルの最も面白いパターンは、主人公が「組織の中に留まりながら、組織の腐敗と戦う(自殺行為)」を選択することです。
半沢の選択: 彼は銀行を辞めません。「出向(=組織からの追放)」という死刑宣告を突きつけられながらも、あくまで銀行員として内部から正義を貫こうとします。
これが「やられたらやり返す、倍返しだ」という、組織の掟へのカウンターパンチになります。
3. 生贄(The Sacrifice)=「敗れ去るライバルや同僚たち」
このジャンルでは、組織の維持のために誰かが犠牲にならなければなりません。
犠牲者たち: 近藤のような同期、あるいは大和田常務のような敵役でさえ、最終的には銀行という巨大な怪物に飲み込まれたり、守るために頭を下げたりします。
カタルシス: 視聴者は、「組織」という得体の知れない怪物が、半沢という個人の力によって一時的にでもひれ伏す姿に強烈なカタルシスを感じます。
じゃあアニメだとどうでしょうか?
『銀河英雄伝説』
これが最も近いと言っても過言ではありません。「銀行」が「宇宙軍」になったと考えてください。
制度(組織): 銀河帝国(独裁制)と自由惑星同盟(腐敗した民主主義)。どちらの組織も、無能な上司や私利私欲にまみれた政治家で溢れています。
主人公の立場:
ラインハルト(帝国側): 腐りきった貴族社会(制度)を憎み、姉を取り戻すために軍に入り、内部から実力だけで皇帝の地位まで登り詰めようとする野心家。まさに「倍返し」の塊です。
ヤン・ウェンリー(同盟側): 組織の腐敗を嫌い、辞めたいと願いながらも、その才能ゆえに組織を守らざるを得ない悲哀の中間管理職。
艦隊戦も魅力ですが、真の見所は「会議室での政治劇」や「人事抗争」です。「無能な上官の尻拭いをさせられる現場」に共感すること間違いなしです。
『銀河英雄伝説』における「制度の中の物語(Institutionalized)」としての「生贄(The Sacrifice)」は、非常に明確かつ残酷に描かれています。
この作品が名作とされる理由は、銀河帝国(専制政治)と自由惑星同盟(民主主義)という二つの巨大な「制度」が、維持されるために何を食らって生きているかを描ききっている点にあります。
■ 帝国側の生贄:ジークフリード・キルヒアイス ラインハルトにとっての最大の生贄です。
役割: 彼はラインハルトの親友であり、良心であり、冷徹な「覇道」へのブレーキ役でした。
なぜ生贄か: ラインハルトが「銀河帝国」という腐敗した制度を乗っ取り、新たな制度(ローエングラム王朝)を樹立しようとする過程で、彼は政治的な陰謀(オーベルシュタインの策=制度の論理)を受け入れざるを得なくなります。その結果、キルヒアイスは凶刃に倒れます。
意味: 彼の死は、ラインハルトが「ただの青年」から「孤高の皇帝(制度そのもの)」へと変貌するために支払わなければならなかった、取り返しのつかない代償です。
■ 同盟側の生贄:ジェシカ・エドワーズ(およびラップ) ヤン・ウェンリーにとっての生贄です。
役割: ヤンの想い人であり、親友の婚約者。市民としての「正義」を象徴する存在。
なぜ生贄か: 彼女は「腐敗した民主主義」と「軍事政権の暴走」という制度の軋轢の中で、暴力によって命を奪われます。
意味: 彼女の死は、ヤンが守ろうとしている「民主主義」という制度が、いかに脆く、守るに値しない側面を持っているかを突きつけます。それでもヤンは制度を守るために戦い続けなければならないという、残酷なパラドックスを生みます。
特にキルヒアイスの死は、「組織の論理(マキャベリズム)」を優先した瞬間に、「人間的な幸福」が失われるという、このジャンルの「組織に順応することの代償」を完璧に象徴しています。
すみませんガチで長くなっちゃいました。
制度の中の物語は大人になるにつれて共感できることも増えるのではないでしょうか。
他にも典型はたくさんあります。進撃の巨人、PSYCHO-PASS、SHIROBAKOなんかも毛色は違うけどそうですね!大事なのは「この狂った制度を守るために、一体何が犠牲になっているのか」「その中で主人公は何を選択するのか」です。
みなさんの職場やコミュニティにも狂った制度納得いかないことありません?
このフレームに落としたら、結構面白い脚本ができるかもしれませんよ!
さて、このシリーズ10本終了です!お付き合いいただきありがとうございました!
しかし・・・この話はあくまで「前提」
名作とされるアニメはいろんな要素をもっているものも多いです。
今後はこの知識を使って僕が好きなアニメの分析をもっとふかぼって行っていきたいと思います。 December 12, 2025
@fullmetal_IK 社会人になってからユーフォニアムとSHIROBAKOを観たんですが
これを中高で観れてたらもっと人生変わってたかもなぁなんて、ふと思いました December 12, 2025
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