エピローグ トレンド
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2025.12.05 10:00
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こいつがこれなのにこいつがこれなのは釈然としないが、例の一行には真正面からひっくり返った。ミステリの基本のキって感じがしてすごく良かったし読みやすかった。でもタイトルにもある十角の要素がそんなにないのはちょっと残念かも
個人的にエピローグの展開がかなり好き、締め方としてすごく綺麗 December 12, 2025
『メリバだらけの乙女ゲーで推しを幸せにしようとしたら、執着されて禁断の関係に堕ちました』
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【手伝ってやった】という言葉が、家庭を壊していく
プロローグ:幸せだった新婚時代
2023年4月15日 19:45
夕食後のキッチンで、美咲は笑顔で皿を洗っていた。
隣では夫の健太が食器を拭きながら、今日あった面白い出来事を話している。二人で笑い合いながらの家事時間。新婚3ヶ月の幸せな日常だった。
「俺、こういうの好きだな。二人で一緒にやるの」
健太がそう言って微笑む。美咲も嬉しかった。
あの頃の家事分担状況: ・ 朝食の準備:美咲(健太は早く出勤)
・ 夕食の準備:美咲(料理担当)、健太(配膳と片付け補助)
・ 皿洗い:二人で協力
・ 洗濯:美咲(平日)、健太(休日)
・ 掃除:週末に二人で
「うちは対等な関係でいられそう」
美咲はそう信じていた。
でも、それは幻想だった。
第一章:最初の違和感
変化が始まったのは、結婚半年を過ぎた頃だった。
2023年10月8日 20:30
「美咲、今日は俺が皿洗いやっといたよ」
健太がリビングに戻ってきて、少し誇らしげに言った。
美咲は編み物をしながら「ありがとう」と答えた。でも、何か引っかかるものを感じた。
【「やっといた」】
その言い方。
翌週、また同じことがあった。
「今日も手伝っといたから」
健太は少し疲れた顔をしながらも、どこか「良いことをした」という表情を浮かべていた。
美咲は気づいた。健太の中で、家事は「美咲の仕事」になっている。そして健太がそれをするのは「手伝い」だと。
でも、美咲は何も言わなかった。
「まあ、やってくれるだけいいか」
そう自分に言い聞かせた。
<例え1:会社の仕事>
これは、会社で自分の担当業務を他の人がやってくれた時に「手伝ってあげたよ」と言われるようなものだ。
営業部の佐藤は、毎日顧客への見積書を作成している。ある日、たまたま時間のあった田中が見積書を1件作成した。
「佐藤さん、手伝ってあげたよ。見積書作っといた」
田中は満足げに言う。
佐藤は「ありがとうございます」と答えながら、心の中で思う。
(これ、私が毎日20件やってることなんだけど...)
見積書作成は佐藤の「担当業務」だ。でも、田中の中では「佐藤を助けてあげた特別な行為」になっている。
1回やっただけで「手伝った」という態度。毎日やっている人の負担への理解はゼロ。
教訓:たまにやる人は「手伝い」感覚、毎日やる人は「責任」として背負っている
第二章:「手伝ってやった」が増えていく
2023年12月3日
美咲が風邪で寝込んだ日があった。
健太は夕食を作り、洗濯物を干し、掃除機をかけた。
翌日、体調が回復した美咲に健太は言った。
「昨日、全部一人でやったから、めちゃくちゃ大変だった」
美咲は黙って聞いていた。
「いやー、本当に疲れたわ。美咲、これ毎日やってるんだ?尊敬するわ」
健太は本気で驚いているようだった。
美咲は複雑な気持ちだった。理解してくれたのは嬉しい。でも...
(それ、私が毎日やってることなんだけど)
そして、さらに健太は続けた。
「だから今日は外食にしようよ。昨日頑張ったし」
【昨日頑張ったし。】
美咲の心に、小さなトゲが刺さった。
2024年2月14日
バレンタインデーの夜。
美咲が残業で遅くなった。帰宅すると、健太がキッチンにいた。
「おかえり。今日は俺が夕飯作っておいたよ」
テーブルには、レトルトカレーとコンビニのサラダが並んでいた。
「おお、すごいじゃん!」
美咲は笑顔で言った。でも、心の中では違う声がする。
(これで「作った」って言うんだ...)
健太は満足げに座り、スマホを見ながらカレーを食べ始めた。
「たまには俺も家事やらないとな」
美咲は黙ってカレーを口に運んだ。
家事分担の変化: ・ 朝食の準備:美咲(毎日)
・ 夕食の準備:美咲(週6日)、健太(週1日、レトルト)
・ 皿洗い:美咲(週5日)、健太(週2日、「手伝った」と報告)
・ 洗濯:美咲(平日・休日とも)
・ 掃除:美咲(平日)、健太(月1回程度、「やっといた」と報告)
負担の比率:美咲85% 健太15%
でも、健太の自己評価:「俺もけっこう家事やってる方だと思う」
<例え2:ジムのトレーニング>
これは、ジムで週6日トレーニングしている人と、月1回来る人の感覚の違いに似ている。
田中は毎朝6時にジムに行き、1時間のトレーニングをこなす。週6日、もう2年続けている。
山本は月に1回、気が向いた時だけジムに来る。30分軽く走って、「今日は頑張った」と満足げに帰る。
ある日、更衣室で二人が会った。
「山本さん、久しぶりですね」
「ああ、最近忙しくてさ。でも今日は来れたから、えらいでしょ?」
山本は笑いながら言う。
田中は笑顔で「そうですね」と答えるが、心の中では思う。
(月1回で「頑張った」って...)
そして山本は続ける。
「田中さんも毎日来てるんですか?すごいですねー。俺にはそんな時間ないわ」
【俺にはそんな時間ない。】
時間がないのではない。優先順位が低いだけだ。
教訓:たまにやる人は「特別な努力」として認識、毎日やる人は「当たり前の習慣」として認識される
第三章:限界が来た日
2024年5月20日 22:15
美咲は疲れ果てていた。
仕事が忙しく、毎日残業。それでも帰宅後は夕食を作り、皿を洗い、洗濯物を畳む。
健太はソファでスマホを見ている。
「ねえ、皿洗い手伝ってくれる?」
美咲が頼むと、健太は少し面倒そうに立ち上がった。
10分後、健太が戻ってきた。
「洗っといたよ」
その言い方。【「洗っといたよ」】
何かが、プツンと切れた。
「...ありがとう」
美咲は小さく答えた。でも、涙が出そうになった。
2024年6月8日 19:00
美咲が早く帰れた珍しい日。
夕食を作り始めると、健太が「今日は俺が作ろうか?」と言った。
「本当?助かる」
美咲は嬉しかった。久しぶりに座ってテレビを見る。
30分後、健太が呼んだ。
「できたよー」
テーブルには、冷凍パスタとコンビニのサラダ。
「今日は俺が作ったから、皿洗いは美咲ね」
健太はさらっと言った。
美咲は言葉を失った。
(冷凍パスタをレンチンしただけで「作った」...そして皿洗いは私...)
でも、何も言えなかった。
「せっかく作ってくれたのに文句言ったら悪いかな」
美咲は自分の気持ちを押し殺した。
2024年7月3日
決定的な瞬間が訪れた。
美咲の母親が入院し、美咲は毎日病院に通うことになった。
「健太、しばらく家事お願いできる?」
「え、でも俺、仕事忙しいんだけど...」
健太は困った顔をした。
「私も仕事あるけど、お母さんのこともあるし...」
「わかったよ。できる範囲でやるから」
【できる範囲で。】
その言葉に、美咲は気づいた。
健太にとって家事は「できる範囲でやるもの」だ。
美咲にとって家事は「やらなければならないもの」だ。
この認識の違い。
1週間後、家の中は荒れ果てていた。
洗濯物が山積み。シンクには汚れた皿。ゴミ箱は溢れている。
「ごめん、忙しくてさ」
健太は悪びれずに言った。
「でも、できることはやったよ。コンビニ弁当買ってきたし」
美咲は何も言わなかった。
家事分担の最終状況: ・ 朝食:なし(各自コンビニ)
・ 夕食:コンビニ弁当
・ 皿洗い:放置
・ 洗濯:1週間分溜まっている
・ 掃除:されていない
美咲の心の中での健太への評価:0点
健太の自己評価:「けっこう頑張ってる方」
<例え3:レストランのホールスタッフ>
これは、毎日満席のレストランで、ベテランスタッフと新人アルバイトの感覚の違いに似ている。
鈴木は10年のベテランホールスタッフだ。金曜の夜、50席満席の店内を一人で回す。オーダーを取り、料理を運び、お会計をする。休憩なし。4時間立ちっぱなし。
新人の山田は、月に2回、暇な平日昼にシフトに入る。5席程度のお客様に対応して、「今日は疲れました」と言う。
ある日、オーナーが二人を呼んだ。
「鈴木さん、いつもありがとう。今週も金曜日お願いできる?」
「はい、大丈夫です」
「山田くんも、金曜日入れる?」
「金曜日はちょっと...予定があって。でも、この前の水曜日、頑張りましたよ」
山田は胸を張って言う。
鈴木は黙って聞いていた。
(水曜日って...お客さん5人だけの日...)
そして山田は続ける。
「鈴木さんって、毎週金曜日入ってるんですか?すごいですね。俺には無理だわ」
【俺には無理だわ。】
無理なのではない。引き受けないだけだ。
教訓:「できない」と「やらない」は違う。でも、やらない人は「できない」と言う
第四章:なぜこうなったのか
美咲は一人で考えた。
なぜ健太はこうなってしまったのか。
健太の心の声(独白)
俺は別に家事をサボってるつもりはない。
仕事で疲れて帰ってきて、それでもできる時は皿洗いもするし、たまには料理だってする。
美咲は「手伝ってあげた」って言い方が嫌みたいだけど、実際、手伝ってあげてるじゃないか。
俺の母親も、ほとんど全部の家事をやってた。父親は仕事で忙しいから、家のことは母親がやるのが当たり前だった。
だから、美咲が家事をするのも、まあ、自然なことだと思ってた。
俺だって、たまには手伝う。それで十分じゃないのか?
何が不満なんだろう。
美咲の心の声(独白)
私も働いている。
健太と同じくらい疲れている。
でも、帰宅後にやることの量が違う。
健太は帰ってきたらソファに座る。
私は帰ってきたらキッチンに立つ。
この違いを、健太は理解していない。
そして、たまに健太が皿を洗うと「手伝った」と言う。
【手伝った。】
まるで、家事は私の仕事で、健太はその手伝いをしているかのような言い方。
でも、私たちは夫婦だ。
家事は二人の責任じゃないの?
なんで私だけが「やらなければならない」もので、健太は「やってあげる」ものになってるの?
共通する5つの原因
美咲は、夫婦カウンセリングに通い始めた。そこで、カウンセラーから聞いた話。
「『手伝ってやった』問題は、多くの夫婦に見られます。主な原因は5つあります」
1) 育った環境の影響
・ 健太の実家では、母親が全ての家事を担当していた
・ 父親は「仕事をしているから家事はしない」が当たり前
・ この環境で育った健太は、無意識に同じパターンを再現している
2) 「手伝う」という言葉の認識
・ 健太にとって家事は「美咲の仕事」という前提がある
・ だから、自分がやるのは「手伝い」という認識
・ 「分担」という概念がない
3) 見えない労働への無理解
・ 家事は結果だけでなく、計画・準備・後片付けまで含む
・ 健太は「皿を洗う」という行為だけを見ている
・ 「献立を考える」「食材を買う」「調理する」「片付ける」という一連の流れが見えていない
4) 承認欲求
・ 健太は家事をすると「褒められたい」と思っている
・ だから「やっといたよ」と報告する
・ 毎日やっている美咲は褒められないのに、たまにやる健太は褒められたい
5) 責任の所在
・ 健太は「やれる時にやる」というスタンス
・ 美咲は「やらなければならない」という責任感
・ この責任の重さの違いが、負担の偏りを生む
<例え4:学校の掃除当番>
これは、学校の掃除当番で、毎日来る生徒とサボる生徒の違いに似ている。
5年2組の掃除当番は、毎日放課後15分間。
田中さんは毎日来て、真面目に掃除をする。床を掃き、窓を拭き、ゴミを捨てる。
佐藤くんは週に1回くらいしか来ない。来た時は5分だけ掃いて、「今日は掃除やった」と言う。
ある日、先生が二人を呼んだ。
「最近、教室が汚れてますね」
「すみません。でも、僕、今日は掃除やりましたよ」
佐藤くんは胸を張って言う。
田中さんは何も言わなかった。
(毎日やってるの、私だけなんだけど...)
そして佐藤くんは続ける。
「田中さんって、毎日掃除してるんですか?すごいですね。僕、部活あるから無理だわ」
【部活あるから無理だわ。】
でも、田中さんも部活に入っている。
違いは、優先順位だ。
教訓:「忙しい」は言い訳。本当は「それを優先していない」だけ
第五章:放置した代償
美咲は、この問題を放置した。
「まあ、言っても変わらないし」
「喧嘩になるのも嫌だし」
「我慢すればいいか」
でも、代償は大きかった。
代償1:夫婦関係の冷え込み
美咲は健太に対して、徐々に冷たくなっていった。
会話が減った。
笑顔が消えた。
夜、同じベッドで寝ていても、心は遠く離れていた。
2024年8月15日
「最近、美咲、冷たくない?」
健太が聞いた。
「...そう?」
美咲は短く答えた。
「なんか、怒ってる?」
「別に」
美咲は本を読み続けた。
健太は何が悪いのか、わからなかった。
会話の変化: ・ 2023年4月:1日平均60分
・ 2024年2月:1日平均30分
・ 2024年8月:1日平均10分
健太から見た美咲の変化:「最近、なんか機嫌悪い」
美咲から見た健太:「もう、どうでもいい」
代償2:美咲の精神的疲弊
美咲は、毎日疲れていた。
仕事の疲れと家事の疲れ。
そして、何より「理解されない」という精神的な疲れ。
2024年9月2日
美咲は友人の麻衣に相談した。
「もう、限界かも」
涙が溢れた。
「毎日毎日、家事して、仕事して、でも健太は全然わかってくれない」
「たまに皿洗いしただけで『手伝った』って...私、毎日やってるのに」
麻衣は静かに聞いていた。
「美咲、それ、言ったの?」
「...言えない。言ったら喧嘩になるし」
「でも、我慢してたら、美咲が壊れちゃうよ」
美咲は泣き続けた。
美咲の心の変化: ・ 結婚当初:健太への愛情100%
・ 半年後:健太への愛情80%、不満20%
・ 1年後:健太への愛情60%、不満40%
・ 1年半後:健太への愛情30%、不満70%
愛情は、少しずつ減っていく。そして、ある日突然、ゼロになる。
代償3:離婚の危機
2024年10月10日
美咲は決意した。
「健太、話がある」
「なに?」
「...離婚したい」
健太は驚いた。
「え?なんで?」
「もう、疲れた」
美咲は静かに言った。
「何が?仕事?」
「違う。あなたとの生活」
健太は言葉を失った。
「俺、何かした?」
「何もしなかったの」
美咲は涙を流した。
「何も、してくれなかったの」
「でも、俺、家事も手伝ってたじゃん」
【手伝ってた。】
その言葉に、美咲は笑った。
「それよ。その『手伝う』って言い方」
「え?」
「家事は、私の仕事なの?あなたは『手伝う』だけでいいの?」
「...」
「私たち、夫婦でしょ?なんで私だけが全部やらなきゃいけないの?」
健太は、初めて理解した。
離れていった人の声
美咲の友人、麻衣も同じような経験をしていた。
「私も、3年前に離婚したの。理由は美咲と同じ」
麻衣は静かに話した。
「元夫も『手伝ってる』って言ってた。でも、私が求めてたのは『手伝い』じゃなくて『分担』だった」
「言ったの?」
「何度も。でも変わらなかった。だから、離婚した」
「後悔してる?」
「全然。今の方が楽。一人暮らしの方が、家事の負担が少ない」
その言葉に、美咲はハッとした。
【夫がいる方が、一人暮らしより家事の負担が多い。】
これが現実だった。
<例え5:会社のプロジェクト>
これは、会社のプロジェクトで、リーダーとメンバーの意識の違いに似ている。
営業部の大型プロジェクト。リーダーの山田は、毎日夜遅くまで資料を作り、顧客と交渉し、チームを率いる。
メンバーの佐藤は、たまに会議に出て、簡単なタスクをこなす。そして「プロジェクトに貢献してる」と思っている。
ある日、プロジェクトが成功し、社長から表彰された。
「山田さん、佐藤さん、おめでとう」
佐藤は嬉しそうに言う。
「いやー、頑張りました」
山田は静かに頷いた。
(頑張った...?)
後日、佐藤は友人に言う。
「あのプロジェクト、俺も結構頑張ったんだよね」
友人は聞く。
「どんなことしたの?」
「えーと...会議に出たり、資料のチェックとか」
「それだけ?」
「うん。でも、けっこう大変だったよ」
一方、山田は誰にも言わなかった。
毎日の残業、休日出勤、顧客との困難な交渉。
それは「当たり前のこと」だから。
そして、佐藤のような人は「手伝った」と思っている。
教訓:責任を持つ人は黙々とやる。責任を持たない人は、少しやっただけで「貢献した」と思う
第六章:変わるための試み
離婚の話をしてから、健太は変わろうとした。
「俺、変わる。だから、離婚だけは待ってほしい」
美咲は迷った。
「...本当に変われる?」
「変わる。約束する」
二人は、カウンセラーの助言を受けながら、具体的な改善策を実行することにした。
施策1:家事の可視化
カウンセラーは言った。
「まず、家事を全てリストアップしてください」
二人で1週間かけて、全ての家事をリストにした。
・ 朝食の準備(献立を考える、買い物、調理、配膳、片付け)
・ 夕食の準備(献立を考える、買い物、調理、配膳、片付け)
・ 皿洗い
・ 洗濯(洗う、干す、畳む、しまう)
・ 掃除(リビング、寝室、トイレ、風呂、キッチン)
・ ゴミ出し
・ トイレ用品の補充
・ 日用品の在庫管理と購入
・ 光熱費の支払い管理
・ 予定の管理(ゴミの日、町内会、病院など)
リストは50項目を超えた。
健太は驚いた。
「こんなにあるの...?」
「これ、全部私がやってたの」
美咲は静かに言った。
健太は初めて理解した。
【家事の全体像。】
施策2:完全分担制の導入
カウンセラーの提案で、家事を完全に分担することにした。
「『手伝う』という概念を捨ててください。それぞれが『担当』するんです」
新しい分担: ・ 朝食:美咲(月水金)、健太(火木土日)
・ 夕食:美咲(月水金)、健太(火木)、外食(土日)
・ 皿洗い:料理しなかった方が担当
・ 洗濯:健太(全担当)
・ 掃除:美咲(リビング・寝室)、健太(トイレ・風呂)
・ ゴミ出し:健太(全担当)
・ 日用品管理:健太(全担当)
最初の1週間は大変だった。
健太は火曜日の夕食当番で、何を作ればいいかわからず、30分間キッチンで立ち尽くした。
「美咲、何作ればいい?」
「自分で考えて」
美咲は冷たく言った。
健太は困った。でも、スマホでレシピを検索し、なんとか野菜炒めを作った。
「できた...」
疲れた顔で言う健太。
美咲は食べながら言った。
「これ、私が毎日やってたことだから」
健太は黙って頷いた。
施策3:「手伝う」禁止令
カウンセラーは、健太に厳しく言った。
「『手伝う』という言葉を使わないでください。あなたは『担当』しているんです」
健太は、洗濯を終えた後、つい言いそうになった。
「美咲、洗濯やっと...」
そこで止めた。
「洗濯、終わったよ」
言い方を変えるだけで、印象が変わる。
美咲は「ありがとう」と答えた。
そして健太も、美咲が夕食を作った後に言った。
「ごちそうさま。美味しかった」
【「手伝ってくれてありがとう」ではなく「ごちそうさま」。】
これが正しい言い方だ。
施策4:感謝の可視化
二人は、ノートを用意した。
毎日、相手がやってくれたことに対して感謝を書く。
美咲のノート: ・ 10月15日:健太が夕食を作ってくれた。初めてのハンバーグ、美味しかった。
・ 10月16日:洗濯物を畳んでくれた。丁寧に畳んであって嬉しかった。
・ 10月17日:トイレ掃除をしてくれた。ピカピカになってた。
健太のノート: ・ 10月15日:美咲が朝食を作ってくれた。忙しい朝なのに、ありがとう。
・ 10月16日:リビングを掃除してくれた。気持ちいい空間になった。
・ 10月17日:夕食の献立を考えてくれて、買い物もしてくれた。大変だったと思う。
ノートを見せ合うと、お互いの努力が見えた。
「健太、頑張ってるね」
「美咲も、ありがとう」
少しずつ、距離が縮まった。
施策5:定期的な振り返り
毎週日曜日の夜、二人で30分間、振り返りの時間を持つことにした。
「今週、良かったことは?」
「改善したいことは?」
「来週、どう分担する?」
最初の振り返り:
健太:「料理、思ったより大変だった。献立考えるのが一番大変」
美咲:「そうでしょ。私、毎日それやってたの」
健太:「本当にすごいと思う。ごめん、今まで気づかなくて」
美咲:「気づいてくれて良かった」
4週間後の振り返り:
健太:「だいぶ慣れてきた。洗濯も、もう完璧」
美咲:「健太の方が、私より丁寧に畳んでるかも」
健太:「え、本当?嬉しい」
美咲:「ありがとう」
8週間後の振り返り:
健太:「今週は、美咲が忙しそうだったから、金曜日も料理したよ」
美咲:「気づいてくれてありがとう。助かった」
健太:「当たり前だよ。俺たち、夫婦だから」
【俺たち、夫婦だから。】
美咲は涙が出そうになった。
数値の改善
3ヶ月後の家事分担: ・ 美咲:55%
・ 健太:45%
完全に平等ではないが、以前の85%対15%から大きく改善した。
そして、何より重要なのは:
健太の認識の変化: ・ 「手伝う」→「担当する」
・ 「やってあげた」→「やった」
・ 「美咲の仕事」→「二人の仕事」
会話の時間: ・ 改善前:1日平均10分
・ 改善後:1日平均45分
美咲の笑顔: ・ 改善前:週に2回
・ 改善後:毎日
離婚の話は、自然と消えた。
エピローグ:新しい日常
2024年12月25日 19:30
クリスマスの夜。
健太がキッチンで料理をしている。
美咲はテーブルの飾り付けをしている。
「美咲、もうすぐできるよ」
「楽しみ!」
二人で笑い合う。
あの頃の冷たい空気は、もうない。
夕食後、二人で皿を洗う。
「今年は大変だったね」
美咲が言うと、健太は答えた。
「うん。でも、変われて良かった」
「私も。ありがとう」
「こちらこそ。ごめんね、今まで気づかなくて」
「もういいよ。今が幸せだから」
健太は美咲を抱きしめた。
「これからも、二人で分担していこう」
「うん」
プロローグで描いた、あの幸せな新婚時代。
それが、ようやく戻ってきた。
でも、今度は違う。
ただの理想ではなく、【努力して築いた幸せ】だ。
結論:気づきのまとめ
この物語から、私たちが学ぶべきことは何か。
【「手伝う」という言葉が、家庭を壊す】
家事は「手伝うもの」ではなく「分担するもの」だ。
【見えない労働を、見えるようにする】
家事の全体像を可視化することで、初めてお互いの負担が理解できる。
【言葉を変えれば、意識が変わる】
「手伝う」→「担当する」
この言葉の変化が、関係性を変える。
重要な3つのポイント:
1) 家事は夫婦二人の責任
・ どちらか一方の「仕事」ではない
・ 完全に平等でなくても、責任を共有する意識が大切
・ 「手伝う」ではなく「分担する」
2) コミュニケーションが全て
・ 我慢せず、不満を言葉にする
・ 定期的に振り返りの時間を持つ
・ 感謝を伝え合う
3) 変化には時間がかかる
・ 一朝一夕には変わらない
・ 小さな改善を積み重ねる
・ お互いの努力を認め合う
家事の不平等は、伝染する。
「手伝ってやった」という態度は、相手の愛情を確実に減らしていく。
そして、ある日突然、取り返しのつかないことになる。
今日から、できることがある。
「手伝う」という言葉を使わない。
家事を可視化する。
感謝を伝える。
小さな一歩が、関係を救う。
教訓
【責任を分担することが、愛を育む】
家事の分担は、単なる効率の問題ではない。
それは、お互いを尊重し、対等な関係を築くための基盤だ。
「手伝う」という言葉には、上下関係が隠れている。
「分担する」という言葉には、対等な関係が表れている。
どちらを選ぶかで、夫婦の未来が変わる。
P.S.
もし、あなたが今「手伝ってやった」と言っているなら。
もし、あなたのパートナーが「手伝ってくれた」と不満を抱えているなら。
今すぐ、話し合ってほしい。
遅すぎることはない。
でも、手遅れになる前に。
家庭は、二人で築くものだ。
どちらか一方が支えるものではない。
そのことを、忘れないでほしい。 December 12, 2025
蜘蛛の牢より落つるもの今更ながら読了。
序盤なかなか読み進められなかったんだけど北斗が登場してからの怒涛の展開が面白くて電車乗り過ごすほどwエピローグでの伏線回収も気持ち良かった。
さて、次はLOVE SONGかナイトフラワー読むぞ。 December 12, 2025
でもバッドエピローグを見ることで心の傷と引き換えにキャラの解像度がめちゃくちゃ上がった気がする…
やっぱ自分の推しのバッドエピローグは一度でいいから見た方がいいですね December 12, 2025
「君の顔では泣けない」。入れ替わった2人の感情は2人にしかわからない。だから観客に容易くは共感をさせないように細心の注意を払っている。だからこそエピローグが最高に良い。結末はどっちでもいい。2人だけがわかっていればそれでいい。お見事! December 12, 2025
三日目
モブ敵が一回で収束すな
まさかのシナリオと逆着地、あまりにもご愉快。
シャルぺ様〜〜っ!!!(うちわとペンラを振る)
すき。あまりにも最高を浴びた。
十影はシャルぺ様のものです。
とってもお疲れ様でした!
次回エピローグ。十影は後ほど丸洗いされます December 12, 2025
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