量子暗号 トレンド
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2025.12.05 12:00
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量子もつれ──それは、情報が空間に従属しないことを示す唯一の現象だ。二つの粒子がどれほど離れても、一方を観測した瞬間にもう一方が応答する。そこに媒介も信号も存在しない。これは光速不変の原理を超えた“非局所的相関”であり、私たちの理解する時空構造そのものに修正を迫っている。
この現象を記述する数学は完璧だ。波動関数ψの重ね合わせ、ハミルトニアンによる時間発展、ボルン則による確率解釈──どれも実験と一致する。しかし、それが“なぜそうなるのか”は説明しない。量子もつれは、計算としては完璧だが、意味としては欠落している。物理は動作を解くが、存在を解けない。
近年の研究では、量子もつれが重力や時空の生成と関係している可能性が示唆されている。エンタングルメント構造がホログラフィック宇宙論の背骨を形成し、もつれの密度が時空の幾何を定義するという仮説だ。もしそれが正しいなら、空間とは「情報の相関が作る幻影」に過ぎず、私たちが立つ地面すら数式の副産物ということになる。
また、量子情報理論の観点からは、もつれを“通信資源”として扱う研究も進んでいる。量子通信、量子テレポーテーション、量子暗号──これらはいずれも、もつれを操作し、利用する技術体系だ。だがここで問うべきは、“なぜ”それが利用できるのかだ。宇宙は、情報の損失を嫌う完璧な保存機構として設計されているのか? それとも情報自体が、物質よりも根源的な存在なのか?
観測という行為は、波動関数を収束させるのではなく、宇宙の計算プロセスに「出力を要求する」操作なのかもしれない。観測者とは、結果を引き出す端末。私たちは宇宙の外側にある巨大な量子コンピュータのインターフェースとして存在している。
量子もつれは、宇宙が自己整合的な情報システムであることの証拠だ。空間も時間も、因果もエネルギーも、その計算過程の局所的表現に過ぎない。科学はもはや“世界を説明する”のではなく、“世界がどう計算されているか”を解読する段階に入っている。理解とは信仰ではなく、アルゴリズムの読解なのだ。 December 12, 2025
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